Formlabs最速の3Dプリント用レジン、Fast Modelレジンが新登場

片手で3Dプリント製のタワーが乗ったビルドプラットフォームを持つ様子

Form 4では、Formlabs最速の造形が可能なFast Modelレジンを含む、新登場レジンを使っての3Dプリントが可能になります。積層ピッチ200μmで最大100mm/hという造形速度を実現するFast Modelレジンは、設計チームによる試作・検証プロセスの反復を高速化し、大型試作品のプリントも2時間以内で完了させます。

強度、剛性、耐衝撃性が向上したFast Modelレジンは、機能確認用試作や中程度の負荷がかかる治具や固定具など、さまざまな用途における効率性向上をサポートします。これまでよりも引き下げられた新たな価格設定により、こういった用途での3Dプリント活用のメリットがさらに高まり、低コスト材料と高速造形で造形単価をこれまでになく安価に抑えられます。

Formlabsでは社内の材料科学者の知見を存分に活かし、Formlabs製品でのプリントに最適化された業界トップの材料を、ソフトウェアとハードウェアと並行して開発しています。45種類以上の高機能材料が利用可能な材料ライブラリにFast Modelレジンが新たに加わることで、誰でもアイデアを具現化できるようになります。

グレーのメーター
サンプルパーツ

Fast Modelレジン

Fast Modelレジンは、1時間あたり最大100mmという、Formlabs材料で最速の造形スピードを誇る3Dプリント用材料です。歯科用モデルなら僅か数分で、大型の試作品なら2時間以内に造形できます。

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Fast Modelレジン vs. Draftレジン

3Dプリント製の2つのグレーパーツ。写真左のパーツは、右のパーツより明るい灰色でマットな質感も増している。

Fast Modelレジン(写真左)とDraftレジンV2(写真右)の造形品の比較。Fast Modelレジンは不透明さとマットな質感が増し、より均一な色合いと表面品質を実現。

Fast ModelレジンはDraftレジンの後継として、新製品のForm 4で強化された機能を最大限に活かせるよう開発された材料です。Form 4に搭載のLow Force DisplayTM(LFD)プリントエンジンにより、ほとんどのレジンをこれまでより高速でプリントできます。材料開発チームは、新しいLFDプリントエンジンとハードウェアに合わせてFast Modelレジンを特別開発することで、スピード、機能特性、審美性の面でより高いパフォーマンスを引き出すことに成功しました。Formlabs製品に合わせてレジンを開発することで材料の機能を最初から最適化することができるため、材料に合わせて造形設定を微調整するという不完全な方法に頼る必要がなくなります。

Fast ModelレジンはDraftレジンに比べて精度と造形品質、耐久性、審美性がさらに向上し、不透明な色合いやマットな質感も増しています。さらに、揮発性有機化合物(VOC)を限りなく抑えたことで、匂いが少なくさらに快適なユーザーエクスペリエンスを提供します。

Formlabs最速のレジン

Form 4でFast Modelレジンを使用した場合、Form 3でDraftレジンを使用した場合に比べて造形スピードが3倍も向上し、積層ピッチ200μmの設定で最大100mm/hを実現できます。これにより、歯科用モデルなら僅か数分で、大型の試作品なら2時間以内に造形を完了できます。

さらに、後処理工程でもスピード面でのメリットが得られます。後処理として洗浄を5分間、室温での二次硬化を5分間行うだけで済むため、作業手順全体にかかる時間を削減できます。

Formlabs Form 4のタワーキャップの造形にかかる時間
造形時間
Form 4にてFast Modelレジンを使用1時間37分
ベンチマーク:FDM5時間32分
ベンチマーク:SLA光造形4時間38分
Form 3+4時間29分
Form 4で3Dプリントした造形品
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Form 4材料ガイド

本ウェビナーでは、Form 4で使用可能な高機能材料の詳細と、用途ごとに最適な材料の活用方法をご紹介します。

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機械的特性の向上

Fast ModelレジンはDraftレジンよりも強度と剛性に優れ、曲がったり歪んだりすることなくさらに高い負荷のかかる環境にも耐えることができます。耐衝撃性と破断伸び率が向上したことで、破損に強い機能部品を高速造形できるようになります。

