人体の修復や再建を行う外科医や医療従事者の支援を使命とするrestor3dは、設計の自由度と手頃な価格帯で従来の医療市場を打破するべく、アディティブマニュファクチャリングを追求してきました。
restor3dは、インプラントや手術器具、術前確認用模型などの開発・活用方法を変えたことで、精密手術の世界に新たなイノベーションをもたらしています。従来の器具設置システムはスピードが遅く、初期費用が高額なうえ、手術工程が煩雑になることがありました。そこでrestor3dは3Dプリントを活用し、手術の種類ごと、そして患者ごとにカスタマイズした金属製インプラントやポリマー製器具を製作し、外科治療のあり方を劇的に改善しています。
Formlabs 3Dプリンタを25台以上も運用するrestor3dの生産ラインでは、すでに次世代の手術器具を生産し、以下の用途に役立てています。
- 大型かつ高価なサージカルトレイを、手術の種類に応じた使い捨てツールに置き換え
- 病院のサプライチェーンおよび滅菌コストの劇的な削減
- 患者専用にカスタマイズした器具の活用で、術中のナビゲーションシステムの必要性を低減
restor3dのチームとrestor3dが製作するツールを使用する外科医の方々から、誰にでも手が届きやすいカスタム医療器具の製作が3Dプリントで可能になった背景をお伺いしました。

業界をリードする医療機器会社によって実証されたアディティブマニュファクチャリングの活用法
Enovis Surgicalとrestor3dによるパネルディスカッションで、医療器具を提供する企業がアディティブマニュファクチャリングをどう活用しているのかをご紹介します。
手術器具の開発に新たな可能性をもたらす
熟練の生物医学エンジニアと材料科学者からなるチームを持つrestor3dは、当初は頸椎手術用の3Dプリント製インプラントの製作にフォーカスを当てていました。これらの新しいインプラントを開発する際、何度も同じことがボトルネックとなっていました。それは、従来の製造法で作るステンレスの器具設置システムです。
最高技術責任者のCambre Kelly氏は、当時の状況を次のように説明してくれました。「私たちは、3Dプリントでしか実現できないような機能を備えた革新的なインプラントを開発しながら、現場の外科医たちは非常に伝統的な器具設置システムを使ってこれらインプラントを埋状することになるのだと考えていました。かなり早い段階から、インプラント本体だけでなくそれらを設置する際に使う器具にも革新を起こすことが、弊社の重要な差別化要因になるのだと気づいたのです」
しかし、従来の設置トレイは高額なため、病院側は作業手順をカスタマイズしたり、アプローチを進化させたり、新しい戦略を試したり、ということを簡単には行えません。
「従来の設置トレイはステンレス鋼を加工して作ることが多く、1枚あたり5万ドル以上します。医療機器メーカーとしては、1個5万ドルの器具トレイを10個購入するとしたら、その投資金額を回収するためには本当に長い間同じトレイを使い続けなければなりません。そうなると、さまざまな設計を試したり、うまくいかなかったトレイを破棄してゼロから作り直したり、一見するとごく僅かな部分のみを変更したり、といった作業はできる限りしない方向に持っていくことになるでしょう」
restor3dはこれまで、アディティブマニュファクチャリングによる内製能力を活かし、病院が機敏かつコスト効率よく治療をカスタマイズできるよう、器具や付属トレイを入手しやすい価格で提供してきました。手術の種類ごとに特化した使い捨てツールを製作するには、真にアジャイルな開発工程が必要でしたが、それを実現することで、外科医からのフィードバックと製品開発とのギャップを、これまでにないほど縮めることができました。
「生産を内製化できたこと、そして現場からのフィードバックをもとに部品設計や形状を素早く微調整できるようになったことで、高速生産が実現し、顧客に対して独自の価値を提供できるようになりました。使い捨ての部品を直接3Dプリントできるため、素早く試作・検証を繰り返してデザインの改良ができます」とKelly氏は言います。
迅速な製品開発で新たな臨床工程を実現

