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技術白書

3Dプリント製の成形型で加硫ゴムを成形

ジュエリー製造は、新しい時代を迎えつつあります。パヴェの繊細な配置やユニークなカスタムデザインへの需要が高まる中、従来のワックスカービングによる原型では作業量が多く時間もかかるほか、設計の自由度も制限されてしまいます。業界基準に基づいて試験を重ねたFormlabsの材料なら、既存のジュエリー製造工程に大幅な変更を加えることなく、デジタルならではの効率の良さを取り入れることができます。

Formlabsの光造形プリンタなら、人件費を削減しながら驚きの繊細さでジュエリーの原型が製作できるため、大きな利益の見込める新市場の開拓や、ワックス鋳造を継続しながらもワックスカービングの手間を省くなど、効率的なジュエリー製作が可能になります。

3Dプリント製の成形型で加硫ゴムを成形

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ジュエリー製造は、新しい時代を迎えつつあります。パヴェの繊細な配置やユニークなカスタムデザインへの需要が高まる中、従来のワックスカービングによる原型では作業量が多く時間もかかるほか、設計の自由度も制限されてしまいます。業界基準に基づいて試験を重ねたFormlabsの材料なら、既存のジュエリー製造工程に大幅な変更を加えることなく、デジタルならではの効率の良さを取り入れることができます。

Formlabsの光造形プリンタなら、人件費を削減しながら驚きの繊細さでジュエリーの原型が製作できるため、大きな利益の見込める新市場の開拓や、ワックス鋳造を継続しながらもワックスカービングの手間を省くなど、効率的なジュエリー製作が可能になります。

はじめに

デジタルへの移行を容易に

Formlabsは、ジュエリー設計のデジタル化により、新しい市場の開拓やクリエィティブデザインの可能性を大いに広げられると信じています。また、デジタル化によって様々な作業を楽にする有益な効果も得られることがわかっています。

過去にレジンの直接鋳造に苦労された方や、少量のレジンピースのために焼成を行うのは効率が悪いとお考えの方も、ワックス鋳造を諦める必要はありません。ワックスが長年鋳造型の材料として使用されてきた背景には、理由があります。成形がしやすいワックスに比べ、極めて繊細なインベストメント型は徐々に使われなくなっていきました。3Dプリントが登場する遥か前、加硫ゴムはインベストメント鋳造による大量生産を可能にする画期的な材料となったのです。

FormlabsのForm 4光造形プリンタHigh Tempレジンスタンダードレジンは、使い慣れた加硫ゴム成形工程に組み入れることができます。99%のプリント信頼性を誇るForm 4は、シャープなディテールと滑らかな表面を持つ造形品を製作でき、繊細な模様を精密に鋳造するためのパーツや原型を3Dプリントすることが可能です。原型の製作を3Dプリントに移行することで、デジタル在庫で物理的なスペースを節約し、人件費削減や迅速なカスタマイゼーションも可能になるなど、デジタル化の恩恵を受けられます。これらすべてを、馴染みのあるワックス鋳造プロセスに組み込めるのも魅力の一つです。

この技術資料では、型の種類に応じた使い分けやFormlabsレジンで製作可能な型の種類などを詳細に解説します。

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有機ゴム、熱加硫シリコン、RTVシリコン

ゴム材料は、引裂強さの異なる豊富な種類が存在します。使用する材料を選択する際は、大量生産で耐久性が求められるのか、それとも一品ものの繊細さが必要なのか、を考慮する必要があります。

  • 長期にわたって頻繁な使用が見込まれるワックス鋳型の場合、引裂強さが最も高い有機ゴムが好まれます。有機ゴムは加硫工程中に変形しづらく、シグネットリングなど厚みのある原型製作に最適です。
  • 熱加硫シリコンゴムは幅広い温度帯で加硫できる反面、有機ゴムほどの引裂強さはありません。シリコンの鋳型は細かなディテールまで取り込むことができるものの、ワックス射出方式で製作する場合はゴムよりも劣化が早い傾向にあります。
  • RTVシリコンは液体材料で、室温で硬化し柔軟性のある固体になります。RTVシリコンは、引裂強さと耐久性の面では有機ゴムと熱加硫シリコンに劣るものの、加硫工程で加わる圧力で割れたり変形する恐れのある繊細な3Dプリント製の原型の周りに流し込んで成形する場合に最適です。
透明材料に包まれたリング

使用可能なレジン

Formlabsのスタンダードレジン(BlackレジンGreyレジン)とHigh Tempレジンは加硫ゴム成形型におすすめのレジンです。既にレジンの直接鋳造に使用している場合、RTV成形にはCastable WaxTrue Castレジンも使用できます。

 