造形品は室温で5分間二次硬化した後にご使用いただけます。強度や剛性、荷重たわみ温度を向上させたい場合には、Form Cureにて60°Cで15分間二次硬化を行うことをお勧めします。

Fast ModelレジンFast ModelレジンDraftレジン
二次硬化室温で5分間60°Cで15分間60°Cで5分間
最大引張強さ55MPa62MPa52MPa
引張弾性率2.5GPa2.67GPa2.3GPa
破断伸び15%11%4%
曲げ弾性率2.60GPa2.74GPa2.3GPa
ノッチ付アイゾット30J/m37J/m26J/m
荷重たわみ温度@1.8MPa49°C61°C57°C
荷重たわみ温度@0.45MPa58°C76°C74°C
曲げ強さ98MPa106MPaN/A
Form 4のクローズアップ
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製品デモでForm 4を詳しく知る

かつてないスピード、精度、信頼性を実現したForm 4で、生産性やイノベーションを新たなレベルへと引き上げる方法をご紹介します。

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試作品としても、生産現場でも

3Dプリント製の2つのグレーパーツ。

最大時速100mmでの造形を叶える本材料では、一日により多くの試作・検証サイクルを実施できるようになるほか、オンデマンドでの治具製作など、機能性が求められる用途でも高速製作が可能に。

3Dプリントの導入により試作品製作にかかる時間が大幅に削減され、一晩での部品製作も可能になります。Fast ModelレジンがForm 4で使用可能となった今、大型の試作品でも2時間以内の造形が可能で、造形サイズいっぱいの試作品を一日に複数点製作できるようになります。

「積層ピッチ100μmでの造形品質には驚いています。私ならこの材料で一日中造形しますね」

Medtronic シニアプリンシパル設計技術者、Scott Tuominen氏

主に試作品製作を意図して開発されたDraftレジンとは異なり、材料特性の向上したFast Modelレジンでは、中程度の負荷のかかる環境で使用される治具・固定具など、実際に製造現場で使用する治工具の製作も可能になります。一回限りのカスタム治具でも生産ラインで定期的に使用する治具でも、これまでより高速かつ効率的に、かつ連続使用にも耐えられる頑丈性を備えた部品を製作できます。Fast Modelレジンの耐久性や強度は、こういった用途に最適です。

Fast Modelレジンは、例えば熱成形用の3Dプリント製成形型など、ラピッドツーリングとしてもご使用いただけます。3Dプリント製の成形型はベンチトップサイズのマシンと工業用マシンのどちらでも使用でき、機能確認用試作や部品のパイロット生産、実製品のカスタムまたは少量生産を、効率的かつ低コストで行うことできます。

熱成形
技術資料

3Dプリント製金型を使用した少量高速熱成形

本技術資料では、熱成形用の3Dプリント製成形型を使用した製造方法やガイドラインをご紹介します。

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Form 4で使用できるFast Modelレジンは、リリース時点でFormlabs最速の3Dプリント用レジンとなりました。これが実現できたのは、Formlabsが提供する業界最高クラスのハードウェアに合わせて社内で特別に材料開発を行った結果です。垂直統合型企業として、開発・生産・3Dプリントのすべての側面を俯瞰的に調整することで業界トップの機能性を実現しました。これは、レジンだけ、またはハードウェアだけに調整を加えていたのでは決して成し得ないことです。

Fast Modelレジンで実現可能な脅威的な造形スピードとさらに向上した機械特性により、リットルあたりのコストはこれまでより抑えながら、3Dプリント可能な製品の裾野が広がり、3Dプリント製の治具・固定具、大型の機能試作、熱成形用の成形型、その他さまざまな用途における新たな可能性が拓かれます。レジンを30L以上まとめてご購入される場合は、さらなるディスカウントをご利用いただけます。詳細についてはFormlabsまでお問い合わせください。

Form 4なら、この記事の読了にかかる時間で、Fast Modelレジンを使って6mmの造形が可能です。Form 4用にFast Modelレジンをご購入、またはFast Modelレジンの造形品質や審美性をお確かめになりたい場合は、ぜひサンプルパーツをお申し込みください。

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