SLA光造形方式3Dプリント のワークフローにおいて、造形品の後処理は欠かせないステップです。 すすぎ、洗浄、二次硬化を行うことで、高機能かつ優れたディテールを持つ造形品を製作し、効果的に仕上げることができます。詳細なワークフローについては、当社の光造形品の後処理ガイドをご覧ください。
一般的に、光造形品の洗浄で溶剤として推奨されるのはIPA(イソプロピルアルコール)です。しかし、可燃性であることへの懸念や地域の規制によって、お客様の施設でIPAが使用できない場合もあるでしょう。このような場合には、Formlabs Resin Washing Solutionなどその他の溶剤やソリューションもご利用いただけます。
3Dプリント品の後処理としては、Formlabsのデスクトップ光造形プリンタにはForm WashとForm Cureを、大容量SLA光造形プリンタにはForm Wash LとForm Cure Lを併用し、後処理を自動化および簡素化することをお勧めします。Form WashとForm Wash Lは造形品の洗浄プロセスを自動化してクリーンで徹底的な洗浄を安定して行い、Form CureとForm Cure Lは熱と波長405nmの光を正確に組み合わせることで造形品を均一に二次硬化します。
溶剤の取り扱い時は、必ず溶剤の供給元が発行する安全データシート(SDS)を主な情報源として参照し、作業中は適切な換気を心がけてください。

SLA光造形品の洗浄
光造形品は、プリント後に洗浄して造形品表面に残っている余分なレジンを除去する必要があります。造形品を適切に洗浄しないと表面にベタつきが残り、見栄えも悪くなるため、3Dプリントを成功させるには後処理が不可欠です。
SLA光造形品の洗浄のヒント:
- Formlabsでは、光造形品をイソプロピルアルコール(IPA)、Resin Washing Solution、またはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)で洗浄することをお勧めしています。IPAが最も洗浄効果が高いと感じるユーザーがほとんどですが、IPAは一度に大容量での購入しかできないケースが多く、余ったIPAは将来の使用のために適切に保管できる環境が必要です。一方、Resin Washing Solutionは5L単位で購入が可能です。
- 最適な洗浄結果を出すためには、造形品を溶剤に浸すだけでなく、溶剤の中で動かす必要があります。Form WashとForm Wash Lはどちらも、溶剤または溶液を攪拌して造形品を徹底的に洗浄します。
- 造形品の洗浄はサポート材を除去する前に行ってください。
- マイクロ流路など非常に狭い溝のある形状の場合、その中でレジンが硬化して溝を埋めてしまわないよう、溝に入り込んだレジンを取り除くためにシリンジなどが必要になる場合があります。
- 造形品によっては、完全に綺麗にするためにIPAやResin Washing Solution、TPMの中に入れて2回ほど洗浄が必要なものもあります。溶剤で洗浄した後は、水で洗い流すことをお勧めします。造形品が完全に綺麗になったかどうかは、お客様ご自身でご判断ください。
Formlabsでは、FormlabsデスクトップサイズプリンタにはForm Washを、大容量プリンタにはForm Wash Lを併用し、造形品の洗浄を自動化することをお勧めしています。

Formlabsの後処理ソリューションは、後処理作業の簡素化・自動化により、作業場を散らかさず、より少ない時間と労力で高品質の結果を安定的に得られるよう設計されている。
IPAの耐用期間を延ばす方法
Formlabsでは通常、濃度90%以上のIPAを推奨しています。IPAが入手可能な場合、より長持ちさせるために実施できることがいくつかあります。まず、造形品とビルドプラットフォームをIPAに浸す前に、付着している余分なレジンを徹底的に拭き取ってください。
Form Cureで造形品の二次硬化を行う際は、ガラス製のPyrex容器に入れ、きれいな水とグリセリン、または鉱油を混ぜた溶剤の中に小型の造形品を浸すのもよいでしょう。水、グリセリン、鉱油は二次硬化中に造形品の表面から酸素を取り除き、べたつきのないしっかりと硬化された表面に仕上がります。洗浄用のIPAが汚れている場合は特に、この作業によって造形品の完全な硬化が促され、表面に残る残留レジンを最小限に抑えられます。
生体適合性レジンでプリントする場合は、材料の生体適合性を確保するために、洗浄に関する推奨事項に厳密に従う必要があります。造形品の洗浄に関する詳細については、Formlabsのサポートサイトですすぎの段階、様々な形状に対するベストプラクティスなどをご確認いただけます。
Resin Washing Solution
IPAの主な課題は、洗浄時の臭いと引火性でした。Formlabs Resin Washing Solutionはこのような問題に対処できる溶剤で、GHSによる不燃性分類を獲得し、保管および環境、健康、安全(EHS)懸念を払拭します。イソプロピルアルコール(IPA)と同等の洗浄力を持ちながら、飽和状態になる前にIPAの2倍ほどのレジンを溶解できるため、造形品1点あたりの洗浄コストが抑えられます。Resin Washing SolutionはTPMに比べると価格も安価です。ただし、Resin Washing Solutionは現時点ではFormlabsの生体適合性レジンを使用した造形品の洗浄溶剤としては公認されていません。

