3Dプリントと真空成形でチョコレート用カスタム成形型を製作

バレンタインチョコレート用3Dプリント製カスタム成形型で真空成形

チョコレートや菓子の最も一般的な製造方法は、既製のシリコン型の中に溶かしたチョコレートを入れて冷やす方法です。チョコレート用のカスタム成形型を設計し3Dプリントすることで、以前は熟練した職人にしかできなかったようなディテールの表現やカスタマイズが可能になります。3Dプリントを用いた食品用成形型製作の方法や技術は簡単に習得でき、大抵の場合すばらしい結果が得られます。

チョコレート、キャンディー、その他の菓子用のカスタム成形型は、食品安全性に優れ、柔軟性があり、再利用できることが重要です。SLA光造形用レジンで作る3Dプリント品は食品の直接成形には適していませんが、SLA光造形方式3Dプリンタは成形型の凹部を作るのに最適で、その型を用いて食品に安全なプラスチックで真空成形が行えます。

食品に安全な3Dプリント

、3Dプリントにおける食品安全性の留意事項、一般的な3Dプリント技術で食品安全製品を量産する様々な方法については、ガイドをお読みください
成形型製作
技術資料

3Dプリントによる成形型製作:試作品製作および量産で活用

本技術資料では、SLA光造形 3Dプリンタで成形型を内製する6つの方法をまとめました。ダウンロードいただくと、 射出成形、真空成形、シリコン成形、その他の方法について詳細をご覧いただけます。

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用意するもの

3Dプリンタと真空成形で食品に安全なカスタム成形型を作るには、以下のものが必要です。

チョコレート用カスタム成形型を設計、プリント、真空成形する方法

3Dプリントと真空成形を使えば、自分だけのユニークなチョコレートを作ることが可能です。
3Dプリントと真空成形を使えば、自分だけのユニークなチョコレートを作ることが可能です。

1. 成形型を設計する

最初のステップは成形型の設計です。バレンタインデーをテーマにしたチョコレート用に、花と模様付き卵の2種類のデザインを成形します。真空成形機と同じ高さに設置できる平面があれば、ほとんどの機種が使用可能です。真空成形は、プラスチックフィルムを加熱し成形型に真空吸引する工程です。真空成形シートに引っかかってしまうような突出部がないものが、最良の成形型です。経験豊富なCADユーザーでなくても、リトフォームを使えばご自身や顧客がする2D画像から簡単に3D成形型を製作できます。

成形型にくぼんだ部分がある場合、その部分の最も低い位置に1mmの穴をプリントするかドリルで穴を開けると、真空成形工程でプリントから可能な限りのディテールを拾いやすくなります。
成形型にくぼんだ部分がある場合、その部分の最も低い位置に1mmの穴をプリントするかドリルで穴を開けると、真空成形工程でプリントから可能な限りのディテールを拾いやすくなります。

硬質材料で型をプリントします。FormlabsのHigh Tempレジンは真空形成形型のプリントに最適です。加熱されたプラスチックに触れても、使用を重ねても、変形したり劣化したりすることがありません。スタンダードレジンも使用できますが、繰り返し使用すると時間とともに劣化することがあります。

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2. 真空成形する

高密度ポリエチレン(HDPE)のような、食品に安全なプラスチックを使って成形型を真空成形できます。柔軟な成形型を製作するためには、プラスチックシートの厚さは0.01インチ程度が適切です。熱成形機には、安価で小型のものから、スペースの広い大型ユニットまで多くの選択肢があります。

高密度ポリエチレン(HDPE)のような、食品に安全なプラスチックを使って成形型を真空成形できます。
高密度ポリエチレン(HDPE)のような、食品に安全なプラスチックを使って成形型を真空成形できます。

独自の一点物ではなく、再利用可能な成形型を作ることが目的であれば、複数プリント品を同時に真空成形して大きな複数成形型トレイにすることで1回のバッチで処理できる量を簡単に増やせます。

Vestal Groupによる3Dプリント製成形型の熱成形と熱成形品
技術資料

3Dプリント製成形型を使用した少量高速熱成形

技術資料をダウンロードして、3Dプリントで複雑な成形型を短時間で製作する方法と、成形型の部品を製作する際に参考になるヒントやガイドラインをご覧ください。

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3. 清潔にして準備する

水と石鹸で洗い流します。成形型の内側表面を少量のキャノーラ油で拭くと、付着したくずが落ち、チョコレートを成形型から取り外しやすくなります。

4. チョコレートを流し入れる

チョコレートをテンパリングし、プラスチックの型にゆっくりと流し入れます。チョコレートがまだ液状のうちに、成形型をテーブルの上で軽く叩き、上の面が平らになるようにします。チョコレートを冷蔵庫に入れて冷やし、固めます。

5. 固まったチョコレートを取り出す

慎重に成形型を曲げながらチョコレートを取り出します。チョコレートを扱う際は、溶けないように手袋を使用してください。

Form 2を使って、赤い色を付けたカラーレジンでチョコレート用のカスタムボックスを3Dプリント。
Form 2を使って、赤い色を付けたカラーレジンでチョコレート用のカスタムボックスを3Dプリント。

また、3Dプリント製の熱成形型を使うと、カスタム彫刻デザインのチョコレートパッケージやカスタムのパッケージトレイを作ったり、室温で注いで固められる、例えば職人による手作り石鹸のような他の製品を作ることも可能です。

ここではForm 2を使って、赤色のカラーレジンでこのバレンタインボックスをプリントし、また、カスタマイズしたチョコレートをそれぞれ固定するプラスチックトレイを成形するために別の熱成形型を3Dプリントしました。

3Dプリントと成形型製作の方法

熱成形同様、射出成形や鋳造は、3Dプリンタを用いて多様な材料の可能性を広げることができます。ウェビナー「Dプリントで成形型を製作では、これらの方法、そして各方法の設計ガイドラインについて詳しくご紹介しています。

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