2種類の新たなNylonパウダーとOpen Material ModeでSLSに無限の可能性を

Nylon 12 Whiteパウダーのサンプルパーツ

Nylon 12 Whiteパウダーは、Nylon 12パウダーの万能性と優れた材料特性を全て併せ持った生体適合性材料で、ホワイトの造形品はより幅広いカスタマイズが可能に。

Formlabsは、FuseシリーズSLSプリンタの可能性をさらに広げるべく、2種類の新しい高機能パウダーのリリースと、Fuse 1およびFuse 1+ 30W 3Dプリンタ向けのFormlabsエコシステムのオープン化を発表します。

新登場のNylon 12 WhiteパウダーNylon 12 Toughパウダーで、Fuseシリーズをご利用中のお客様は内製能力の拡大を図ることができます。Nylon 12 Whiteパウダーは、ブランドのカラーに合わせて染色、塗装、コーティングを施した写真撮影用パーツや、色合いのコントラストが求められる医療用途に最適で、高度な後処理もこれまでにない容易さを追求しました。Nylon 12 Toughパウダーは、高い靭性とリフレッシュ率の低さで耐久性のある実製品用部品をより手頃な価格で製作できます。

Formlabsは、新しいパウダーの提供に加え、SLSエコシステムの他社材料へのオープン化も同時に行います。Fuseシリーズのお客様は、Open Material Modeでサードパーティ製のパウダーを使った造形や、PreForm設定エディタでの造形設定のカスタマイズが可能になります。

Nylon 12 Whiteパウダー:馴染みのある材料特性で、新たな可能性を開拓

Nylon 12 Whiteパウダーの造形品(染色後)

FuseシリーズSLS 3DプリンタにてNylon 12 Whiteパウダーでプリントした造形品は、塗装や染色に最適。写真の4つのパーツは、この材料を使った造形品にシンプルな染色プロセスを施すだけで実現できる鮮明な色合いを示している。

SLS 3Dプリントの人気は過去数年で着実に高まり、FuseシリーズSLS 3Dプリンタは世界中でどのパウダーベッドフュージョン方式3Dプリンタよりも多く導入されています。Fuseシリーズは、使いやすさ、拡張が容易なコンパクトな本体、そして手頃な価格が魅力となり、社内における機能試作の生産能力を強化したい企業や、治具のオンデマンド生産で生産現場の問題解決に取り組む企業、実製品用部品の量産向けに3Dプリントを活用したいと考える企業に最適な選択肢となっています。

幅広い用途に使用できるNylon 12パウダーは、Formlabsのベストセラーとなっている材料です。その高い強度と寸法精度が、あらゆる用途に対応できる万能性の秘訣です。しかし、本材料は濃いグレー色が特徴のため、特定の用途においては長所である汎用性を十分に発揮できない場合があります。

多くの企業は、プロトタイピングの最終段階で承認を得るために、試作品をブランドやデザインシステムのカラーに合わせる必要があります。一旦別の方法で製作した後、最終段階用に適した色合いを実現するために別の方法で作り直すとなると、納期が延びたり、造形結果にわずかな変化が生じたりして、寸法精度や一貫性を保つために行ってきた作業が無駄になってしまう可能性があります。

そんな時、Nylon 12 Whiteパウダーを使用すれば、最初のコンセプト段階から最終段階まで一貫して同じ技術で製作し、その時々で最も適した色合いに変えることができます。Nylon 12 Whiteパウダーはコーティング、塗装、染色などの用途に最適で、プロダクトデザイナーは一貫した材料特性を維持できます。真っ白なパウダーで、最終的に射出成形で作られる量産品と完璧に一致する試作品を、デザインレビュー用に製作できます。

生体適合性材料でカッティングガイドを製作

Formlabsの最初の生体適合性材料は、Formシリーズ SLA光造形3Dプリンタ用レジンでしたが、FuseシリーズにてNylon 12パウダーで造形したパーツも数年前から生体適合性が認められ、医療機器メーカーや医療従事者の方々によってカッティングガイドなどの用途で活用されています。カッティングガイドの業界標準は、人間の皮膚や手術領域とのコントラストを最大限に高めるため、白色と決まっています。

Nylon 12 Whiteパウダーは、濃いグレーが特徴の従来のNylon 12パウダーと同じ生体適合性規格を遵守しているため、カッティングガイドのメーカーにとって理想的な選択肢となります。従来のプリンタが高額だったためにSLS 3Dプリントの導入に慎重だった方々も、Fuseシリーズにより、業界標準のカラーオプションや材料特性をそのまま活かしながら事業の拡大が可能となります。

Nylon 12パウダーの生体適合性を維持するNylon 12 Whiteパウダーは、カッティング分野への事業拡大を目指す、あるいは内製化を目指す企業にとってアクセスしやすい選択肢となります。

