3Dプリンタの精度はどうやって確認すべき?

Precision, accuracy and tolerance - 3D printing

 3Dプリンタ の仕様 に「高解像度」と書いてあるからといって、パーツが正確で精密に3Dプリントされるとは限りません。

 正確度、 精度と 公差 の意味を理解することは、あらゆる用途で有意義な3Dプリント性能を実現するために不可欠です。この記事では、これらの用語の意味と、 3Dプリントの文脈でこれらの用語をどのように考えるかについて解析します。

engineering fit
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頑丈なエンジニアリング向けの材料で厳しい公差を実現する

光造形(SLA)方式の3Dプリントのワークフロー、材料オプション、ならびに3Dプリントの価値を最大限に引き出すために部品設計から造形までのワークフローを最適化するための専門家のヒントを紹介するウェビナーをご覧ください。

※本ウェビナーは現在翻訳中です。近日のアップデートをお待ちください。ウェビナー内容の詳細は[email protected]までお問合せください。

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正確度、精度と公差を定義する

それぞれを定義するところから始めましょう。各用語には、その概念を解き明かすための一般的な例として、意味を視覚的に説明するために、標的を使用します。

正確度

正確度 とは、測定値がどれだけ真値に近いかを示す指標のことです。ここで云う「真値」とは、射撃に喩えると、ど真ん中の的のことです。より近くに寄れば寄るほど、より正確なショットが打てます。3Dプリントの世界では、CADで設計した寸法に等しい値が真値となります。3Dプリントは、デジタル設計とどの程度一致するのでしょう?

精度

精度 とは、どれだけ一貫して的に命中させることができるか、即ち、測定の再現性を示す指標のことです。精度はこの一貫性のみを測定します。ショットは毎回同じ標的の近くに当たる可能性がありますが、その当たる場所は毎回ど真ん中の的である必要はありません。3Dプリントにおいて、精度は最終的な信頼性につながります。お使いのプリンタは、造形するたびに期待通りの結果を出してくれるマシンとして信頼できますか?

工学用語としての「精度」を広い意味で捉えると、再現性を意味します。3Dプリント用の材料を比較する場合、「精密」というのは、非常に複雑な形状を造形できる材料のことを指すことがあります。例えば、Formlabsの Grey Proレジン や Rigidレジン は、薄く複雑な形状を造形できるだけの剛性を備えています。

Accuracy and Precision is 3D printing

公差

正確にはどの程度の精度が必要なのでしょうか? 精度の定義は、ユーザーそれぞれのニーズに応じて変わります。造形するパーツの用途では、精度の誤差をどれほど許容できるのでしょうか?設計上の寸法と造形したパーツを実際に測定した寸法はどれぐらい近くなければいけませんか?それは、プロジェクトの要件によります。例えば、動的な機械的アセンブリを持つ部品は、単純なプラスチック製の筐体のようなものよりも厳しい公差を必要とします。

公差を定義するのであれば、正確度も求めるでしょうから、ここでは、ど真ん中の的に命中する精度を測定するとします。先ほど、右の写真に映っている的を狙って放たれたショットは「精密ではない」と定義しました。

Accuracy, Precision, Tolerance 3D printing

ただし、許容範囲がかなり広い場合は、それでも大丈夫かもしれません。左の的ほどショットは近くないですが、精度の許容範囲が±2.5リングの距離だとすれば、スペック内だと言えるでしょう。

一般的には、達成して維持する公差の条件が厳しければ厳しい ほど、製造コスト が高くなり、品質保証の基準もより高度になります。

Stereolithography
Webinar

Achieving Tight Tolerance with Robust Engineering Materials

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3Dプリントの正確度と精度についてどのように理解するか

3Dプリントの正確度と精度を決定する際、様々な要素を考慮しますが、具体的なニーズを把握することも重要です。

例えば、精密だが不正確な3Dプリンタでも、用途によっては最適な選択になるかもしれません。低価格の溶融積層造形機(FDM)では、それほど正確なパーツは作れませんが、初めて3Dプリントを教える教育者にとっては、生徒のCADデザインと完全に一致するモデルであることは重要ではないかもしれません。

しかし、プリンタが約束されたとおりに常に動作し、ユーザーが使い慣れた許容範囲内でそのマシンに期待される品質を生み出すことを知るのは、成功体験にとって非常に重要になる場合があります。

本書では、FDM方式と SLA方式の3Dプリンタを 造形品質、材料、用途、ワークフロー、スピードやコスト等、様々な角度で比較検証します。

ここでは、3Dプリンタの正確度と精度を決める4つの大きな要因について説明します。

3Dプリント技術

3Dプリントはパーツを1層ずつ作成していく積層造形プロセスです。このプロセスでは、層を重ねるごとに精度が落ちる可能性があります。層を形成するプロセスは、各層の精度、再現性、または正確度のレベルに影響します。例えば、FDM方式の3Dプリントは、ノズルで層を押し出すため、他の3Dプリントプロセスで可能な制御や複雑なディテールを実現する能力に欠けます。

Layers showing on FDM (left) and SLA (right) 3D prints.

