
FormlabsのSLA方式3Dプリンタは、直感的で効率化されたワークフローでアイデアの具現化を叶えます。しかし、あらゆる用途において3Dプリント部品に求められる美しい仕上がりと性能を実現できるのは、当社の多彩な材料ライブラリがあってこそです。そしてこの度、3Dプリントの可能性をさらに広げる新しい2種類のレジンが登場します。
ColorレジンV5は、Form 4シリーズ3Dプリンタ向けの汎用レジンに新たに加わった製品で、ブランド、製品ライン、またはクリエイティブなビジョンを表現するカスタムカラーでのプリントを可能にします。この種の製品として初となる本材料は、1Lという少量から購入が可能で、1週間のリードタイムで受注生産されます。
True Castレジンは、最大5mmまでの高度なディテールを持つ原型の高信頼・精密な鋳造用に開発されました。True Castレジンは幅広い焼成スケジュールにスムーズに対応できるほか、熱膨張率が低く収縮も最小限、かつ灰分含有量が0.03%のため焼成時も綺麗に燃え尽き、鋳造結果として優れた品質を提供します。
さらに造形準備ソフトウェアPreFormの追加アップデートにより、造形準備がより容易になると同時に、熟練ユーザーにとってはより細かな調整が可能になりました。PreForm Texture ToolのFace Selection Mode(面選択モード)機能では、ユーザーが任意の面にテクスチャを追加可能になりました。さらに、Part Color Coding(パーツカラーコーディング)機能では、高密度なパッキング時も造形品の追跡や視認性を向上させます。新しく追加されたサポート材削減オプションにより、サポート材を最大30%削減できます。さらに、PreFormのサポートツールが再設計され、Preset Profiles(プリセットプロファイル)、Placement Parameters(配置パラメータ)、Structural Parameters(構造パラメータ)でSLA光造形品の表面をより細かく制御できるようになりました。
ColorレジンV5:迅速、簡単、低コストなカラー3Dプリントを実現

ColorレジンV5で、ブランド、製品ライン、またはクリエイティブなビジョンにマッチしたカスタムカラーの部品を3Dプリント可能に。1リットルから注文可能なため、カスタムカラーパレットの作成も手軽に行える。
ColorレジンV5およびForm 4シリーズ3Dプリンタは、カラー部品製造のタイムラインを書き換えています。
射出成形品への着色は容易かつ低コストですが、リードタイムと最小発注数量は3Dプリントの数倍になります。一方、FDM方式フィラメントは多くの色で提供されていますが、色合わせが難しく、造形品質はSLA光造形よりも劣ります。これまで、SLA光造形方式でカラー部品をプリントするには、外注、塗装、またはアルコール染色が必要で、いずれもリードタイムや追加の材料、そして労力を要する方法でした。それが今回、ColorレジンV5の登場により、SLA光造形プリンタでカスタムカラーのプリントが可能になります。ニュアンスのある中間色から彩度の高い鮮やかな色合いまで、他のFormlabsスタンダードレジンと同等のスピードと容易さで実現できます。

実製品用部品の色にマッチしたカラープロトタイプを3Dプリントし、実物に近い外観のプロトタイプを作成できる。
ColorレジンV5をご使用いただくと、追加の仕上げ作業不要で実製品の色にマッチしたリアルな試作品を、簡単かつ手頃な価格で製作できます。治具や固定具を色分けしたり、アセンブリ部品を区別したりすることで作業を効率化し、コミュニケーションの質を改善します。色彩豊かな模型や小道具は、意図した通りに際立たせることも、周囲に溶け込ませることも可能です。カスタムカラーは1Lからご注文いただけるため、独自のカラーパレットも手軽に作成できます。
カスタムカラーでColorレジンV5をご注文いただくには、HexコードまたはRGBプロファイルを指定し、ブランド、製品ライン、またはクリエイティブなビジョンにマッチする多彩な色のレジンをご発注くださいColorレジンV5をご注文の際、ストアページには、ご希望の色、実現可能な最も近い色が示されます。許容色差に関する詳細はこちらをご覧ください。
ColorレジンV5は、色分けされた治具・固定具、リアルなプロトタイプ、高品質な実製品用部品など、カスタムカラーのSLA光造形品を簡単かつ手頃な価格で製作するための、時間効率とコスト効率に優れたソリューションとして、1週間で受注生産されます。

下の表は、Albatross Bikesが設計したサイクリング用ウォーターボトルケージの試作品製作における製作期間と価格の概算を示す。
製造方法 | 製作期間 | 部品単価(人件費を含む)* |
---|---|---|
ColorレジンV5で社内3Dプリント | 2~7日 | 〜$40 |
Greyレジンで3Dプリントし、社内でカスタムカラーに塗装 | 7~10日 | 〜$70 |
マテリアルジェッティング3DプリントまたはSLA光造形品の塗装のいずれかを受託メーカーに外注 | 3~14日 | $250〜500 |
* 人件費は1人あたり時給$30を想定。
美しい仕上がりと性能の両立を目指して設計されたColorレジンV5の機械的特性は、Form 4シリーズ3Dプリンタ用のスタンダードレジンと同等ですが、注文された色によって若干の差異が生じます。
ColorレジンV5は1Lという少量からご注文いただけます。各オーダーは1週間のリードタイムでオンデマンド生産され、信頼性の高い結果を保証するための品質チェックが行われます。
ColorレジンV5は現在米国のみでのご提供となりますが、将来的に他の地域へも拡大予定です。
ワークフロー

