Form 4とForm 4Lのレビューが続々登場

テーブルの上にForm 4LとForm 4 3Dプリンタが乗っている

Formlabsは2024年4月17日、かつてないスピード、精度、信頼性、多用途材料で業界に新たな基準を打ち立てる次世代光造形3Dプリンタ、Form 4を発表しました。その半年後には、Form 4と同じ画期的なハードウェア、ソフトウェア、材料科学に基づいて開発された大容量光造形3Dプリンタ、Form 4Lをリリースしました。

生体適合性プリンタForm 4BおよびForm 4BLを含むForm 4シリーズ3Dプリンタ は、かつてないスピード、精度、信頼性を実現し、3Dプリントに新たな常識を打ち立てます。ですが、私たちの言葉を鵜呑みにしていただく必要はありません。本記事では、さまざまな業界の3DプリントエキスパートたちがForm 4とForm 4Lについて語ってくれたレビューをまとめました。

Form 4のクローズアップ
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かつてないスピード、精度、信頼性を実現したForm 4で、生産性やイノベーションを新たなレベルへと引き上げる方法をご紹介します。

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TechRadar

「コンパクトなのにハイエンドな量産品質でプリントができる秀逸な光造形3Dプリンタです」

TechRadar Alastair Jennings氏

Alastair Jennings氏は、TechRadarにForm 4の熱烈なレビューを書いてくれました。彼はまずエコシステム全体の感想として「専門的な材料が豊富なこと、洗浄装置や二次硬化装置、仕上げステーションを含む高品質な装置が包括的に提供されていることで、市場で最も完成した形でユーザーに優しい製品群になっている」と述べています。Jennings氏はまた、幅広い材料が利用可能な材料ライブラリが実現する使いやすさと柔軟性にも注目しています。

「Form 4では、これまで見た3Dプリンタの中で最速かつ最も正確、そして高精細な造形が実現できます」

TechRadar Alastair Jennings氏

Jennings氏はForm 4の開梱作業についても詳細を述べ、その外観やサイズ、セットアップのしやすさがForm 3+と似ているとしています。造形テストでは、事前にサポート材を設定した大型モデルを造形しようとすると造形品がサポート材から落下してしまうことがわかりました。彼はこの点について、他の多くの高速プリンタでも発生しやすい問題であるとしながら、Form 4に搭載された高度なセンサーのおかげでこの問題が低減され、さらにPreFormで生成したサポート材の使用に切り替えることで100%の造形成功率を達成したと言います。

Jennings氏がForm 4とCreality K1Cを比較した結果、Form 4の方が少量生産時の時間を短縮できることがわかりました。9つの3DBenchyモデルを造形するのにかかった時間は、Form 4では1時間12分だったのに対し、Creality K1Cで同じ作業をサポート材ありで行った場合には15時間47分と所要時間が大幅に増加しました。さらに、造形品質もForm 4の方が高く、細部の表現が優れサポート材の取り外しも簡単でした。

「Form 4の造形品質と信頼性は傑出しています。全体的なユーザーエクスペリエンスも向上していて、現場での試作品製作やモデル製作、製造を行いたいと考える企業には有力な候補になると思います」

TechRadar Alastair Jennings氏

Form 4で3Dプリントした造形品

(画像出典:Alastair Jennings)

後処理について、Jennings氏はこう述べています。「洗浄装置と二次硬化装置はオプションですが、最良の結果を得るためにはほぼ不可欠な存在で、特にこのクラスでは最高級の装置です」

最後のまとめとして、「ユーザーエクスペリエンスの向上や機能追加により、Form 4はForm 3+からアップグレードする価値のあるプリンタ」とした上で、「市場で最も信頼性と品質が高く、作業場を汚さずに造形できる光造形3Dプリンタを探している人がいれば、この価格帯でForm 4と競い合える製品はまだない」と総括してくれました。

TechRadarからの評価
価値非常に優れた造形品質と魅力的な価格帯4.5
設計滑らかで美しく、効率的なレジン供給システム搭載のユーザーフレンドリーな設計4.5
フィーチャー高度なプリントが実現できる革新的な機能が詰め込まれている5
パフォーマンススピードと精度の点で競合を凌ぐ5
合計業界の基準を打ち立てる秀逸な3Dプリンタ5

「Form 4は、特に2つの分野で非常に優れています。1つは繊細なディテールや複雑な形状でも高精度・高品質で安定してプリントできること、[…]もう1つは驚くほど簡単に一貫性のあるプリントができることです。造形テスト中は合計8リットルのレジン(Clear、Grey、Blackレジン)を使用しましたが、一度も問題が発生することなく、造形が失敗しやすい他の高品質・低価格プリンタとは歴然の差を見せつけてくれました」

TechRadar Alastair Jennings氏

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Tom’s Hardware

Form 4

「Formlabs Form 4は、高品質で使いやすく、信頼性の高いプリンタを求める人には最高の3Dプリンタです。[…]Formlabsは医療系を含むどんな用途にも使える高機能材料を豊富に提供していますし、光造形3Dプリンタとしても、3Dプリンタ全般としても、最高の製品だと考えています」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

「失敗しないビジネス向け3Dプリント:点と点をつなぐ完璧なプリンタ」と題されたレビューの中で、Denise Bertacchi氏はForm 4について詳細に解説しています。これまで光造形プリントであまり良い思い出がないというBertacchi氏は、その体験はすべて使用するプリンタに起因するものだということに気が付いたと言います。

「消費者向けの3Dプリンタ、そしてそれと一緒に使う洗浄・二次硬化装置は、作業場所が汚れやすいだけでなくユーザー側で試行錯誤しなければいけないことが多すぎるんです。Formlabsは、高度に制御され、徹底的な検証が行われた製品を提供することで、そういった曖昧な部分を取り除いてくれました。製品には清掃に必要なツールもすべて付属していますし、よくデザインされたユーザーインターフェースで煩雑さが低減されています」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