FDMはレイヤーを押し出すため、複雑な形状では正確度が落ちる可能性があります。(左がFDM方式で造形したパーツ、右がSLA方式で造形したパーツ)

SLA方式の3Dプリントで は、液体レジンが高精度レーザーにより硬化されて各層を造るので、細かいディテールの製造や、高品質な造形を継続的に行うことが可能です。

 SLS方式の3Dプリント も同様に、レーザーの精度を利用してナイロン粉末を溶かして、設計したパーツの形状に固形化してきます。

3Dプリンタの仕様だけでは、最終的な寸法精度を表すことはできません。3Dプリント技術の精度について、XY解像度を寸法精度して表していることがよくありますが、これは正確ではなく、誤解を招きます。

DLP方式のプリンタでは、XY解像度は投影画素サイズになります。多くの3Dプリンタでは、この投影画素サイズまたはXY解像度を総合的な正確度を示す値として使用しています。例えば、投影画素サイズが75ミクロンであれば、そのマシンの正確度は±75ミクロンだとしています。

Formlabsが発行している SLA vs. DLP 3Dプリントに関するガイドでは、この2つのレジン式3Dプリントのプロセスについて詳しく比較しながら説明しています。

しかし、このデータは、どれほど正確にパーツを造形できるかを意味する数値ではありません。構成部品、較正から次に取り上げる材料や後処理に至るまで、正確度に影響を与える誤差要因はまだ数多くあります。

最終的に、3Dプリンタを評価する最良の方法は、 実際のパーツの仕上がり状態を点検することです

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Accuracy
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Form 3 Dimensional Accuracy Report

Download this report for an internal test that Formlabs created to determine the dimensional accuracy of the Form 3 and Form 3B.

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材料

また、正確度は使用する材料によっても変わりますし、 その材料の機械的特性によって、造形したパーツの反りが発生する条件も違ってきます。

FormlabsのRigid レジンは、二次硬化前の係数が高いため、非常に薄いパーツも正確に造形でき失敗する可能性を低減できます。

Due to the lack of support structures and great mechnical properties, Nylon Powders used in SLS 3D printing are also ideal for printing complex parts with demanding tolerance requirements.

With resin 3D printers, when a material has a high green modulus (modulus before post-curing), that means it’s possible to print very thin parts with precision and a lower chance of failure.

For FDM 3D printers, materials extruded at higher tempetatures are generally more prone to warping than others. For example, ABS is known to be more susceptible to warping than PLA as the printed parts shrink more during cooldown.

Margins, die surfaces, and contact points printed in Formlabs Model Resin are accurate within ±35 microns of the digital model over 80 percent of surface points when printed on 25 micron print settings.

Scans of molds printed for a technical study on injection molding with 3D printed molds. These scans show a variation smaller than ±0.05 mm for more than 75% of the part.

Post-Processing

Most 3D printed parts require some form of post-processing after printing:

  • SLA and DLP: Washing, post-curing (optional), removal of support structures (if needed), sanding (optional)
  • SLS and MJF: Removal of excess powder, media blasting or media tumbling
  • FDM: Removal of support structures (if needed), sanding (optional)

Some of these post-processing steps have an influence on the dimensions and the surface of the parts, which in turn influence accuracy and tolerances. Some of these are easy to account for during design and print preparation, but others can vary print to print.

3Dプリントした後、多くの場合、二次硬化が必要になります。その際、収縮が発生します。これは、レジン式のSLAやDLP 3Dプリントプロセスを通じて造形されるパーツでは通常のことで、プリンタによっては設計時にそのことも考慮する必要がある場合もあります。 Formlabsが無償で提供する造形ファイル準備用ソフトウェア、PreFormには、この収縮によって生じる、元々CADで設計した通りの寸法との若干のズレを自動的に補正する機能が備わっていますので、この機能を使えば、二次硬化後のパーツの寸法精度を確実に維持できます。

On the other hand, FDM printed parts often require sanding to improve the surface quality by removing support marks and layer lines, but this process changes the dimensions of the parts slightly, increasing the variation between the original design and the finished part.

エコシステム

3Dプリントを成功させるためには、プリンタ本体だけでなく、プロセス全体への配慮が必要です。

造形準備ソフトウェア、材料や後処理ツールもすべて、3Dプリントの最終的な結果に影響があります。全般的に、連携するように設計された統合システムの方が、より信頼性の高い結果を生み出します。

Overall, integrated systems that are designed to work together generally produce more reliable results. For example, each new SLA and SLS 3D printing material from Formlabs goes through a series of validation tests on each compatible printer model before release to ensure reliability, consistency, and accuracy. That's not to say that generic printers and off the shelf materials can't produce good results—they might just have a steeper learning curve and require more experimentation and calibration from the users.

An air-powered, functional scale model of a flat two-cylinder internal combustion engine printed in Tough and Durable Resins and lubricated with mineral oil.