光造形品の洗浄溶剤を比較
解決策 | 不燃性 | コスト/L | 飽和点 | 蒸発による減少量* | 使用可能期間* (日) | 1点あたりの洗浄コスト |
---|---|---|---|---|---|---|
IPA | なし | $7.67 | 10% | 1.18L | 97 | $1.08 |
Formlabs Resin Washing Solution | あり | $15.00 | 20% | 〜0L | 240 | $0.91 |
他社の不燃性溶剤 | あり | $28.00 | 20% | 〜0L | 240 | $1.69 |
他社の飽和点が高い溶剤 | なし(別途可燃性の溶剤が必要) | $52.50** | 35% | 〜0L | 420 | $1.81 |
* 1日1回のプリントを想定
** 別途必要な可燃性溶剤もコストに含む
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)
IPAが入手できない場合、非生体適合性Formlabsレジンの造形品で検証済みの代替品として、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)もご利用いただけます。TPMは不燃性・低臭性の溶剤で、Form Wash、Form Wash L、またはFinish Kitを使用してFormlabsのSLA光造形プリンタでプリントした造形品の洗浄に効果的です。
お客様のワークフローでTPMの使用を検討中の場合は、以下に推奨のベンダーリストを掲載します。
- J R Hess Company :TPMを5ガロンペール缶で入手可能です。お問い合わせは 1-800-828-4377(内線115)までお電話ください。
- UNIVAR USA:TPMを最低500ドルから購入可能です。お問い合わせは、営業・カスタマーサービス米国フリーダイヤル(1-800-531-7106)までお電話ください。
- BRENNTAG:お問い合わせは 1-610-926-6100 までお電話ください。
その他推奨事項については、いつでもお気軽にFormlabsまでお問い合わせください。TPMの導入方法や特別な廃棄要件に関する詳細は、Formlabsのサポートサイトをご覧ください。

その他の溶剤およびレジン洗浄ソリューション
以下の製品はFormlabsが公式に推奨するものではありませんが、一部のお客様から使用した感想をご共有いただいています。光造形品の洗浄溶剤としてIPAの代わりになるものをお探しのお客様は、ご自身の用途で以下のいずれかを使用可能かどうかご確認いただくことも可能です。ただし、これらの確認はすべてお客様ご自身の責任で行なっていただくことになります。
- Poly-Flush SLA 3Dプリント用洗浄溶剤 :IPAより揮発性は低いですが、より高価です。
- Yellow Magic Water Based Ink Cleaner :IPAよりも揮発性が低いですが、造形品を効果的に洗浄するために超音波洗浄機が必要になる場合があります。
- MeanGreen Cleaner :造形品をより効果的に洗浄するために超音波洗浄機が必要になる場合があります。
- プロピレンカーボネート(PPC):IPAよりも揮発性が低く、よりしっかりと撹拌する必要があります。
- ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM) :これも産業用3Dプリントで広く使用されている洗浄溶剤ですが、Formlabsはより安全な代替品としてTPMを推奨しています。
いずれの場合も、溶剤とレジンの廃棄はお住まいの地域の規制および供給元の安全データシート(SDS)に従って行う必要があります。アルコールや液体レジンが混ざった水や溶剤は、絶対にシンクの排水口に流さないでください。適切なレジン廃棄に関する詳細については、引き続き当社のサポート記事をお読みください。