Formlabsの3Dプリンタによる累計造形点数が1億点を突破!

2011年に初めてKickstarterでクラウドファンディングキャンペーンを行うところからスタートし、2021年7月に20億ドルの評価額を得るまで、Formlabsはこの10年半でたくさんの大きなマイルストーンを達成して来ました。デジタルファブリケーションへのアクセスを拡大し「誰もが何でも作れるように」という私たちのミッションは、何千人ものユーザー様の共感を得て、実際にあらゆるものが作られています。Formlabsのお客様は、自動車、産業機械、ハリウッド映画の特殊メイク、救命医療機器などあらゆるものを、私たちのSLA(光造形/Stereolithography)およびSLS(粉末焼結積層造形/Selective Laser Sintering)の3Dプリンタでプリントしています。

 

製造分野への用途拡大も

Formlabsユーザーの皆さまは、本当に多くのものをプリントされ、わずか10年で1億点の造形に到達することができました。しかしそれ以上に同じ部品を何度も製造し、生産能力をスケールアップさせ続けても来たのです。  私たちは絶えずプリンタの生産能力向上に努めてきました。それはつまり、プリンタがノンストップで稼働し、メーカー各社に必要な牽引車になれるよう、技術の再現性と一貫性を高めるために努力を続けて来たのです。

あるお客様は過去2年間で、すべての国やコミュニティで多くの人々に役立った新型コロナウィルスのPCR検査用鼻腔綿棒を生産し、過去に例のない形の生産能力を確立されました。シンガポールのヘルスコンソーシアム、National Additive Manufacturing Innovation Cluster(NAMIC)とFormlabsの正規代理店であるEye-to-Eye Communicationsは、Form 3Surgical Guideレジンを使用し、1日に3万本以上のPCR検査用鼻腔綿棒の共同生産に成功しました。Formlabsの共同創設者兼CEO、Maxim Lobovskyは3Dプリントコミュニティを代表し、彼らの努力は「3Dプリントが提供できるスピードと分散製造を証明した素晴らしい事例」であると述べています。

Fleet of Formlabs Desktop 3D Printers

製造面での他の事例は、Ashley Furnitureという家具メーカーです。同社はForm 2、Form 3Form 3L、そしてSLS方式3DプリンタのFuse 1と、すべてのFormlabsプリンタを使用し、製造プロセスの効率を高い水準で維持しています。3Dプリント製の治具や固定具を製作することで、Ashley Furnitureは製造ラインやモデルごとに新しく作り直す必要がある高額な治工具にコストを費やすことなく自社の製品製造を行うことができるまでになりました。同社は、Form 2だけで700点の部品を生産し、その後、Form 3、Form 3L、Fuse 1を別の2拠点で追加購入し、それぞれの生産能力を拡大しています。

Printed Jigs and Fixtures

カスタマイゼーション

お客様のニーズに合わせたカスタマイズは、アディティブマニュファクチャリング、特にFormlabsプリンタが利用される多くの業界で幅広く普及が進んでいますが、デンタル(歯科)業界を置いてカスタマイズの話は成立しないでしょう。Formlabsは、歯科医、歯科技工所、技工士、矯正歯科医、外科医、補綴歯科医の皆さまにとって信頼に足るパートナーになれることをお約束します。あまり知られてはいないのですが、3Dプリントの最大の用途は、歯列矯正用モデル製作です。

最先端のスキャンとデザインツール、そしてFormlabsの3Dプリンタと材料を活用したワークフローを確立すれば、治療の質を向上し、すべての患者やクリニックのためのカスタマイズが実現できます。私たちのお客様は、矯正器具を熱成形で製作するためのGreyレジンによるモデル、Permanent Crownレジンでの修復物、あるいはDenture BaseやDenture Teethレジンでの義歯など、何十万もの人工歯をプリントして来ました。歯科技工所や歯科医院は、3D技術をいち早く採用し、より高速で精密なプリンタや材料を求め、業界を後押しし続けています。私たちが改良したModelレジンは、技工所やクリニックに更なる効率化をもたらすことができます。高い精度とスピード、そして安定性を備えたModelレジンは、特に歯科業界のために開発された材料です。

3D Printed Teeth

医療分野におけるカスタマイズは、部品生産における数字でこそ大きなものではありませんが(外科手術ではできる限り骨を切除する等の処置は避けられます)、私たちのポイントオブケアでのお客様がForm 3+およびForm 3Lで手術用モデルを製作することで、手術室の使用時間、患者様の回復、そして術後の経過において実際に目に見える改善が認められます。

Surgical Model Printed using Formlabs SLA 3D Printers

比較的小規模で行われるイメージがあるカスタマイゼーションですが、場合によっては大きな規模で行われるケースも存在します。私たちのパートナーである髭剃りメーカー、Gilletteのイノベーティブなサービス「Razor Maker™」プロジェクトでは、顧客の好みに応じたカスタマイズが施されたカミソリのグリップ部を製作し、Formlabsの様々なレジンを使い、Form 2で数百のモデルをプリントしました。消費者向け製品のカスタマイズは当時として非常に斬新な試みでしたが、世界的なベストセラーブランドである同社がこれを実行したことで、3Dプリントの可能性はより大きな注目を集めることになりました。

