Meshmixerチュートリアル:3Dプリント用STLファイル編集に役立つ15のヒント

3Dプリント用SLTファイルの編集 - ミロのヴィーナスモデル

造形品によっては3Dプリントを行う前に、デザイナーやエンジニアの手による3Dモデルの調整や最適化、仕上げ、編集などが必要になるケースがあります。AutodeskのMeshmixerは、三角メッシュ処理用の最先端ソフトウェアです。開発者がスイスアーミーナイフと呼ぶように、STFファイルや3Dメッシュが自在に編集できる万能ソフトウェアです。

Meshmixerを使えば、三角メッシュを最適化するだけでなく、断面全体を再スカルプトしたり、モデルをスタイル化したり、便利な機能を追加したりすることも可能です。

さらに嬉しいことに、MeshMixerは無料でダウンロードが可能です

本ガイドでは、この万能ソフトウェアを使って3Dモデルを編集する方法について、初心者にも熟練者にも役立つ15のヒントをご紹介します。

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プロジェクトの開始時には、そのデザインをすべて確実に保存できるファイル形式を選び、意図する用途に合うようファイル形式を変換するという作業が極力発生しないよう配慮しましょう。Meshmixerは大量の3Dファイル形式の読み込みが可能で、STLやOBJ、PLYの他、まだ比較的認知度の低いAMF、3MF、OFF、ネイティブMIX形式にも対応しています。別の形式でデザインのエクスポートが必要な場合は、Collada、VRML、Smeshにも対応しています。

  • STL(STereoLithography)形式:もともとSLA(光造形)方式の3Dプリント用に開発された形式ですが、現在は3Dプリントで最も広く使われているファイル形式です。形状データのみ保存し、ファイルサイズも小さく抑えます。
  • OBJ:Wavefrontが最初に開発した形式で、その形状内の頂点となるポイントの情報を保存することで3Dメッシュを表現します。頂点の位置のほか、法線ベクトル、外部テクスチャをマッピングする際に使用するUV座標を格納します。
  • PLY(ポリゴン):Stanfordが開発したより網羅性のある形式で、3Dスキャンデータを格納します。このファイル形式のメリットの1つとして、テクスチャデータなどのプロパティを面の両辺に割り当てることができます。
  • AMF(アディティブマニュファクチャリング形式):STLの代わりに3Dプリントで用いられる形式です。XMLベースで、方向、スケール、複数オブジェクトのパターン付け、非平面エッジ、傾斜機能材料などの追加情報を保存します。
  • 3MF(3D製造形式):AMFに似ていますが、複数の企業が合同で開発したため、他の形式に比べると普及率は低めです。もともとはMicrosoftが開発したもので、Windowsのネイティブ3D形式でした。
  • OFF(オブジェクトファイル形式):シンプルで手動によるプログラミングが可能なテキストベース形式で、形状データの隣に頂点ごとの色彩データを保存します。
  • Collada(コラボレーションデザインアクティビティ):Sonyが開発したデジタル資産に適した万能な形式です。今では広くサポートされているこの形式は、アニメーションや詳細度、シェイダー、拡散、ノーマルマップ(法線マップ)およびスペキュラマップ(鏡面反射マップ)などのレンダリングデータを保存できます。
  • VRML(仮想現実モデリング言語):Colladaに似ていますが、スクリプトの実行が可能でWebブラウザにも対応しています。
  • Smesh:3Dの形状を三角形と複雑なポリゴンで描くシンプルなファイル形式です。この形式は、大きめの平面エリアがあるオブジェクトに向いています。
Meshmixerチュートリアル:スカルプ系と幾何学系のファイルを用いて標準的なSTLファイル形式と比較した結果、3MFとSmeshの方がより効果的であること、そしてAMFは網羅性の点で優れているもののスペースあたりのコストが高くなることがわかりました。
スカルプ系と幾何学系のファイルを用いて標準的なSTLファイル形式と比較した結果、3MFとSmeshの方がより効果的であること、そしてAMFは網羅性の点で優れているもののスペースあたりのコストが高くなることがわかりました。

ヒント2:リメッシュ

オブジェクトを修正する前に、リメッシュで三角形の形状を最適化します。この例では、三角形の配置が不均一で、かつ分割や折りたたまれた状態の三角形で構成されているミロのヴィーナスのモデルを選択しました。Meshmixerでは、「リメッシュ」機能を使うことで均等なテッセレーションを生成できます。

メニュー画面で選択アイコンをクリックしリメッシュするエリアを選択するか、Ctrl+Aでオブジェクト全体を選択します。ポップアップメニューが表示されたら、編集 → リメッシュをクリックするか、Rキーを押下します。リメッシュのモードは複数あります。

  • ターゲットエッジ長さ:メッシュ全体で三角形の大きさを均等にし、スカルプ用にオブジェクトを最適化します。かなりの処理能力が必要となるため、オブジェクトに対して適切なサイズを選択してください。

  • 相対密度:手法としては同じですが、三角形の密度に応じて指定します。

  • 適応密度:より詳細なエリアにより密度の高い三角形を生成し、ファイルサイズを最適化します。オブジェクトが完成しており、3Dプリント用に保存できる状態の場合に便利です。

  • リニア再分割:既存の三角形をさらに分割していくことで三角形の数を増やし、元の形状を維持します。

注:規則性設定では生成される正三角形の数が増える一方、ディテールが損なわれることになります。トランジション設定では、編集前のメッシュからリメッシュ済みセクションへ自然なトランジションを生成します。グループ境界を保存にチェックが入っている場合、プログラムは特別に設計された三角形グループの形状(完璧な球状をした目など)を維持します。シャープなエッジを保存オプションを有効にすると、エッジがスムージングされないよう保護することができます。境界の下にあるフリー境界は、精度を犠牲にすることでメッシュの品質を高めることができることから、よく使用されます。

ヒント3:セクションの分離

Meshmixerでは、様々な方法でメッシュの一部を分離できます。最も簡単な方法は、分離する範囲を選択してから編集→抽出(Shift+D)コマンドの実行です。任意のオフセット距離が設定された新しいシェルをプログラムが生成します。オフセットにノーマル(法線)方向を選択すると、パーツを拡大もしくは縮小することができます。次に、メインメニューから編集→シェルの分離を選択し、各範囲を別々に保存して名前をつけ、古いセクションは削除します。

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