restor3dが製作した、手術の種類に特化した使い捨てツール。金属と3Dプリント製の樹脂製パーツを組み合わせている。
製品開発担当上級副社長のNathan Evans氏は、こう教えてくれました。「外科医は、自分が訓練を受けた手法に最も安心感を覚えるものです。20~30年前に訓練を受けた外科医の場合、今ある技術が当時はまだ存在していなかった、ということもあります。そういった外科医が同僚の症例報告を見て、まだ試したことのない技術によって実現できた結果や、その手法が新しい価値や結果、アプローチ、あるいは臨床工程を生み出している様子を目の当たりにすることで、新たな技術の導入が一気に進むことがあります」
私たちは今回、臨床的な観点からの考察も得るため、脊椎を専門とする整形外科医のErik Westerlund氏にもお話を伺いました。restor3dチームが製作した第一世代の頚椎前方除圧固定術(ACDF)システムを高く評価するWesterlund氏は、こう言います。「現在の開発工程は、過去20年間変わっていないのです。ある企業が新しいインプラントや器具設置システムを開発する場合、通常は、その企業が病院に現れてプロトタイピングを行い、数日もしくは数週間後に確認できるものが出来上がります。そこからさらに数週間かけて、ベータ版の器具が完成するのです。restor3dはプロトタイピングに数週間をかけるどころか、わずか数日で本物の器具を完成させるんです。私にとって、可能性という概念が180°変わりました」
Westerlund氏はさらにこう続けます。「重要なのはインプラントだけではありません。インプラント自体もさることながら、設置する技術も重要なのです。それが手術の成功を左右します。restor3dによる新たなアプローチは、システム型のアプローチです。アディティブマニュファクチャリングを活用することで、インプラント自体とインプラント設置作業の間にある種の統一感が生まれるんです。両方を変える能力があることで、患者にとって最高の結果を提供できるようになります」
外科医と直接やりとりすることは、restor3dが医療器具の製作を考える上で不可欠な要素です。例えば、整形外科腫瘍学のような分野ではすべての手術がユニークで、何一つとして同じことはありません。患者の体と既存のインプラントを合わせることが最終的な目的となる通常の整形外科手術とは異なり、がんは患者一人一人の骨に対してそれぞれ異なる損傷を引き起こします。restor3dは、工程の最初から最後まで外科医と協力することで、手術工程全体に合わせてカスタマイズしたツールを提供しています。
「私たちは、常に外科医からフィードバックをもらっています。3Dプリントのおかげで、外科医のフィードバックを素早く設計に反映し、新しい器具を迅速に提供することができています」
restor3d 製品開発上級副社長、Nathan Evans氏
患者特化型エンジニアリング上級副社長のBen Wesorick氏はこう付け加えます。「私たちは、CTスキャンやX線検査から医師との計画会議を経て、手術に至るまでのすべての工程で設計を行います。つまり、患者の画像診断から始まるすべての工程を外科医とともにする、エンド・ツー・エンドのプロセスなのです」

医療用SLA光造形3Dプリントの概要
本ウェビナーでは、医療用3Dプリントのベストプラクティス、複数の医療グレード新製品を含むFormlabsの最新の医療用エコシステムをご紹介します。
計画とツールで完璧な手術を実現
複雑な手術の場合、計画が非常に重要です。この部分こそ、restor3Dが外科医に提供できる最大の付加価値であり、通常は解剖学的模型や患者専用のカッティングガイドの製作を行います。