スタンダードレジン

True Castレジン

High Tempレジン

RTVシリコン

熱加硫シリコンゴム

X

有機ゴム

X

X

Formlabsレジンと成形型用材料の組み合わせの推奨例。

成形ゴムとの対応性

下の表は、新たな成形用材料が検証されると更新されます。この表に記載のない成形用材料にも対応している場合がありますが、Formlabsによる検証は行われていないことにご留意ください。

有機ゴム

Formlabsレジン

製品

離型

温度

対応性

High Tempレジン

Romanoff Blue Lo-Shrink Rubber

Mann Ease Release 200

55°C

Castaldo White Label

Castaldo Resin Release

153°C

 

熱加硫シリコンゴム

Formlabsレジン

製品

離型

温度

対応性

High Tempレジン

Belicone Red

なし

175°C

RiaceTech Orange

Castaldo Resin Release

80〜90°C

X

型への接着性あり

Castaldo VLT

Castaldo Resin Release

 

X

型への接着性あり

SCP Pale Pink

Castaldo Resin Release

 

X

型への接着性あり

RTVシリコン

Formlabsレジン

製品

離型

対応性

High Tempレジン

Smooth-On SORTA-Clear 40

Mann Ease Release 200

スタンダードレジン

True Castレジン

Castable Waxレジン

High Tempレジン

Castaldo ICE RTV

Mann Ease Release 200

スタンダードレジン

True Castレジン

Castable Waxレジン
透明材料に包まれたフォーム

RTVシリコンは透明なものもあり、複雑形状の成形後に型を割るときに便利。

パーツの準備

ゴムやシリコンを用いた成形型を作る場合、造形品の二次硬化が非常に重要です。スタンダードレジンを含むFormlabsレジンの強度や耐熱性を最大限に高める効果があるためです。また、原型の表面に未硬化レジンが残っていると加硫工程やシリコン硬化工程の妨げとなることがありますが、二次硬化によってこういったレジンを除去することができます。

Formlabs High Tempレジンの場合、高熱の加硫工程で変形を防ぐためには二次硬化が必須です。二次硬化後のHigh Tempレジンは238°Cまで変形に耐えることができます。

Castaldo Resin Releaseなどの市販の離型スプレーを使うことで、レジンの原型がRTVシリコンに接着してしまうのを防ぐこともできます。離型剤を塗った後、余分な液体は圧縮空気で取り除くようにしてください。

追加設備

デザインを3Dプリントした後は、よりディテールの凝った精細な原型の製作が可能になります。デザインの複雑性に関わらず、精細なフィーチャーを最大限に再現するための特殊な装置があります。

真空ワックスインジェクター

細いチャネルを通してワックスを注入する場合、Formlabsでは真空やクランプによって型を支えられるシステムの使用を推奨しています。

US/EU:デジタル真空ワックスインジェクションシステム
APAC:Sanei 真空ワックスインジェクター

真空/圧力チャンバー

真空チャンバーは型内に発生する気泡を取り除くために用いられ、RTV成形ではほぼ不可欠な設備です。 

US/EU:真空テーブル

SLS 3Dプリント品 - サンプルパーツのお申込

無償サンプルパーツのお申込

Formlabsの品質を手に取ってお確かめください。Formlabsのプリンタで実際に造形したサンプル品をお届けします。

ジュエリー設計に変革をもたらす3Dプリントとデジタル技術

True Castレジンでプリントしたブレスレット、リング、小さなカエル

鋳造で使うディテールの凝った造形品。True Castレジンを使用。

Form 4は、Castable Waxレジン、True Castレジン、スタンダードレジン、High Tempレジンとともに使用することで、ダイレクトインベストメント鋳造、フィットテスト、試作品製作、加硫ゴム成形など幅広い用途でのジュエリー製造をサポートするツールになります。原型の製作を3Dプリントに移行することで、馴染みのあるワックス鋳造工程はそのままに、コストや製作時間の削減といったデジタルワークフローのメリットを受けられます。

ジュエリー製作のデジタル化に一歩足を踏み出そうとしている方々のために、繊細な原型を確実かつ正確に鋳造できるTrue Castレジンを開発しました。繊細なジュエリーや複雑なエンジニアリング部品を最大5mmの厚みで正確に鋳造できるよう開発されたワックス充填材料で、信頼性、品質、万能性を重視した配合になっています。熱膨張率が低く収縮も最小限、かつ灰分含有量が0.03%と、鋳造結果として優れた品質を提供します。

無償サンプルパーツをお申し込みいただくと、Formlabsレジンの品質を実際にお手に取ってお確かめいただけます。また、ご不明点などについてはお気軽にFormlabsまでお問い合わせください。