Bertacchi氏は、高度に制御されたForm 4製品のテクノロジーは長所でもあり最大の短所でもあると言います。サードパーティ製のレジンを使用するにはOpen Material Modeの購入が必要で、Formlabs材料を使ったプリント時に得られる「すべてが完璧に統率された」ユーザーエクスペリエンスを再現するにはユーザー自身での設定調整が必要になるためです。

「毎回完璧なプリントができる安定したフローが必要な企業向けに設計された製品です… スライサーのガイドラインに従えば、必ず良い結果が得られます。Formlabs Form 4の使い勝手はとてもシンプルで、インターンや経理担当者でさえ使いこなせそうです」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

FormlabsのWebサイトに掲載されているガイドや動画、カラー、Form 4のタッチスクリーン上に表示される説明まで、Bertacchi氏にとってはFormlabs製品の全てがわかりやすいものでした。これまで試してきた多くのプリンタとは異なり、FormlabsのプリンタにはIPA以外の造形に必要なツールが全て揃っており、組み立てられた状態で届くプリンタは開梱から簡単に取り扱えるようになっています。

「Formlabs Form 4は見た目も美しく、ディテールまで手の込んだ作りになっていることがわかります」と、開け閉めが簡単なカバーやレジンタンクがプリンタに張り付くのを防ぐ表面の工夫などについてもBertacchi氏は言及します。

レジンの取り扱いに関する記述では、レジンの自動供給機能、保管が簡単なレジンタンク、材料の切り替えの迅速さ、レジンミキサー、不純物の検知機能、材料の混在を防ぐためにレジンカートリッジとタンクの両方に搭載されているRFIDタグの解説がなされました。さらに、新たに搭載されたセンサーでレジンタンク充填時の操作もよりクリーンに行え、プリント失敗時の混乱を防ぎます。

その他の特徴は以下のとおりです。

  • 造形品の取り外しが簡単かつ迅速に行えるBuild Platform Flex

  • Form Washの自動開閉機能、洗浄バスケットの自動昇降

  • 静止画とタイムラプス動画の両方が撮影可能な統合カメラ

  • レジンごとの設定、サポート材の生成、モデルのくり抜き、高度な造形設定エディタが利用可能なPreFormソフトウェア

  • プリント履歴やレジンの消費量を確認できるDashboard

  • 材料の鮮明さ

「Form 4の解像度は4,000px『だけ』なので、ピクセル数が2倍にも3倍にもなる最新版の消費者グレードのプリンタに比べると見劣りするかもしれません。でも、このプリンタを使ってみて私が常々感じてきたことが正しかったと実感しました。それは、シャープなディテールはピクセル数よりも材料に依存する、ということです。Form 4では鮮明で綺麗なパーツを、驚くほどのディテールや精度で造形できます」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

3Dプリントした2匹の馬のフィギュアのクローズアップ写真右のフィギュアの方が左よりもディテールが鮮明。

Bertacchi氏は写真左のサンプルをPhrozen Sonic Mega 8k Sで、写真右のサンプルをForm 4で造形(画像提供:Tom's Hardware)。

「Form 4で実現できる鮮明さとシャープなディテールには驚きました…Phrozenのプリンタも同じ商業市場をターゲットにしていますが、解像度は43µmです。Form 4は50µmですが、Form 4の方がディテールが鮮明でぼやけた感じが少ないことがはっきりと見てとれます」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

Bertacchi氏のテストプリントは、プリントのディテール表現や品質を決めるのは解像度だけではないことがわかる結果となりました。それ以上に、複数の統計情報や機能が総合的に造形品質を左右するのです。

Bertacchi氏はForm 4のことを、「量産やプロトタイピング向けに完璧なパーツが必要で、プリンタの微調整に時間を割くことができない企業に最適」な製品と位置付けています。価格帯は消費者市場の枠をやや超えるものの、Bertacchi氏はこう言います。「こういう製品は、学校や大学のプログラムなど、デザインやパーツの製造そのものに多くの時間をかけたい環境でも最高のツールになると思います。ユーザーインターフェース上に表示されるガイドや手順に関する継続的なリマインダーなどのおかげで、作り手は化学の知識よりもデザインのスキルに集中することができます」

Form 4L

「産業用レジンをもっとシンプルに:Form 4の魅力はそのままに、より大きくなったForm 4L」という見出しのもと、Form 4LのレビューをしてくれたのはDenise Bertacchi氏。プリンタに5つ星中4.5星の評価を与えています。

Formlabs Form 4Lは、適切な解像度と驚異的な精度で、優れたプリントを大容量で実現してくれます(…)このプリンタは単なるビジネスツールではなく、パートナーとなる存在です」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

Bertacchi氏は、Form 4Lを「Form 4の産業用途向け大容量モデル」と位置づけ、工業用途向けである旨を強調しています。Bertacchi氏はForm 4Lについて、Form 4と同様に検証済みレジンを使用することでプリント時のトライアンドエラーが不要となる点や、Formlabsの豊富な材料ライブラリに加えてOpen Material Modeが使用可能となり、学校や大学は波長405nmのサードパーティ製レジンを無料で使用できることなどに触れています。

「Formlabs Form 4Lは、高品質、使いやすさ、信頼性を求めるユーザー向けのプレミアムなビジネスクラス3Dプリンタです。高価なエコシステムに多少依存する形にはなりますが、Formlabsは医療用途を含むあらゆる用途対応の幅広い材料を提供しています。光造形3Dプリンタとしても、総合的な3Dプリンタとしても最高の製品です」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

Bertacchi氏は光造形3Dプリントの基本としてワークフローを概説したのち、プリンタの開梱について手短に説明しました。「プリンタは完全に組み立てられた状態で届きます。開梱し、レジンタンクを取り付け、ワイパーを装着し、その後レジンタンクとビルドプラットフォームを指定の場所に固定するだけです。ただしプリンタの重量が126ポンド(約57kg)あるため、所定の場所に設置するには補助が必要です。マシンには移動を容易にするためのリフト用ストラップが付属しています」