restor3dは、インプラントや手術ごとに特化したツールのほかに、手術計画や術中の工程をサポートする解剖学的模型や患者専用のカッティングガイドを製作。
医師がこれまでに何千回も行ってきたであろう一般的な手術であっても、計画は欠かせません。患者によって解剖学的構造が異なるため、インプラント自体が完璧に設計されていても、それを体内に埋状する工程は患者によってまったく異なります。restor3dチームはこの点を十分に理解し、手術を成功に導けるよう、計画工程の補助として役に立つ要素を提供しています。「特定の穴に正確にフィットするよう輪郭を整えた綺麗なインプラントを作ることはできても、それを使用する場面で実際に穴が想定した位置になければ、最終的な目標を達成できず、計画を遂行することはできません。ですから、私たちが提供するカッティングガイドや器具は、手術計画の遂行に欠かせない要素なのです」とWesorick氏は言います。
手術の計画段階において、restor3dの重要性をより深く理解するため、Duke Healthの整形外科腫瘍医であるWill Eward医学博士にお話を伺いました。restor3dで術前計画を行った時に一番印象的だったことを尋ねたところ、博士はこう教えてくれました。「restor3dは、患者の体だけでなく、インプラント、カッティングガイド、ドリルビットのスリーブからスクリューホールに至るまで、器具全体のポリマー製テンプレートを提供してくれたのですが、それが大いに役立ちました」
計画ツールの完全パッケージを活用することで、外科医は患者に手術を行う前に、解剖模型上で手術の進め方を確認したり、時には実際の手術をイメージして練習を行うことができます。この術前準備ができることで、実際の手術時間が短縮され、外科医はより自身を持って挑めるようになり、手術の成功と患者の早期回復につながります。
「restor3dと提携するようになってから、術中ナビゲーションシステムの使用頻度が大幅に減りました。カッティングガイドが非常に優れているからです。コンピューターナビゲーションは確かに素晴らしく、見ているだけで魅了されますし、医学生のお気に入りでもあります。でも、どうしても手術時間が長引いてしまうのです。患者様が浴びる放射線量も多くなります。ですから、よく考えられたカッティングガイドを使って同じことができれば、全員がハッピーになります」
Duke Health 整形外科腫瘍医、Will Eward医学博士
Formlabs製品がrestor3dのアプローチを支える
このように詳細にカスタマイズされた術前計画キットを製作するために、restord3dは社内の3Dプリンタ群を頼りにしています。3Dプリントで使用できる材料の種類、プリンタの精度、および外科医からの要求にオンデマンドで対応できる能力のおかげで、細かくカスタマイズされた製品でも迅速に提供することができています。
「1~3個の金属インプラントと6~8個のFormlabs製品を提供することがほとんどです。手術の完了や私たちが提供する価値のほとんどが、Formlabs製品なしでは実現できません」
restor3d 患者特化型エンジニアリング副社長、Ben Wesorick氏

医療専門チームへのお問合せ
患者様一人ひとりに合った手術器具や心臓補助装置のプロトタイプなど、医療用途での造形に関するご相談をいつでも受け付けております。Formlabs Medicalチームは専門のスペシャリスト集団として、お客様や企業のニーズを的確にサポートします。
高速、高精度、規模拡大の容易さ
restor3dは、コバルト、クロム、チタン合金製のツールやインプラントの製作に使用する、素晴らしい金属3Dプリンタを揃えています。同社は、部屋が丸ごと入りそうなサイズの金属3Dプリンタと合わせて、Formシリーズプリンタやその他の樹脂3Dプリンタを集めた3Dプリント製造施設を保有しています。
アディティブマニュファクチャリングマネージャーのElena Tercheria氏は、ポリマー製部品の製作を専門としています。彼女の率いるチームは、Formlabsプリンタで樹脂製部品の約90%を製作しています。使い捨て器具と患者専用にカスタマイズした器具の両方に対応し、中にはX線にも映るよう特別に配合されたレジンを使用して造形しているものもあります。
Tercheria氏のチームがForm 4Bを導入した時、特に造形速度の点でこれまでの作業工程に変化が起こせるかもしれないと考えました。「Form 4Bの造形速度は、産業用のDLPプリンタと同等、またはそれ以上です」と、Tercheria氏は振り返ります。

