SLA光造形方式の3Dプリンタをご利用の場合、造形品の二次硬化が必要になります。二次硬化は、造形品の強度を最大限に引き出すと同時に安定性も高めます。しかし、熱と光に対する反応は個々のレジンによって微妙に異なるため、それぞれの材料特性を最大限に引き出せるようにするには、最適な硬化時間や硬化温度を個別に設定する必要があります。
造形品の二次硬化ガイドをダウンロードいただくと、後処理の基礎や後処理がFormlabsのレジンにどのような作用をもたらすのかについて詳しくご確認いただけます。
二次硬化が必要な理由
Formlabsのレジンはいずれも、高度な光硬化性物質で製造されています。Form 4、Form 4B、Form 4L、Form 4BLといったFormlabs SLA光造形プリンタは、405nmのレーザー光を使って液体レジンを硬化させ、高精度の固形パーツを生成します。
光造形3Dプリントの場合、造形直後は造形品がビルドプラットフォーム上で「グリーン状態」になっています。これは、見た目は最終的な形になっているものの、重合反応がまだ完全に終わっておらず、造形品に使用した材料に備わる機械的特性が最大限に発揮できていない状態です。SLA光造形方式の造形品が材料特性を最大限に発揮できるようになるには、光と熱で二次硬化させる必要があります。
機能性が重視されるスペシャルティレジンといった材料は、特にそれぞれに備わっている特性を最大限に発揮できるようにすることが求められます。生体適合性材料の場合、規制当局が定める安全基準を満たすために二次硬化は必須です。
造形品の二次硬化に必要な時間
材料特性を最大限に引き出すための最適な二次硬化の温度と時間は、使用する材料や用途に応じて変わります。Formlabsスタンダードレジン(White、Grey、Black、Clearレジン)の場合、Form Cure(第2世代) を使うと1分程度で迅速に硬化させることができます。一方、高い強度や剛性、耐熱性が求められる場合に使用するFormlabsのエンジニアリング系レジンの場合、それぞれの特性を最大限発揮させるための推奨の二次硬化時間は最長120分です(二次硬化に使用するハードウェアの種類によります)。
Formlabsは、自らが開発するレジンの最適な硬化設定を確認するための研究を社内で立ち上げました。この研究を担当した材料開発チームの科学者たちは、ASTM規格に準拠する計測試験を通じて、各材料の機械的特性が高低様々な温度でどのように変化するかを検証しました。
Form Cure(第2世代)、Form Cure(第1世代)、Form Cure Lで各材料を二次硬化する際の最新の推奨硬化設定については、Formlabsの公式ウェブサイトで入手できます。推奨の硬化設定で二次硬化を完了した後の機械的特性の数値は、材料データシートに記載されています。このデータシートはFormlabsのウェブサイトからダウンロードできます。
二次硬化用ハードウェア
二次硬化の方法は、シンプルに(自然な太陽光、ネイルサロンで使っているUV装置、UV硬化装置、DIYのUV硬化ボックスなどを使って)光だけで硬化させる方法から、光と熱の両方を使う方法まで数多く存在します。熱を加えると硬化プロセスが加速し、より完全な結合が可能になります。その結果、硬化した材料は光だけでは達成できない高いレベルの材料特性を発揮できるようになります。
Formlabsは、自社製レジンを短時間に一貫性のある仕上がりで二次硬化を行う独自のソリューションとして、デスクトップサイズと大容量サイズの工業品質のSLA光造形3Dプリンタ用に、Form CureとForm Cure Lを開発しました。Form CureやForm Cure Lなどの後処理装置を使用することで、SLA光造形で3Dプリントした造形品に対し、適切な波長のUV光と温度、時間で二次硬化を行えます。
SLA光造形品の二次硬化を始める
Formlabsの二次硬化ガイドをご覧いただくと、二次硬化がFormlabsの各材料の主要特性にもたらす作用のほか、用途別に最適な二次硬化の設定についてもご確認いただけます。
このガイドをダウンロードいただくと、以下のノウハウを得られます。
- 二次硬化がFormlabsの各材料の主要特性にもたらす作用
- 材料の最適な二次硬化の推奨設定(用途別)
- 二次硬化のよくある失敗を防ぐための戦略