「Formlabs Form 4Lは、細部まで驚くほどこだわって作られたプレミアムなプリンタです」と述べるBertacchi氏は、ビルドプラットフォーム、レジンタンク、ワイパーが迅速かつ確実に所定の位置にラッチされること、そして「レーザーユニット(LPU)上のガラス表面は非粘着性のテクスチャで、一層が作られるたびに造形面が上昇しますが、この時にレジンタンクのフィルムがガラスに固着するのを防ぐため、フィルムが穏やかにたわむようになっている」ことに着目しています。

Resin Pumping Systemを試したBertacchi氏は、Formlabsのレジンカートリッジについても読者に解説し、Form 4Lは「必要に応じて底部開口部から適切な量のレジンを供給できる」と述べています。レジンタンクにはプログラム可能なRFIDタグが搭載されており、カートリッジとタンクの適合性を確認するほか、タンク内の材料残量やプリントされた層数を追跡します。

「このレジンタンクには、一般消費者向け機種では見たことのないワイパーブレードも付いています」とBertacchi氏は述べ、これがレジンをしっかりと混ぜ合わせ、異物が検出された場合には警告を発することができると言います。追加のスマートセンサーによってレジンレベルの維持やプリンタのレベリング(水平設置)が補助されるほか、ドアを開けたままでのプリントやビルドプラットフォームが所定の位置に戻る前のレジンタンク取り外しといった一般的なユーザーエラーについて警告を発します。

「Formlabsは、私が常々感じてきたことが正しかったと証明してくれました。それは、シャープなディテールはピクセル数よりもプリンタ自体の精度と材料に依存する、ということです。Form 4Lでは鮮明で綺麗なパーツを、驚くほどのディテールや精度で造形できます」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

Bertacchi氏は、後処理に話題を移す前に内蔵カメラについても端的に触れ、後処理工程も「プリントプロセスを容易にする、プリンタ本体と同じくらい優れた設計」と述べています。Form Cureについて、Bertacchi氏は「これまで使用した光造形プリンタの中で間違いなく最高の硬化装置でした」と述べています。「Formlabsの全レジンに対する設定が事前にプログラムされていたので、私は材料を選択し、設定を確認し、開始ボタンを押すだけでした」

造形準備ソフトウェアのPreFormに話題を移したBertacchi氏は、その使いやすさ、つまり「設定をいじる必要がない」点に言及しています。さらに、PreFormでは中空化からサポート材生成まで必要なことは全て実行でき、Dashboardではプリント状況やレジン使用量を追跡する機能のおかげで「一歩先まで手が届く」と述べています。

本から現れるドラゴンの頭部の3Dプリント品(ブラック)

このブックヌック(本棚の飾り)モデルは、BlackレジンV5で3つのパーツに分けてプリントしたもの(画像提供:Tom's Hardware)。

ドラゴンの頭部と頬のクローズアップ

PreFormで中空化し、積層ピッチ0.1mmでプリントしたドラゴン(画像提供:Tom's Hardware)。

Bertacchi氏はGreyレジンV5でサンプルプリントを行った結果、「プリント結果は完璧に見え、これまで同じモデルをプリントした中で最もディテールが綺麗に表現できている箇所がいくつかあった」と述べています。彼女はまた、「驚きのClearレジンV5」とTough 2000レジンにも言及しており、後者では壊れないクリップや実用的なハンマーとレンチが製作できたと言います。

Bertacchi氏は最後にForm 4Lを、ビジネス用途、そして「どうプリントするかを考えることに時間を使うよりも、部品製作そのものに時間を費やしたい」であろう教育現場向けに推奨しています。

「FormlabsのForm 4Lは、大型モデルや高精度な試作品をすぐに必要とし、かつプリンタの操作に専任の技術者を割り当てずに済む方法を模索する企業にとって素晴らしいツールです。私のテストプリントではこのプリンタが持つ能力のほんの一部を試したに過ぎない、と感じるポテンシャルがあります」

Tom’s Hardware、Denise Bertacchi氏

3DPrint.com

Form 4

3DPrint.comのJay Rincher氏にForm4、Form WashForm Cureスタンダードレジンを使っていただき、感想を伺いました。実は光造形3Dプリンタはあまり使ったことがないというRinche氏。最初は少し不安げでしたが、使用感について「作業手順がとてもシンプルで、スライスソフトウェアも非常に直感的でしたし、1時間もあれば誰でもこのプリンタを使いこなせるようになると思います」という言葉をいただきました。

Rincher氏が開梱からセットアップ、プリント、後処理まですべての工程を一通り説明してくれます。開梱とセットアップはプリンタのタッチスクリーンに明確な手順が表示されるため簡単でしたが、大型部品の洗浄用に最大15リットルも格納できるForm Washのために、イソプロピルアルコールを調達することが大変だったようです。

PreFormの操作自体はRincher氏も直感的だと感じたようですが、今回一番問題になったのは造形したモデルの上に付いているカップで、PreFormの機能を使って自動的に空気抜きをすることができませんでした。この点は別として、彼はこう言います。「プリント工程自体は全く苦になりません。このプリンタは簡単に使いこなせるようになると思います。プラグ・アンド・プレイなので到着したらすぐに使用を開始できますし、オンボーディング手順も光造形プリントに慣れていない従業員にもとってもわかりやすいです」

「これまで、光造形は臭くて作業場も汚れるし、危険だという話を聞いていました。ローエンドのプリンタだとそういうことは確かにあるのかもしれませんが、Form 4では全くの正反対でした。プリント体験はほとんどがスムーズでしたし、手間要らずで安定感がありました」

3DPrint.com Jay Rincher氏

Rincher氏がテスト造形を行ったのは、模型、イヤリング、糸で操作する小型の玩具、歯の模型などでした。1つのコンポーネントを複数造形してもすべて全く同じ仕上がりになり、さらにどの材料を使っても玩具の糸がしっかりと機能することがわかりました。

「高速SLA光造形3Dプリンタの導入を検討している企業は、このプリンタでニーズが満たせるかどうか確認してみると良いと思います」

3DPrint.com Jay Rincher氏

Form 4L

「総じて、Form 4Lは高速・高精度・多用途の3Dプリント製品を必要とする企業にとって価値のあるアセットです」

3DPrint.com Orville Wright氏

Wright氏はレビューの冒頭で開梱を行い、梱包が非常に頑丈で製品がしっかりと保護されていること、また運搬用の白いストラップでプリンタの開梱が容易に行えたことに触れています。開梱後は、Form 4Lが高品質の材料で作られており耐久性のあるプリンタであることがわかるというコメントもありました。