Tercheria氏とそのチームは、Form 4Bで造形した部品は側面が非常に滑らかで、後処理が最低限で済むことを評価しています。
また、手術を控えた外科医との共同作業では、敏捷性が重要になります。「出荷前に部品が壊れてしまうこともありますし、出荷直前に数量の追加が必要になることもあります。時にはお客様の都合で設計し直しになることも。[Form 4B]で造形速度が高速化したことで、こういった状況にもより迅速に対応できます」造形時間の短縮により、これまでは一晩かけて造形していたものを、造形したその日のうちに出荷できるようになります。1回のプリントで造形時間が最大2時間削減されたことで、他のプリンタでは1回しか造形できなかったところ2回の造形が可能になるなど、造形容量が実質2倍になります。
Tercheria氏率いるチームは、Form 4Bの造形時間予測の正確性にも着目しています。「些細なことと思われるかもしれませんが、造形時間が正確に予測できることで、従業員が浮いた時間をより重要な作業に費やせるようになります。一層ずつきちんとミキシングしているのに、造形時間が大幅に短縮されたというのはかなり心強いです。これは私たちにとって大きなプラスです。プリンタの稼働状況を事前に計画し、スケジュールを立てることができますから」
スピードという観点では、後処理の過程も全体の作業時間に影響を与える要素になります。Form 4Bによる造形品は表面が滑らかで必要なサポート材も少なく済むため、後処理の必要性が最小限に抑えられ、作業時間の短縮と精度の向上が実現できます。
サポート材の数が少なく済むということは、後処理チームに回す部品数が減り、製作にかかる時間やリソース削減にもつながります。
造形速度、精度の高さ、使いやすさ、そして使用できる材料の豊富さにより、Formlabsプリンタはrestor3dのユニークな作業工程を支える理想的なソリューションとなっています。さらにメリットがあるとすれば、需要が増えた場合には、追加で3Dプリンタを購入することで必要に応じて規模の拡張ができることです。Formシリーズは電源を入れたらすぐに使えるプラグアンドプレイで、restor3dが需要に応じて生産規模を拡大しやすく、初期資本として多額な投資を行なって長期的な利益回収を待つ必要がなくなります。さらに、開発工程で常に同じプリンタと材料を使用できることで、必要に応じてプリンタを量産用に活用するなどの柔軟な対応も可能になります。
「積層痕がほとんど残らず、側面も非常に綺麗で、3Dプリント品とは思えない仕上がりです」
restor3d アディティブマニュファクチャリングマネージャー、Elena Tercheria氏

restor3dは28台のFormlabs SLA光造形3Dプリンタを運用する。
Kelly氏は端的にこう述べます。「Formlabs製品を使い続ける理由は2つ、生産の柔軟性と拡張のしやすさです。金属3Dプリンタ1台を購入するのに50万ドル必要なのに対し、Formlabsプリンタははるかに低価格で購入できます。そのため、生産量を増やす必要性が出てきた時もFormlabsのプリンタを追加し続けることができますし、その場合も高額な初期投資が必要ないので無理なく続けられます」

Form 4と他社製光造形3Dプリンタの信頼性に関する第三者試験
独立試験機関により、Form 4 のプリント成功率は 98.7 % と評価されました。テスト方法と結果の詳細についてはこちらの技術資料でご確認いただけます。
パワフルな高機能材料
restor3dが製作する手術器具は金属製部品とポリマー部品を組み合わせたもので、多くの外科医がキャリアを通じて使用してきた完全ステンレス製器具の代わりに活躍しています。同社のエンジニアリングチームは、放射線滅菌(ガンマ線)または蒸気滅菌後の外科手術における使用にも耐えうる、ねじ締結が可能なポリマーを見つけるため、さまざまな材料を検証しています。
Formlabsは、ヘルスケア向けの豊富な生体適合性材料を含む30種類以上もの材料ライブラリを展開しています。Wesorick氏は、Formlabsの高機能レジン材料のパフォーマンスに驚いたと言います。「私たちがFormlabsのレジン材料を気に入っている理由は、術中に発揮する特性です。まず第一に、丈夫なことが挙げられます。材料が薄くなりすぎたり壊れたりすることをあまり心配せずに、希望通りの造形ができます。実際、インパクターやカッティングツール、穴あけガイドなどはかなり耐性があり外科医が手に持つ際に非常に優れたフィードバックが得られます。もう一つ、Formlabs材料を使うメリットはデザイン面で柔軟性が得られることです」
restord3dチームは、高負荷な環境での使用にも耐えられる高品質な製品を外科医に確実に提供し続けるために、すべての器具とインプラントで厳しいテストを行なっています。外科医と一緒に、曲げテスト、埋伏テスト、トルクテスト、模擬的な臨床使用テストを行い、手術室内での要件や高負荷環境に耐えられるツールであることを確認しています。