Formlabsのプリンタで生産されたGillette「Razor Maker™」での髭剃りグリップ部。

Formlabsのプリンタで生産されたGillette「Razor Maker™」での髭剃りグリップ部。

エンターテインメント業界におけるFormlabsの進化

2013年に映画大手DreamworksのデジタルデザイナーであるRobert Vignone氏による最初の事例から、アベンジャーズシリーズで有名なMarvelの小道具担当Russell Bobbitt氏とのコラボレーションまで、Formlabsはハリウッドに進出し、活用され続けています。私たちはAaron Sims Creativeに代表される素晴らしい制作会社と協力して専用の小道具や特殊効果を施した腕や脚、それらのセットピースをプリントし、さらにはプリンタ自体も撮影の小道具として使われています。「Raised By Wolves」、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」、「Grey’s Anatomy」などの人気ドラマでも、Formlabsプリンタで造形されたパーツやコスチュームの装飾、そしてプリンタそのものが使用されています。

 

Ancient Skull Prop from Raised by Wolves

完璧を目指して

世界的にも、またFormlabsユーザーの間でも、3Dプリントが最もよく使われるのは試作品製作の高速化、いわゆるラピッドプロトタイピングです。プロダクトデザイナーやエンジニアは、10年以上前の創業当時から、工業品質で省スペースなデスクトップサイズの3Dプリンタの有用性を認識していました。最終的には1つの製品という形にはなりますが、完璧な品質を求めて何十回、何百回もの試作と検証の反復作業が必要で、そのすべてが1億点というマイルストーン達成に寄与しています。 

マスタージュエラーであるTariq Riaz氏は、建築にインスパイアされたアート作品を制作しています。エンジニアリング分野でのバックグラウンドを生かし、最大60点もの小さなパーツを組み合わせ、機能的に動くリングを制作しています。試作を繰り返す中では、60点の各部品を20回も作り直すこともあるそうです。小さな部品ではあるものの、リングを身につける人の動きに合わせてスムーズに伸縮し、完璧にフィットしなければなりません。

Man Holds a Prototype

1908年にヘンリー・フォードが現代の組立ラインによる工程を開発して以来、自動車産業は常にイノベーションの最前線にいます。より速く、より遠くへ、という彼らのたゆまぬ努力が、新しい技術を生み出す扉を開いて来ました。

自動車アフターマーケットメーカーのDorman Productsは、Form 3と大型のForm 3Lにて自動車の交換部品を試作し、18万行に及ぶ製品カタログを作成しています。同社ではForm 3の安定性を高く評価しており、Formlabsが提供するほぼ全てのレジンを活用し、毎年最大5,000個もの新製品をリリースしています。

 

学生や子供たちにも自由を

通常、私たちは、技術者、歯科医、デザイナーなど、皆さまの業務においてFormlabsのプリンタを使用されるお客様をご紹介していますが、この1億点のマイルストーンに到達するまでの多くのプリントは、まだご自信のキャリアをスタートしていない方々によっても行われています。幼稚園から高校卒業までの、いわゆるK-12の学校、専門学校や短期大学、職業訓練校、そして大学の学生たちは、従来の設計や製造の概念を覆すような部品を製作しており、彼らにはこれまで以上の3D設計とプリントのスキルが求められています。

企業のお客様がプリントを継続するためには、新たに優秀な従業員を雇用する必要があります。学校で3Dプリントを活用した教育を導入することは、学生たちが今後のキャリアを切り拓く上で必ず役立つものになるでしょう。ペンシルバニア州立大学のような大きな大学では、教員や管理職が学生のキャリア開始に備えると共に、コミュニティを巻き込んで将来の従業員のスキルアップを支援するツールとして、3Dプリントを重視しています。学生やコミュニティのメンバーは、Eric J. Barron Innovation HubにあるForm 3、Form 3L、およびFuse 1を使用して、試作品から最終部品まであらゆるものをプリントしています。

 

米国海軍兵学校にあるMakerSpaceUSNAでは、毎日Form 3が活躍している。

米国海軍兵学校にあるMakerSpaceUSNAでは、毎日Form 3が活躍している。

世界中のユーザー様と共に

Formlabsは本年2022年も、年に1度のグローバルイベントであるFormlabs User Summitを、日本時間10月26日(水)夜から27日(金)早朝にかけて、オンラインイベントの形で世界同時開催いたします。7ヶ国語で開催された昨年は、150カ国から8千人超のユーザーに参加いただきました。10年にわたるイノベーションを振り返り、インサイトを共有し、1億点のマイルストーンを祝したメモリアルイベントとなります。NASA、ドイツ国営鉄道のドイチェバーン、Mayo Clinicなどのイノベーターに代表される素晴らしいスピーカーが勢揃いしています。 チケットは無料ですので、ぜひご参加ください。

FUS 2019

2019年の第1回Formlabs User Summitでは、世界中のユーザーが集まり、互いから学び、共有し、他にはないコラボレーションを実現。2022年のFUSでも多くの人が集い、これまで以上に素晴らしいイベントとなるよう準備中だ。

次のマイルストーンを目指して

Formlabs 3D Printed Parts

3Dプリント業界は絶えず進歩を続け、その精度、スピード、サイズ、強度などの改善を重ね、新たな可能性を開き続けています。しかしFormlabsは、私たちのコミュニティがこれまでに成し遂げたことすべてを大きな誇りと感じています。 

今まで世界中でプリントされた1億点を超える造形品は、チャレンジと革新、成長、小型化、オーバーホールを繰り返してきたユーザーの皆さまの努力の結晶です。私たちFormlabsは、次の2億点を皆さまと共に目指せることを非常に嬉しく思っています。