Wright氏が最初にテストプリントを行ったのは高さ350mmのエッフェル塔モデルで、積層ピッチ50μmで造形し、約13時間で完成しました。「驚きの速さとエッフェル塔の隅々まで精巧に再現したディテールからは、Form 4Lが高品質で迅速な生産をサポートできることがわかる」とWright氏は言います。

ハードウェアとスペックについて、Form 4Lは「驚くほどの造形速度で、1時間あたり最大80mmの高さをプリントできます。このスピードと大容量の最大造形サイズにより、Form 4Lはどんな生産現場でも高い生産性を発揮してくれるでしょう」と述べています。さらに、Open Material Modeが「Form 4Lの汎用性と適応性を高め、多様な用途で活躍できる貴重なアセットになる」と付け足します。

「初心者から経験豊富なユーザーまで、PreFormの直感的な操作によってスムーズかつ効率的にワークフローを進められます」

3DPrint.com Orville Wright氏

Wright氏は、造形品のタイムラプス動画を作成できるForm 4Lのカメラについても高く評価しています。

複数のテストプリントを通じて、精度、造形速度、騒音レベルなど、さまざまな観点から評価を行ったWright氏は、Form 4Lの「卓越した信頼性」と基本価格について、「パフォーマンスと生産性に優れたプリンタとしてリーズナブルなエントリーポイント」と評価しています。Wright氏はForm 4LをNexaやCarbonなどの競合と比較し、Nexa 3D XiP Proは「かなり高い値札が付いている」こと、Carbon 3Dプリンタは「リース契約を通じてのみ入手可能で、オープン材料システムで得られる柔軟性に欠ける」ことをポイントとして挙げています。

「Form 4Lは、競合他社の数分の一のコストで量産レベルの3Dプリントを叶えられる、卓越した価値を付与してくれます」

3DPrint.com Orville Wright氏

Wright氏はpcbway.comを使って、CNC加工、SLS方式(あえてFormlabsのFuse 1+ 30W以外の製品を選択)、射出成形のそれぞれで1,000個と10,000個の見積もりを比較し、包括的な製造コストの比較を行っています。Wright氏は「Form 4Lは必ずしも初期費用が最も安い選択肢とは限らないものの、外注に比べて大きなメリットがある」と結論付けています。これには、デザイン変更への柔軟性、複雑なディテールや複雑な形状の造形能力、サプライチェーンの管理強化、製造期間の短縮などが含まれます。

「Form 4Lを使った3Dプリントでは、CNC加工や射出成形などの従来の製造方法と比較して、生産を大幅に加速できます。さらに、社内で3Dプリントを行うことで企業は生産プロセスをより柔軟に管理しながら、一貫した品質を確保し、試作・検証サイクルを迅速に回すことができます」

3DPrint.com Orville Wright氏

Tested

Form 4

私たちは、Adam Savage’s TestedチームにもForm 4とレジンを送り、使用感を教えていただきました。48分の動画の中で、Norm Chan氏がForm 4について以下の点を含む徹底的なレビューをしてくれています。

  • 光造形3Dプリントの造形の仕組みや二次硬化装置の違い

  • Form 4のMSLA(マスク式光造形)技術

  • Form 4のセットアップ

  • Form 4とForm 3+の比較

  • FormlabsテクニカルプログラムマネージャーのCole Durbinとの対談

  • Formlabs共同創設者兼CEOのMax Lobovskyとの対談

  • Form 4でホビー向けモデルを造形

  • Form 4のレビュー

Chan氏は、SLA光造形方式とMSLA光造形方式の違いを説明した後、Form 4のセットアップ工程を詳細に解説し、プリンタの各コンポーネントの機能やForm 3+と比較した場合の違いについて紹介しています。Chan氏がForm 3+を使い慣れていることは明らかで、Form 4の技術と消耗品のアップデートについて、Form 3+ユーザーとしての視点から洞察を与えてくれます。

「Formlabs製品のメリットがそのまま受け継がれています。[Form 4]で私が気に入っている点は、プリントや監視が迅速に行えること、信頼性の高さ、そして優れたレジンで確かな品質が実現できることです」

Tested Norm Chan氏

Chan氏の動画はこれまでのレビュー動画とは異なり、Formlabs本社を訪れてテクニカルプログラムマネージャーのCole DurbinとForm 4の技術について掘り下げた映像も含まれています。Formlabsの共同創設者兼CEOのMax Lobovskyとのインタビューでは、ソフトウェアや材料など、ユーザーからのフィードバックをもとに行う製品開発について語っています。

テスト造形を行った後、Chan氏は自身の経験とプリンターの性能についてこう語ります。「何よりもまずスピードですね[...]Form 4は実際3倍ほど速いです[...]Greyレジンを使って積層ピッチ100ミクロンでテストしています」造形品で細かなディテールまで表現できていることについて、Chan氏はマクロレンズと寸法精度がこれまでより向上していることで、確実にフィットする造形品が作れると述べています。

主にホビー用途での造形に重点を置いているChan氏ですが、重要な要素をこう説明してくれました。「長年、光造形や一般的な3Dプリントを使ってきた経験から学んだのは、試作・検証プロセスにかかる時間、作業にかかる時間、プリントを一日に何度行えるか、ということが本当に重要になるということです。プロトタイピングや設計をしている場合、3Dモデル作成用ソフトウェアを使って設計を行っている時間と、プリントや試作・検証に費やす時間のちょうど良いバランスを取りたいところですから」

総括として、Chan氏はForm 4についてこう述べています。「ミニチュアを一日中造形するために作られたプリンタではないことは確かです。このプリンタは、エンジニアリング用のパーツやセラミックパーツ、シリコンパーツなど、この製品で使用できるエキゾチックで高級感のある様々な材料を使って造形できるよう作られたプリンタです」