ColorレジンV5は1Lから注文が可能。
ColorレジンV5の各ご注文には、カスタマイズされたFormlabsプリント設定(FPS)ファイルが含まれています。PreFormで「今すぐダウンロード」ボタンをクリックしてログインし、FPSファイルをダウンロードします。その後、レジンカートリッジと専用レジンタンクをプリンタにセットし、プリントを開始します。
後処理として、造形品をForm Washで10分間洗浄します。その後、Form Cure(第2世代)の場合は室温で1分間、Form Cure(第1世代)の場合は5分間、二次硬化します。True Castレジン:クリーンな焼成で精密な原型を製作
FormlabsではForm 1のリリース以降、鋳造に対応したレジンを提供してきました。Clear Castレジンでは厚さ3mm超のエンジニアリング部品をプリントできますが、今回新たに登場するTrue Castレジンでは、ユーザーはForm 4シリーズ3Dプリンタの速度、精度、信頼性を活かしながら、厚さ5mm未満の高精細な原型を製作可能になります。厚さが3mm〜5mmの範囲で、複雑な形状や微細なディテールを持つ部品には、True Castレジンをお選びください。

True Castレジンでプリントした造形品は、シャープなエッジ、滑らかな表面、優れたディテールを誇る高精度が特長で、後処理と仕上げ時間を最小限に抑える。
Formlabsの材料エンジニアは、従来の鋳造対応レジンに対するユーザー様からのフィードバックをもとにしてTrue Castレジンを開発しました。繊細なジュエリーや複雑なエンジニアリング部品を最大5mmの厚みで正確な鋳造ができるよう開発された新しいワックス充填材料です。
Castable Waxレジン | Castable Wax 40レジン | True Castレジン | Clear Castレジン | |
---|---|---|---|---|
代表的な用途 | 精密な線条細工、軽量ジュエリー、歯科用途 | 中~重量級のジュエリー、小型エンジニアリング部品 | 中~重量級のジュエリー、メダリオン、フィギュア、および厚さ5mmまでの小型エンジニアリング部品 | 厚さ3mm超の高負荷エンジニアリング用途 |
対応プリンタ | Form 2 Form 3/+ Form 4 | Form 2 Form 3/+ | Form 4 | Form 2 Form 3/+ Form 4 |
True Castレジンを使った造形品は低膨張性で、時間の経過によるワックスの移行や残留物なしに表面の完全性を維持するため、より扱いやすい鋳造体験を可能にします。熱膨張率が低く収縮も最小限、かつ灰分含有量が0.03%のため焼成時も綺麗に燃え尽き、鋳造結果として優れた品質を提供します。
ワークフロー

写真のカエルの王子はスターリングシルバーで鋳造された後、装飾として宝石がセットされた。
- レジンを60℃で45分間加温し、撹拌します。次に、カートリッジをプリンタに装着します。
- プリントが完了したら、造形品をForm Washで5分間洗浄します。
- 圧縮空気で部品を乾燥させます。
- 造形品を室温で3~10分間、二次硬化します。
- 造形品のサポート材を除去し、湯道(スプルー)を付け、キャスティングツリーに取り付けて鋳造の準備をします。
- 焼成後、鋳造します。
- 鋳造物から部品を取り出し、洗浄、湯道除去、仕上げを行います。

PreForm:直感的な制御機能で造形準備をさらに容易に
Formlabsの無償造形準備ソフトウェアPreFormのアップデートにより、造形設定がより簡単かつ直感的になると同時に、熟練ユーザーは設定を細かく調整できるようになりました。PreFormの最新アップデートにより、造形品の追跡機能や表面品質がさらに向上します。

Texture Toolの面選択モード
Face Selection(面選択)トグルにより、生成されたテクスチャをボディ全体ではなく特定の面にのみ適用できます。このようにテクスチャ生成を精密に制御することで、嵌合面、スナップフィット、穴などの重要な特徴を損なうことなく、審美性と機能性を向上させることが可能です。

サポート材の削減設定
この設定により、ユーザーはサポート材のタッチポイントを30%削減するオプションを迅速かつ簡単に利用できます。このプロファイルは、タッチポイントの削減、サポート面のクリーン化、後処理の軽減のために最適化されています。より複雑な形状のモデルの場合は、プリントの不具合を避けるために造形の向きを調整する必要が出てくる場合があります。

パーツカラーコーディング
PreFormのビルド内でモデルに色を割り当てることで、画面上での識別が容易になります。色は個々のモデルまたはモデルリスト全体に適用でき、プリントジョブ内の全モデルに対して手動選択またはランダム生成が可能です。
これら無料機能を利用するには、PreFormをダウンロードいただくか、PreFormのヘルプメニューから「アップデートを確認」をご選択ください。
Formlabsで3Dプリントを始める
機械的特性や用途を幅広く網羅するFormlabsの多彩な材料ライブラリが、あらゆる色彩の表現にも対応可能になりました。高靭性・高耐久性材料から生体適合性材料、セラミックに至るまで、Formlabsのレジンは、お客様が求める美しい仕上がりと性能をForm 4シリーズ3Dプリンタの精度、正確性、スピードで実現できるよう最適化されています。
受注生産で販売されるColorレジンV5をご利用いただくと、鮮やかな色彩からニュアンスのある中間色まで、周囲に溶け込む色も際立つ色もカスタムカラーで自在に表現が可能になります。True Castレジンでは、クリーンな焼失と優れた仕上がりで複雑なジュエリーやエンジニアリング部品を鋳造できます。
FormlabsのSLA光造形・SLS 3Dプリンタや材料の導入を検討されている場合、または製品の詳細情報をお求めの場合は、お気軽にFormlabsまでお問い合わせください。