3Dプリントの公差を理解する:設計/開発者向けガイド

3D printed tolerances for engineering fit

公差とはめ合いは、機械的アセンブリを 設計 するエンジニアが必ず念頭に置かなければならない概念です。

公差を考慮した設計にすると、最終的に プロトタイピングも本番生産プロセスも共に最適化されますので、反復検証に必要になる材料費の節約や後処理時間の短縮が図れ、誤って部品を破損させてしまうリスクも低減できるようになります。

従来の機械加工では、公差の要件を厳しくすると、大幅なコストアップにつながることがよくあります。公差の要件が厳しいと、加工工程の手順が増え、時間もかかるため、機械加工部品は、与えられた用途で許容される最も広い誤差を念頭に置いた設計になりがちになります。

機械加工とは異なり、アディティマニュファクチャリング(AM)と 3Dプリント の場合 は、自動化された生産フェーズが1つあるだけです。3Dプリントの公差を厳しくすると、設計段階ではより多くの労力が必要になるかもしれませんが、一旦プロトタイプの製作や本番生産に入れるようになれば、時間とコストの大幅な削減が可能になります。

この記事では、3Dプリントのプロセスの中で公差が最も重要になる局面について概説します。次に、隙間、遷移や干渉といった様々なはめ合いの 基本について説明し、どれをどのようなアセンブリ設計で選択するべきかを推奨案として提示します。

はめあいの種類別に適用する公差と測定方法について、FormlabsのToughやDurableレジンを使って作業する際の推奨案も含めて詳しく説明しているホワイトペーパーを無償でダウンロードすることができます。

Tolerance is the predicted range of possible dimensions for parts at the time of manufacture.

公差とは、製造時に予測される部品の寸法として許される範囲のことです。


ホワイトペーパー

機能的な3Dプリントアセンブリ設計の最適化

SLA方式の3Dプリントでは、金型製作用の高耐熱性レジンから、高い応力やひずみに耐える、あるいは経年磨耗に強いレジンまで、 様々なエンジニアリング材料が利用できます。具体的な設計上の推奨公差については、Formlabs発行のホワイトペーパー をダウンロードしてください。

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3Dプリントされた大型アセンブリと小規模製造用の公差の設定

3Dプリントは1パーツ当たりの製作単価が低いため、特に金型に多額の投資を必要とするカスタムパーツの試作や小規模製造プロジェクトでは、費用対効果の高い手法だと言えます。

3Dプリントした部品アセンブリの後処理工程には、洗浄、取り除いたサポート材の痕を消すためのサンディングや潤滑が含まれます。 活性面を研磨するサンディングは、設計段階での公差の調整作業が少なくて済むため、一品ものの部品であれば、正しいはめあいをいち早く得られる合理的な後処理方法です。より大きなアセンブリや、複数のものを同時に製作する場合は、適切な寸法公差が直ちに重要になります。


ウェビナー

ステップバイステップの例:公差の条件が厳しい部品を3Dプリントする方法

3Dプリンタをエンジニアリングに活用する方法をお知りになりたいですか? 光造形(SLA)方式の3Dプリントのワークフロー、材料オプション、ならびに3Dプリントの価値を最大限に引き出すために部品設計から造形までのワークフローを最適化するための専門家のヒントを紹介するウェビナーをご覧ください。

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エンジニアリング向けはめ合いの最適な種類を選ぶ

最適な3Dプリントの公差を理解し、設計に反映させるには、どの種類のはめ合いが、設計しようとしているアセンブリに最も適しているかを判断することが重要です。

アセンブリの機能的なニーズは、部品がどのように組み合わされるべきかによって定義されます。

choosing the best type of engineering fit assembly graphic - clearance fit, transition fit, interference fit

エンジニアリング向けはめ合いは、隙間、遷移、干渉という3つの種類に分類できます。また、はめ合いの各種類を、2つのサブカテゴリーに大きく分けることができます。

製造方法の違いや3Dプリントの工程によって、公差には必ずばらつきがあります。つまり、はめ合いは各段階で完全に分かれているのでなく、連続しているのです。例えば、より大きな隙間式はめ合いでは、精度と動きの自由度がトレードオフの関係になります。遷移式はめ合いの場合、きつくすると強度は上がりますが、その分、接続部の摩耗が激しくなります。接合に力が必要な干渉式はめ合いは、分解が難しくなります。

隙間式はめ合い

部品が自由に動くためには、活性面と活性面の間に隙間が必要です。活性面の公差ゾーンが重ならないように、必要な隙間を設けるようにします。

活性面とは、2つの面が接触し、互いに動くか、静的にはめ合うモデル領域のことです。

サブカテゴリー

  •  スライド式はめ合い は、横方向の遊びがありますが、走行式はめ合いはほとんど遊びがありません。
  •  走行式はめ合い は、若干摩擦が大きくなりますが、より正確な動作が可能です。

 

遊びとは、機構の中で意図しない方向に動いてしまう空間のことです。

 

遷移式はめ合い

部品間の動きが必要ない場合は、遷移式はめ合いにすると、組み立てや分解が容易になります。遷移式はめ合いは、許容範囲が部分的に重なっています。

サブカテゴリー

  •  カギ式はめ合いにすると、部品が正確に別の部品の中または周りに挿入され、軽い力で取り付け、取り外しができます。
  •  プッシュ式はめ合い は、接合や取り外しにより多くの力が必要ですが、手でつなぐことができます。

干渉式はめ合い

干渉式はめ合いは、剛性が高く強固な接続が可能ですが、組み立て時に大きな力を必要とします。公差ゾーンは完全に干渉式はめ合いと交差します。

サブカテゴリー

  •  フォース式はめ合いは、ハンマーなどの工具を使い、かなりの力で取り付ける必要があり、永久接合させることを目的としています。
  •  プレス式はめ合い は、アーバープレスなどで、より大きな力をかけて取り付ける必要があります。l.

3Dプリントした部品のアセンブリの設計に成功する方法

white paper engineering fit optimizing design for functional 3d printed assemblies

一般的な形状のはめ合い範囲は、多くの設計に広く適用することができます。最適なはめ合いが分かれば、用途に応じた材料と設計公差を選択する必要があります。Formlabs発行のホワイトペーパーEngineering Fit: Optimizing Design for Functional 3D Printed Assemblies(エンジニアリング向けはめ合い:機能的3Dプリントアセンブリ設計の最適化)は、このような設計上の判断の指針になるように書かれています。

はめあいの種類別に適用する公差と測定方法について、FormlabsのToughやDurableレジンを使って作業する際の推奨案も含めて詳しく説明しているホワイトペーパーを無償でダウンロードすることができます。また、このリソースでは、ダウンロード可能なテストモデルや、潤滑剤、接着剤ならびに機械加工に関する提案へのリンクも提供されています。

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