その他の詳細と対談については、Testedに投稿されたChan氏のForm 4レビューをご覧ください。

Form 4L

「本当に驚きました。週末もしくは1週間かけてプリントすることになるだろうと考えていたのですが...Draftレジンの中には、当日中にプリントが完成するものもあります。[...] これは、Testedの3Dプリントワークショップの頼もしい仲間になってくれそうです」

Tested Norm Chan氏

私たちは、Adam Savage’s TestedチームにもForm 4Lとレジンを送り、使用感を教えていただきました。Form 4のレビューに続き、Norm Chan氏がForm4Lの技術、スピード、造形品のサイズと品質、製品エンジニアリング、レジンの使用量と節約量、信頼性について概要を紹介してくれます。

Chan氏は、Form 4Lは「工業用途や業界でプロトタイピングを行う人たち、つまり信頼性が高く一貫した部品を必要とし」、膨大なFormlabs材料ライブラリへのアクセスが必要なユーザーに適した製品であると言います。

Form 4のレビューの中で、Chan氏はMSLA(マスク式光造形)の仕組み、FormlabsのLow Force DisplayTM(LFD)プリントエンジンの概要を掘り下げます。その中で、MSLAの概要やForm 4Lの技術がForm 3Lと異なる点を説明しながら、特にForm 3Lでは2基のレーザーを使ってレイヤーを硬化していたために若干のシームラインが生じる可能性があったことに触れ、「3Lのレーザーを照射して硬化するシステムから変わったことで、4Lではシームラインの問題がありません」と述べています。MSLA方式のForm 4Lではシームレスな仕上がりが実現でき、造形準備や後処理にかかる時間を削減することができます。

「Form 4Lはさらに大容量になりました。これなんかはフルのミニチュアモデルキットくらいの大きさがありますが、それを一度にプリントできます...ディテール表現も驚きの品質です」と、Chan氏は表面の細かいディテールを表現しながら1フィート(約1.5メートル)以上の高さも造形可能なことについて触れています。そしてもちろん、これらすべてが高速で行われます。

「3Lでは、週末に何日かかけてプリントするような考え方で運用していましたが、Form 4Lではスピードが4~5倍ほど向上したことで、ほぼ一晩でプリントが終わるようになりました。時間にして12時間ほどですね...午後にプリントを始めても、次の日の午後か朝には完成しているので、次の設計・検証に取りかかることができます」

Tested Norm Chan氏

Chan氏は、Fast Modelレジンを使って積層ピッチ200μmでAdam氏の頭部の実物大モデルをプリントしました。造形したレイヤー数は1,300層ほどです。「プリントにかかった時間は2時間45分で、これには本当に驚きました」レジンの加温時間とレイヤーごとの造形時間を細分化して算出したChan氏は、Form 4Lの造形時間は「Webサイトで宣伝されている通り、1時間あたり80mmの最高速度に達している」と言います。

ミキサーアームやレジンタンクなどのハードウェアと消耗品は頑丈な設計で、操作や設置が簡単に行えます。

「何もかも問題なく動作してくれます。このマシンの背景にあるエンジニアリングを物語っていますね」

Tested Norm Chan氏

大型パーツのプリントで考慮すべきは、レジンの消費量が多いことです。Adam氏の頭部モデルには、2Lのレジンに対応するプリンタで1.5Lのレジンが必要でした(Resin Pumping Systemを使用しない場合)。しかし、Chan氏は最新のPreFormアップデートでレジンの消費量を抑える方法を見つけました。

「ありがたいことに、FormlabsはPreFormソフトウェアに私たちがずっと求めていた機能、つまりモデルのくり抜き機能を追加してくれたんです。ボタンを押すだけで、壁の厚みやモデルの内側にどの程度の忠実性を求めるかを定義することができます。その結果、ソリッドとして造形した場合は3.5Lのレジンを消費していたであろうモデルも、700mLのレジンで済ませることができます。これはレジンの節約になるだけでなく、サポート材のタッチポイントをさらに細かくできるので、取り外しや後処理も簡単になります」

Tested Norm Chan氏

モデルのくり抜き機能については、PreFormをダウンロードいただくか、こちらから詳細をご覧いただけます。

PreFormでプリントのセットアップを行い、自動生成されたサポート材を手動で編集していたとき、Chan氏はPreFormの新しいサポートラフト形状が気に入ったと話してくれました。Build Platform Flexがなくてもラフトをビルドプラットフォームから簡単に引き剥がすことができ、ゲージを作る必要もありません。その上、サポート材の取り外しも簡単です。

「テストを始めて2週間経ちますが、プリントが失敗したことはまだ一度もありません。ただただ、うまくいくんですね。なるべく機械を使う手間を省きたいユーザーや、クライアントのプロジェクト向けに部品を提供する必要のあるユーザーに向いています。そういう規模の企業のラボや工房で、これらの製品を見かけるのもそのためですね」

Tested Norm Chan氏

Chan氏は、Form 4Lは大容量プリントを1日以内に確実に仕上げることで、業界で働く人々にとって貴重なツールになるだろう、と締めくくります。

Form 4L 3Dプリンタの中に3Dプリント製の胴体モデルが入っている
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製品デモでForm 4Lを詳しく知る

次世代の大容量光造形3Dプリンタ Form 4Lは、Form 4で実現した驚きのスピードと精度、信頼性を、まったく新しいスケールで叶えます。

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DEVELOP3D

「Form 4のプリント性能に関してまず印象に残ったのは、なんといってもやはりそのスピードでした。レイヤーごとに造形されるプロセスなので、ベッドを充填するための時間的な制約もありませんし、ビルドプラットフォームがレジン槽からスムーズに出てきているのが分かります」

DEVELOP3D、Matt Batchelor氏

DEVELOP3DのMatt Batchelor氏はForm 4をテストした結果、「プリンタのあらゆる点が時間を節約する設計になっており、セットアップが簡単」だと感じたと言います。開梱からスタートしましたが、プリンタはしっかりと梱包されており、箱から出してセットアップするのも簡単でした。Batchelor氏は、省エネのためにプリンタの電源をオフにできること、大きくて明るいユーザーディスプレイ、スピードが劇的に向上したことを強調しています。また、Form 4本体に使われている部品の一部も3Dプリント製であることにも言及し、例えば排煙ポートはTough 1500レジンでFormシリーズプリンタで造形、小型ツールキャディはNylon 12パウダーFuseシリーズSLSプリンタで造形されたことなどを説明しています。