設計の柔軟性
一部の部品をレジンで3Dプリントすることで、restor3dはさまざまな方向づけや材料、デザインを新たに試すことができています。
「Formlabsのプリンタを使用して本当に良かったと思うのは、デザイン面で柔軟性が得られることです。Formlabs製品を使用することで、外科医の要望をほぼ確実に満たすことができます。これは、他のプリンタではなかなか難しいことです」とWesorick氏は言います。
チタン製のインプラントを設計する際には、プレートの方向づけをはじめ、3Dプリントで考慮すべき点、つまりアディティブマニュファクチャリングのための設計(DfAM)として考えなければならない点が多々あります。
「Formlabs製品は、チタンを使った3Dプリントに比べて非常に許容範囲が広く柔軟性があります。そのため、金属では製作できないものでもレジンでなら提供できる可能性が高く、プリント工程に柔軟性があるからこそ製品に必要な機能を搭載することができています」
患者特化型エンジニアリング副社長、Ben Wesorick氏

レジンを使った3Dプリントにより、restor3dは露出や解剖の必要性を抑えるために骨に開けるラウンドカットや非常に緻密な形状のカットなど、複雑な新設計も実現できている。
生体適合性
開発工程におけるコストや市場投入までの時間をさらに削減するため、Formlabsは医療機器メーカー向けに生体適合性を備えたSLA光造形方式およびSLS方式用材料を複数提供しています。Formlabs BioMedレジンは、医療グレードの材料を必要とする医療従事者のために設計されており、高い性能と生体適合性が必要とされる幅広い用途でご利用いただけます。BioMedレジンファミリーはISO 13485認証取得済みの工場で開発・製造され、一般的な消毒・滅菌方法にも対応しています。
Evans氏は、厳しい品質管理システムを導入している材料サプライヤーと提携することの利点について、次のように説明しています。「ISO 10993試験などの生体適合性に関する承認取得や試験をサプライヤー側で既に実施している場合、特にスタートアップ企業にとっては、長期にわたる試験や関連するあらゆるコストを回避できるので本当に助かるんです。既に試験が終わっていることでより早く市場に投入することができますし、試験をする場合でも、すべての試験項目ではなく特定のエンドポイントのみの実施でも正当性が保てます。Formlabs製品のこういう部分を頼りにしています」
全身の悩みの解決に向けて
restor3dは、3Dプリントを活用することで手術室にイノベーションをもたらすリーダー的存在としての地位を確立してきました。業界屈指の術前計画キット、精度が高く革新的なインプラント、器具設置キットで提供するエンドツーエンドのソリューションは、病院のコスト削減と患者の満足度向上に貢献しています。
それでも、Kelly氏は同社の事業はまだ始まったばかりだと考えており、足関節手術やさまざまな脊椎手術への拡大計画を立て始めています。外傷、上肢、スポーツ医学など、他の整形外科分野での応用ができる日もそう遠くはないでしょう。「私たちは、複数の医療分野において全身の問題に対処できるような基盤と、それを支える技術プラットフォームを提供できる存在となることを本気で目指しています」
同社は最近、会社と生産規模を次のレベルに押し上げるために、真新しい巨大なオフィス複合施設に移転しました。新オフィスでは、現在の製品ラインの成長をサポートし、さらなる専門分野の開発を行なっていく予定です。
最後に、Wesorick氏はこう言います。「そもそも3Dプリントと整形外科を組み合わせている企業は一握りしかありませんが、その中でも製品を完全に内製している企業となると、その数はとても少ないのです。内製によって可能になるのは、改良を重ね、市場で初となる製品を投入することです。こう言うと簡単に聞こえるかもしれませんが、新しいオフィスに移ることで、レジンやパウダーから完成品まで、ここノースカロライナ州ダーラムですべてを俯瞰して管理するというビジョンを実現できるようになります」
医療用途における3Dプリント活用方法の詳細、およびFormlabsの医療用生体適合性材料のラインナップはこちらからご覧いただけます。