3Dプリントにおける公差の設定

機械加工では、より厳しい公差で段階的に部品を改良していきますが、3Dプリントでは、自動化された製造工程が1つあるだけです。CNCフライス加工のようなプロセスでは、複雑な表面加工にコストがかかりますが、3Dプリントでは、どれだけ複雑でも基本的に追加コストは不要です。ただし、3Dプリント部品の公差を自動的に調整できるのは、減法に頼らなければ、プリンタが造形できる範囲までです。

アンダーカットや込み入った表面がある複雑な形状で、必ずしも±0.005インチ(標準的な機械加工)以上の表面精度を必要としない場合、3Dプリントは素晴らしい選択肢となります。3Dプリントした部品もCNC部品も、標準的な機械加工を超える公差は、手作業か機械加工によって減法的に達成しなければなりません。

SLAの公差は工業用3Dプリント技術の中では最も厳密になっています。CNC等機械加工による精度と比較すると、SLA方式3Dプリントでは一般的な機械加工と精密機械加工の中間程度の精度となっています。

Overall, resin 3D printing (SLA and DLP) and powder bed fusion 3D printing (SLS and MJF) have the highest tolerance of commercially available plastic 3D printing technologies. Compared to machined accuracy, resin and powder 3D printing tolerance is somewhere between standard machining and fine machining.

Tolerance is the predicted range of possible dimensions for parts at the time of manufacture.

Tolerance is the predicted range of possible dimensions for parts at the time of manufacture.

Tolerancing for 3D Printed Large Assemblies and Small Scale Manufacturing

Tolerance and fit are essential concepts for any engineer designing mechanical assemblies. Accounting for tolerances ultimately optimizes both the prototyping and production processes, reducing the material cost of iteration, lowering post-processing time, and mitigating the risk of accidentally broken parts. The static cost-per-part for 3D printing makes it a cost-effective method for prototyping and low volume manufacturing, especially for custom parts that would otherwise require significant investment in molds.

Generally, more compliant 3D printing materials will have a wider tolerance zone than more rigid materials. When printing parts for assemblies specifically, designing for proper tolerance and fit lowers post-processing time and ease of assembly, and reduces the material cost of iteration. 

Post-processing steps for 3D printed parts assemblies commonly include cleaning, sanding supports, and lubrication. Sanding an active surface is a reasonable method for achieving the correct fit if the part is a one-off, because less tolerancing work is required in the design phase. With larger assemblies, or when producing multiples of something, proper dimensional tolerancing quickly becomes worthwhile.

In this section we’ll walk through the different engineering fits to describe the basics of clearance, transition, and interference fits and when it makes sense to choose each for an assembly design.

Choosing the Best Type of Engineering Fit

In order to understand and design the optimal 3D printing tolerances, it’s important to determine which type of fit works best for your assembly.

The functional needs of your assembly define how parts should fit together.

choosing the best type of engineering fit assembly graphic - clearance fit, transition fit, interference fit

Engineering fit can be divided into three types: clearance, transition, and interference. Each of the these types of fit can then be broken down into two major subcategories.

There will always be some variation in tolerances for different manufacturing methods and depending on the 3D printing process, which means that fit is a continuum rather than completely separate stages. For example, larger clearance fits trade precision for freedom of movement. Tighter transition fits are stronger, but cause more wear on the connection. An interference fit that requires more force to join will be more challenging to disassemble.

Clearance Fit

Free movement of a component requires clearance, or space between the active surfaces. Achieve clearance by ensuring that the tolerance zones of the active surfaces do not overlap.

An active surface is a model region where two surfaces touch and either move against each other or have a static fit.

Subcategories:

  • sliding fit has some lateral play, while a running fit has almost no play.
  • running fit has slightly more friction, but more accurate motion.

Play is the amount of space for movement in an unintended direction within a mechanism.

Transition Fit

If no motion between parts is needed, a transition fit allows for easy assembly and disassembly. A transition fit has partially overlapping tolerance zones.

Subcategories:

  • With a keying fit, a component accurately inserts into or around another part, with only a light force needed to install and remove it.
  • push fit requires more force to join and remove the parts, but they can be connected by hand.

Interference Fit

An interference fit provides a rigid, strong connection, but requires much more force applied in assembly. Tolerance zones fully intersect in interference fits.

Subcategories:

  • force fit requires substantial force to install, likely with additional hand tools like a hammer, and is intended to be permanently joined.
  • press fit needs much more force to install, applied by an arbor press or similar tool.

Design Successful 3D Printed Assemblies

white paper engineering fit optimizing design for functional 3d printed assemblies

Fit ranges for common geometries can be broadly applied to many designs. Once you know the best fit, you'll need to select materials and design tolerances for your application. Our white paper, “Engineering Fit: Optimizing Design for Functional 3D Printed Assemblies,” was written to help guide these decisions.

Download the white paper for a breakdown of how to measure and apply tolerances for each type of fit, with specific recommendations for Formlabs Tough Resin and Durable Resin. The resource also includes links to downloadable test models and suggestions for lubricants, bonded components, and machining.

Download the White Paper

Learn More About 3D Printers

There are tons of other attributes to consider when evaluating 3D printers–do your parts need to be isotropic? What mechanical properties do your parts (and therefore, materials) require? One of the best ways to get started is to see real printed parts. Choose a free sample from Formlabs in a variety of materials to see SLA quality for yourself.