レジンと消耗品に関しては、Batchelor氏は再設計されたカートリッジと大型バルブ、さらにより硬質で光や埃を遮断する蓋がついたレジンタンクを高く評価しています。さらに、新しいタンクとアームを合わせても、Form 3用のレジンタンクとミキサーよりも安価であることにも注目しています。

プリントを開始すると、レジンの「充填が非常に高速で、何度かプリントをしてようやくいつ供給されているのかがわかった」と言います。 

Form 4 Build Platformはより大きな長方形で、Build Platform Flexは「造形品を無理に引き剥がす必要がなく、取り外し作業がよりエレガントになる」と言います。さらに、Form 4はForm 3よりも背の高いモデルの造形が可能です。

Form Wash(第2世代)は洗浄時間が短くなり、より徹底的な洗浄が可能になったことを受けて、Batchelor氏はこう言います。「洗浄作業のワークフローが改善されたことで作業時間が大幅に短縮されました。また、サポートを内側に移動することでForm 3用ビルドプラットフォームにも対応できる設計で、プリンタのビルドエンベロープの高さをフルに使用しない場合でも溶剤を一部のみ充填して動作させることができます。」

Batchelor氏は、PreFormの基本概要とモデルのセットアップについて説明した後、実際にプリントを行い、カメラ機能も試した上でこうまとめます。「プリント結果はシャープで正確、Formlabsが公表している公差内の造形品が出来上がりました。Formlabs Form 4では1回のサイクルにかかる時間が短くなったため、活用の仕方が大きく変わりそうです。シンプルなパーツならほんの数時間で完成しますし、より複雑なジョブでも1日のうちに複数回のプリントが可能です。」

「Form 4は、上級ユーザーのニーズを念頭に置いて開発されたことがわかる、非常に優れたマシンです。『超高速』という一番のセールスポイントももちろんですが、全体的にSLA光造形をよりスムーズで分かりやすい工程に見事変えたことで、ユーザーはこれまでセットアップや後処理に費やしていた時間を有効に使うことができます」

DEVELOP3D、Matt Batchelor氏

3D Printing Industry

2025年 デスクトップ3Dプリンタ・オブ・ザ・イヤー(FFF以外)

2024年12月、3D Printing Industryが2025年のアワード受賞者を発表し、Form 4は非FFF方式デスクトップ部門の3Dプリンタ・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

今回の受賞に際し、FormlabsのCPOであるDávid Lakatosは次のように述べています。「私たちはForm 4の開発に何年もの歳月を費やしてきました。超高速ながら他に類を見ない安定性を実現する光造形3Dプリントは、新たな時代を切り開くものとなるでしょう。2024 3D Printing Industry Awardsの専門家委員、そして読者の皆様から、Form 4が非FFF方式デスクトップ部門の3Dプリンター・オブ・ザ・イヤーに選出され、その影響力を認めていただけたことを大変光栄に思います。

Form 4の造形速度と信頼性は、NASA、Ford、Microsoftといった世界を代表するブランドからも注目され、新たな業界やユースケースで今後もこの高速プリンタの活用法がさらに拡大していくものと期待しています。3Dプリントにはこれまで、射出成形を凌駕できるほどのスピードや信頼性がありませんでした。Form 4は、イノベーター、メーカー、プロダクトデザイナーが自由度の高いデザインと高速造形を活かしながら、手頃な価格で製品の新たな可能性を探ることができる3Dプリンタです」

アワード受賞者の一覧はこちらからご確認いただけます。

Form 4のレビュー

「大容量の造形サイズと、波長405nmに対応するあらゆる光硬化性レジンが使用可能なことにより、業務用3Dプリントの幅広い用途をサポートする製品」

3D Printing Industry Alex Tyrer-Jones氏

3D Printing IndustryでTyrer-Jones氏はまず、Form 4を支える技術としてLFD方式を挙げ、「この方式は造形中にかかる負荷を最小限に抑え、造形品の品質と寸法精度を高める」と述べています。

レビューの中では、「98.7%以上という他にはないプリント成功率は、大量生産を目標とするユーザーにとって理想的」とするなど、Form 4の造形速度と寸法公差、そして信頼性が高く評価されています。

Form 4のセットアップに移る際、Tyrer-Jones氏は開梱からセットアップまでわずか15分で完了するなど、ユーザーフレンドリーである点にも触れています。本当にデスクの上に収まるデスクトップサイズのため、ほとんどの作業環境に簡単に設置が可能でありながら、余裕のある最大造形サイズと「Formlabs製品に期待されるプレミアムで高品質な感触」を提供します。Tyrer-Jones氏はさらに、特徴的なフィルムや75,000レイヤー以上の造形が可能な耐用期間を持つレジンタンク、プラグ・アンド・プレイで使える後処理装置Form Wash(第2世代)とForm Cure(第1世代)のセットアップと使用方法についても詳しく解説しています。

「洗浄溶剤に直接触れる必要性を大幅に削減できるForm Washにも非常に感心しています。これは、ユーザーが気化した有害なIPAを吸い込んだり溶剤をこぼしたりする危険性のある手動式の洗浄ステーションに代わる、より安全でクリーンな選択肢となるでしょう」

3D Printing Industry Alex Tyrer-Jones氏

Tyrer-Jones氏は、プリントのセットアップについても「PreFormは基本的な3Dプリントタスクを直感的なインターフェースとコントロールで実行できる点が特に優れている」とし、スライシング、サポート材の生成、ワンクリックの自動プリント準備、複数モデルを効率よく配置するレイアウト機能の使いやすさを挙げています。

Form 4の検証のために、Tyrer-Jones氏は下顎モデル、タワー、外周テスト、6つの突出部を持つ2つのモデル、機能的なM8ナットなど、多くのベンチマークサンプル「十分な耐性を備えた小さいながらも精密でシームレスに組み合わせられる部品」をClearレジンでプリントしました。

