Formlabsは、SLA光造形3Dプリントの後処理を効率化する仕上げ用ツールセット、Finishing Toolsを発売します。作業時間と造形コストを削減しながら、より高い表面品質と完璧に滑らかな面とエッジを表現し、洗練された外観を持つ造形品に仕上げていただけます。
お客様の声と厳密な試験の結果
Formlabsの初代光造形3DプリンタであるForm 1の時代から、Formlabsはお客様からのフィードバックを次の製品開発における不可欠な要素として捉え、生かしてきました。その中でサポート材の取り外しや研磨、バフがけ、作業スペースの整理整頓などが手軽に行える便利なツールが欲しいという声を幾度も耳にしてきました。多くのお客様は多くのサプライヤーから色々なツール類を調達したり、既にお持ちの日用品を活用したり、様々な工夫を凝らしてこうした細かなギャップを自身で埋めてきました。しかしこうしたニーズは、業種によって細かなニーズが異なり、ものによっては他のツールよりも優れたもの、劣ったものがあり、その品質にもばらつきがあります。
そこで私たちは、徹底的なリサーチを行い、可能な限り多くのお客様から直接お話を伺い、そして社内で独自に試験を重ね、ユーザーの皆さまが活用されている多くのツールの中からベストなものを集めたツールセットを発売することにしました。Finishing Toolsは、SLA光造形の造形作業を効率化し、後処理を速く簡単に行えるようサポートするだけでなく、作業場を散らかさずに作業が行えるよう配慮されています。Finishing Toolsは、セットで購入いただくことにより、各ツールを個別に購入するよりも安価でありながら、Formlabsとお客様による厳格なテストによって、3Dプリント作業での有用性が実証されています。大学のメーカースペースラボで学生が年末のプロジェクトを完成させる際に、医療機器のエンジニアが規制委員会に最終試作品を提出する際に、そして他の多くの場面でFinishing Toolsは射出成形品と見分けがつかないほど美しい部品を製作するための、手頃で完璧なソリューションとなります。
Finishing Toolsを使ってみると…
スポーツ・アウトドア・登山用品ブランドのBlack Diamond Equipmentでは、ラピッドプロトタイピングを行う際に、デザインの各段階で大量のパーツの外観確認を行います。Black DiamondのプロダクトデザイナーであるMatt Tetzl氏は、「FormlabsのFinishing Toolsは、当社での後処理の仕上げ段階において、ゲームチェンジャーになっています。」と言います。「Finishing Toolsを使ってみると、造形品の品質も作業効率も、思っていた以上に向上しました。仕上げに要する時間を40%短縮できたこともあります。一言で言えば、Finishing Toolsに含まれるツールはどれも、造形品の外観と仕上げ作業の労力の両方を大きく向上し、多彩な試作品を作る上で非常に役立っています。」
Finishing Toolsの中身は…?
Finishing Toolsには以下のツール類が含まれています。
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リニアサンダー
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回転ツールとアタッチメント
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ホビーナイフと替え刃セット
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マイクロファイバークロス
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スプレーボトル
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フラッシュカッター
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作業中に造形品表面を保護する大判シリコンマット
Formlabsは、何千人ものユーザーの声から、これらのツールが最もユーザー様に支持され、高い効果が望め、デンタル用途を除いたSLA光造形のワークフローに共通して求められるものと判断しました。
リニアサンダー、回転工具とそのアタッチメントは、造形品にバフや艶出しを行うのに最適です。Formlabsは様々なアタッチメントをテストしましたが、Finishing Toolsに含まれる16個の研磨用アタッチメントと12個のバフ用アタッチメントが最も便利で使いやすいと考えました。これらのツールがあれば、作業後にまたテストを行ったり当てずっぽうの作業で時間を要することはありません。無駄に造形あたりの単価が上がってしまうこともありません。「ファイバーポリッシングホイールは、表面を磨いたり、サポート材を外した後に残る小さなサポート痕を消すのに特に役立ちます。エンドミルやサンディングのアタッチメントはプリント品の篏合面やネジ山を整えるのに非常に有効です。320グリットのペン型サンダーは、広い面のクリーニングに欠かせません。3Dプリント製の靴型をクライミングシューズの試作に使えるのは、この表面品質のおかげです。」とTetzl氏は述べています。
フラッシュカッター、ホビーナイフとその替え刃は、小さな溝の除去や、サポート材を除去した際に残った凹凸の除去など、細かな作業を簡単に行えるだけでなく、造形品を傷付けるリスクも最小限に抑えられます。マイクロファイバークロスとスプレーボトルは造形品と作業スペースを清潔に保つために使え、造形品やサポート材についた余分なレジンを取り除く際にも使用できます。
コスト効率と造形単価
3Dプリント品のROIを計算した経験のある方なら、3Dプリントの作業に要する労力を考えたことがあるはずです。特にSLA光造形の3Dプリントでは、洗浄と二次硬化、サポート材の除去といった後処理作業が発生します。Formlabsはプリントだけでなく、後処理までを含めたトータルの作業をより効率化すべく、自動洗浄装置であるForm Wash、その大型機であるForm Wash L、自動二次硬化装置のForm Cure、大型のForm Cure L、クイックリリーステクノロジー(Quick Release Technology)を備えたBuild Platform 2、Finish Kitなどをご用意しています。そしてFinishing Toolsを使用することで後処理、研磨、サンディング、バフをさらに省力化し、造形品1点あたりのコストを引き下げ、ROIを向上することができます。
Formlabsは、ユーザーの皆さまがこういったツール類を個別に調達してご自身で試行錯誤する代わりに、この厳選したFinishing Toolsをご用意しています。Finishing Toolsの価格はこれらのツールを個別に購入するよりも安価で、最大限の実用性と保管のしやすさに配慮して設計されています。
Formlabsのすべての製品と同様に、私たちはお客様のニーズと期待を常に第一に考え、製品設計を進めています。新製品のFinishing Toolsによって、すべてのユーザー様の仕上げ作業がもっと簡単で、もっと美しく、より効果的なものになると私たちは信じています。