突出部をテストするためのグレーの3Dプリント品2点

傾斜が最大65°になる突出部を持つモデルの3Dプリントテスト。(写真提供:3D Printing Industry)

ディテールを高度に再現した3Dプリント製のキューブがコインの隣に並ぶ。

GreyレジンV5で製作したK3D Tech Definitionテストキューブ。(写真提供:3D Printing Industry)

加えて、K3D Tech Definitionテストキューブで複雑なデザインのプリントをテストしたり、同じテストモデルを12回造形して再現性をチェックしたりしました。Tyrer-Jones氏はこう言います。「12個のテストサンプルはすべて、大きな欠陥もなくプリントに成功しました。このテストによって、Form 4の高い再現性がさらに強調された形です。平均偏差は0.0477mmで、ベンチマークである0.05mmをわずかに下回っています」

3Dプリントによるテストサンプルの測定値と基準値の偏差を示すグラフ。

測定値と基準値の再現性の差。(画像提供:3D Printing Industry)

Tyrer-Jones氏は、すでに製造が中止されているモーターサイクル燃料ポンプ用の機能的なホースクリップやミニチュアモデルをGreyレジンV5で、シュノーケリング用の部品やサングラスをClearレジンV5で、その他部品をElastic 50Aレジンでプリントするなど、さまざまな実用的用途でテストを行いました。

「24個の燃料ポンプクリップをバッチで3Dプリントした結果、合計7時間ほどで完了しました。Form 4はここでも非常に優れたパフォーマンスを発揮し、すべての部品が複雑な形状を完璧に維持した状態でプリントされました。表面の文字加工も完璧に表現されていて、射出成形品に匹敵する品質です」

3D Printing Industry Alex Tyrer-Jones氏

ClearレジンV5でプリントした部品について、Tyrer-Jones氏は次のようにコメントしています。「この部品は他の半透明レジンによく見られる曇りがなく、透明感が素晴らしいです。また、同様の透明材料で散見される黄ばみもありません。高い透明度と滑らかな表面品質により、研磨やスムージングなどの後処理が不要になり、サポート痕を消す作業も最小限で済みました」

全体としてTyrer-Jones氏は、Form 4は信頼性と性能が高く、特に優れた再現性で市場のニーズを満たせる製品であるという見解を示しています。さらに、後処理のオプションとして、Form WashやForm Cure(第1世代)の名前も上がりました。

「Formlabs Form 4は、驚くほどの精度と万能性、手頃な価格、使いやすさを兼ね備え、優れた性能で信頼できる光造形プリンタです。FormlabsのLFD技術が実現する効率性と信頼性により、Form 4は低価格で優れた生産システムを求めるユーザーや産業スケールのユーザーにとって理想的な選択肢となるでしょう」

3D Printing Industry Alex Tyrer-Jones氏

Fabbaloo

「Form 4Lは非常に素晴らしい光造形プリンタです。材料、ハードウェア、ソフトウェアがすべて整った製品で、本当の意味で最初から最後まで包括的な作業手順を実現してくれます。これまでプリント失敗は一度も発生しておらず、すべての造形品が完璧に仕上がりました」

Fabbaloo Kerry Stevenson氏

FabbalooのKerry Stevenson氏が、Form 4Lの開梱からセットアップ、プリントまで3部に分けて徹底的にレビューしてくれました。Form 4Lのプロセスを綿密に細分化した徹底的な解説でありながら、そのポイントがわかりやすく説明されているレビュー全文は一読に値します。その中で、Stevenson氏はForm 4Lを生産用途として10点満点で評価し、「(略)安定的な動作で、非常に高速、かつ一貫した高品質の造形品を製作できる」と評価しています。

第1部:

Stevenson氏は、Formlabs SLA造形方式の仕組みから始まり、造形サイズ、PreFormでの造形準備、造形速度などの仕様や特徴について解説しています。その中で、特に技術的な詳細について「すべてが作業者にとってより便利になるようにできている」と述べています。

Stevenson氏はプリンタの開梱手順についても組立てのステップやパーツを画像付きで徹底的に説明してくれていますが、結論として「Form 4Lのセットアップには重労働がほとんど必要ない」と述べています。

第2部:

Stevenson氏は、まず小型のテストプリントを行います。プリントには標準のForm 4L Build Platform Lを使用したため、造形品はビルドプラットフォームに直接平置きにするのではなく、ラフト上にプリントする必要があります。Stevenson氏は、ビルドプラットフォームにもっと柔軟性があれば積層痕について気づいたいくつかの問題を解決できるとしながら、洗浄、硬化、サポート材の取り外しは簡単だったと述べています。

「サポート材の除去は、光造形プリントで最もネックになりやすい作業です。[略] 対照的に、4Lのサポート材は非常に簡単に取り外すことができました。これはPreFormソフトウェアの機能のおかげで、サポート材の接触点はしっかりしているのに、外すときは簡単に折って取り外すことができます。これは、完璧にファインチューニングされたプロファイルに関係があるのでしょうね」

Fabbaloo Kerry Stevenson氏

小型の造形品が乗ったビルドプラットフォームがForm 4Lの内側にぶら下がり、レジンがレジンタンク内に垂れるようになっている。

Form 4Lの造形面はプリンタの内側で逆さに吊るす形のため、レジンが垂れてもレジンタンクの中に収まる。[画像出典:Fabbaloo]

レビューの中ではポイントとしてプリンタに搭載されているインテリジェントな監視機能にフォーカスし、デブリ(ゴミ)の検出やレジンカートリッジの通気性、充填されたレジンとタンクの不一致、プリントに必要なレジン要件などに関する警告などが説明されました。

「Formlabsは、プリント工程の最初から最後までをすべて綿密にエンジニアリングしています。かなりの数のモデルをプリントしても失敗することはありませんでしたし、プリンタの操作方法も簡単でした」

Fabbaloo Kerry Stevenson氏

第3部

「Formlabsの一番の目玉はPreFormソフトウェアで、新製品のForm 4Lを含むすべての製品の造形準備に使用できます。デザインもきれいで、これまで使ったどの光造形用ソフトウェアよりもわかりやすいワークフローになっています」

Fabbaloo Kerry Stevenson氏

3Dプリント製の大小さまざまなマヤ暦3点。

写真はマヤ暦の輪を模した造形品。「驚くほどの繊細さでプリンタの能力をよく表している」とStevenson氏は言う。[画像出典:Fabbaloo]

Stevenson氏は4種類のレジンで何度もテストプリントを行った結果、再較正が必要な他のプリンタとは異なり、レジンの切り替えが簡単かつ自動であることに気づきました。最終的な結論として、Form 4Lの造形品質は非常に高く一貫しており、結合部をテストするためのヒンジを含め、しっかりとフィットする造形品を作ることができたと言います。大型モデルから大容量プリント、頑丈なモデルから繊細なディテールを持つモデルまでをプリントし、いずれも成功を収めました。

bunnie : studios Teardown

「Formlabsのエンジニアリングチームの徹底さにはいつも感心します。詳細レビューをするたびに多くの学びがあり、旧世代からさらに進化した機能を知ることができるのはいいですね」

bunnie : studios、Andrew Shane Huang氏

今回私たちは、MITの電気工学博士号を持つ研究者でありブログ「bunnie : studios」のクリエイターでもあるAndrew Shane Huang氏に、2台のForm 4プリンタを送りました。Huang氏はこう言います。「Form 4の詳細レビューができるチャンスなので、すぐに飛びつきました。これまで、Form 1Form 2Form 3の各世代の詳細レビューをしてきましたが、どれもやれてよかったと思っています。1台のプリンタを徹底的に分析することでたくさんの学びがあるだけでなく、ハードウェアのスタートアップ企業が、この弱肉強食の業界で重要なプレイヤーになるまでに遂げてきた成長の過程についてもユニークな視点を得ることができました」

Huang氏が執筆した詳細なブログ記事では、SLA光造形3Dプリンタ市場の説明から始まり、非常にわかりやすい図解とともにFormlabsのライトプロセッシングエンジンの進化を辿っています。Form 4に搭載されているライトプロセッシング技術について、Huang氏はこう述べています。「私の3Dプリント技術に関する経験はこの詳細レビューによるものが主なので専門家というには程遠いのですが、UVの光変調器としてLCDを使用するには、安定性や均一性、造形サイズなど様々な課題があることがわかります」

「写真のようなテストプリントが1時間余りで完了するので、私のワークフローの方がそのスピードに追いつかないほどです。プリント実行にかかる時間を3Dモデルの準備、造形、仕上げに費やした時間の合計と比較すると、プリント実行のスピードの方がはるかに早いです。そのため、私のようにエンジニアとオペレーターを一人で兼任しているような場合には、プリンタのスピードに追いつくのが大変です」

bunnie : studios、Andrew Shane Huang氏

Clearレジンで造形したサンプルパーツがビルドプラットフォームに乗っている写真

(画像提供:Andrew Shane Huang)

Huang氏はブログ記事の中で、機能の詳細に入る前に、Form 4の開梱からセットアップ、外観について詳細なレビューをしてくれています。「Formlabsは、製品として発送されるものを実際にFormlabsのプリンタを使って造形しているので、自社製品の品質を自社製品で証明しているんです」とHuang氏が言うように、例えば「プリンタに同梱されている六角レンチセット」が「同じく3Dプリント製のおしゃれなホルダーの中に」入っています。また、電源用のプラグも同様です。Huang氏はさらにこう付け加えます。「LCDパネルですごく良いなと思ったのが、HDMIケーブル用の保持クリップも3Dプリント製だということです。これは多分、ナイロン材を使ってFormlabsのSLSプリンタで造形されたものだと思います」

ここからHuang氏による詳細分析が始まり、LCDや光源アセンブリ、ドライブエレクトロニクス、その他関連コンポーネントなど、ハードウェアの中身を非常に細かく説明してくれています。Huang氏のレビューでは、詳細な写真や図解を使って各コンポーネントの機能を説明しています。Formlabsが提供しているリソース以外に、技術的な面をさらに詳しく確認したい場合には、Huang氏のレビューが参考になるでしょう。 

右側の本体パネルを取り外した状態のForm 4プリンタ

「右側の本体パネルを取り外すと、マザーボードが見えます。4本のネジを外すとパネルが外れるので、修理がしやすくていいですね!」とHuang氏は言う。(画像提供:Andrew Shane Huang)

プリンタから取り外したForm 4 LCDパネル

「本体パネルの取り外しと同様、LCDパネル自体も8本のネジを外すだけで簡単に修理が行えます」(画像提供:Andrew Shane Huang)

Huang氏はレビューの締めくくりに、こうコメントしてくれました。「プリンタカバーの下についている、新しい発泡材がいいですね。[...] それからもう一つ、造形中の臭いが少ないことにも気がつきました。私のように都会の小さなオフィスで作業をしている場合、レジンの臭いが結構厄介なんです。だから臭いが少ないことで作業が快適になるのは、嬉しい変化です」

「私にとっては、Form 4で造形時間が劇的に速くなったこと、そしてレジンの臭いが軽減したことで、3Dプリントを活用するハードルがかなり下がります。Form 4をこれからさらに使い込んでいくのが楽しみです」

bunnie : studios、Andrew Shane Huang氏

Form 4とForm 4Lを実際に確認

Formlabsでは、Form 4とForm 4Lが大好評をいただいていることを非常に嬉しく思うと共に、今後もこのコミュニティが次世代光造形3Dプリンタでどのようなことを成し遂げていくのかを心から楽しみにしています。これらのレビューで少しでも弊社製品にご興味を持っていただけたら、ぜひForm 4シリーズの詳細をご確認ください。また、以下からご希望の材料による無償サンプルパーツをお申し込みいただくと、造形品質を直接手に取ってお確かめいただけます。また、Formlabs光造形3Dプリンタがお客様の事業目標の達成にどのように貢献できるのか、ご質問やご相談がございましたら弊社のエキスパートがお手伝いいたします。