生体適合性の認定は現在、申請中です。お客様の用途に必要な認定がすべて揃っているかどうか確認したい場合は、本材料を購入いただく際にFormlabsまでお問い合わせください

Nylon 12 Whiteパウダーのサンプルパーツ
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Formlabsの品質を直接手に取ってご確認ください。Fuse 1+ 30WにてNylon 12 Whiteパウダーで造形したサンプルパーツを無償でお届けいたします。

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Nylon 12 Toughパウダー:精度、価格の手頃さ、靭性が向上

Nylon 12パウダーは、FormlabsのFuseシリーズのお客様に長年信頼されてきた、圧倒的な人気材料です。しかし、どこをとっても完璧なものはそう存在しません。これまでNylon 12パウダーで製作した造形品をお客様から数多く共有いただき、そこからもどんな製品にも常に改善の余地があることを学びました。本材料の場合は、寸法精度と靭性の向上が課題でした。それに応えるべく開発したのが、Nylon 12 Toughパウダーです。靭性が向上した本材料は、大容量の工業品質パウダーに匹敵する機械的特性を発揮します。

Nylon 12 Toughパウダーの破断伸び率(EAB)はXY軸で18.8%と、Nylon 12パウダーに比べて64%増となっています。Formlabsは長年にわたり、Fuseユーザーから長くて細いパーツが焼結中に反りやすいというフィードバックを受けてきましたが、Nylon 12 ToughパウダーではEABが向上したことで、反りの要因に対抗し、長くて細いパーツでも構造的な完全性を維持できるようになっています。

また、Nylon 12 Toughパウダーの優れたリフレッシュ率により造形単価を抑えることができます。20%というリフレッシュ率を実現する本材料は、未焼結のパウダーを全て再利用できるため無駄を極力減らすことができます。

どんな用途にも対応できる高強度

機能試作の場合、どんな形状であっても強度が高まると機能検証プロセスが向上します。クライミング用品やスキー、スノーボードのビンディング、消費者製品などのプロトタイピングを行うお客様は、材料特性の変化を気にすることなく設計変更に集中できるよう、プロセス全体で同じ材料に頼らざるを得なくなります。

生産現場で使用される治具や交換部品の場合は、既存の機械にしっかりと組み込めるよう厳密な公差を保つ必要があり、その後も変形せずに複数のサイクルを耐え抜けるものなくてはなりません。そのため、メーカーにとっては強度が高く丈夫な材料は機械の安定稼働を意味する大切な要素です。

BMWやMercedesといった顧客向けに実製品用の自動車部品を3台のFuseシリーズプリンタで生産しているBroseのように、現在でもNylon 12パウダーを使用して実製品用途に対応しているお客様は多くいらっしゃいます。Nylon 12 Toughパウダーは、こういったお客様がさらに高い負荷や長期間の摩耗に耐えられる材料を使用し、実製品用部品の生産を拡大するお手伝いができます。

3Dプリントサンプルパーツ
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Fuseシリーズもオープンに

FormlabsのFuseシリーズは、市場で初めて真に手頃な価格を実現した工業品質SLS 3Dプリンタです。パワフルなFuse 1およびFuse 1+ 30Wプリンタは、小規模ビジネスオーナーが工業品質の3Dプリンタを社内に導入し、大規模メーカーが巨額の間接費やインフラストラクチャを必要とせずに3Dプリント事業を拡大することを可能にしました。Fuseシリーズは、工業品質の粉末床溶融結方式3Dプリンタとして信頼性が高くアクセスしやすい唯一の3Dプリンタですが、Formlabsでは、機器本体だけでなくお客様の使い方によってもさらに多くのことが実現できると信じています。そこで、FuseシリーズとFormlabsのエコシステムをオープン化することにしました。

FuseシリーズでOpen Material Modeが解禁

Fuseシリーズのお客様は、プリンタごとに一回限りのライセンスをご購入いただければ、Fuse 1やFuse 1+ 30Wプリンタで波長1064nmのレーザー光に対応するあらゆるパウダーをご利用いただけるようになります。

Open Material Mode(OMM)により、企業やイノベーターたちが安定した高品質ハードウェアを基盤とし、まさに型にはまらない発想が可能になります。FuseシリーズのプリンタでOMMを使用すると、実証済みのシステム内で様々な材料を使った実験を行い、限界を押し広げることができます。安定した造形品を提供し続けるプリンタのおかげで、結果から結論を導き出し、設計や材料に迅速に反映させることで、試作・検証を繰り返す変更プロセスが加速します。

専門的な研究分野やユニークなワークフローでサードパーティ製のパウダーを使用できることで、生産の新たな可能性が広がります。理想的なお客様、デザイン、材料と既に全てが揃ったワークフローをお持ちで、あとは手頃な価格で即時使用可能な生産システムが必要な場合、Fuseシリーズなら他の方法よりも低コスト(かつ短納期)で何十万点もの部品を生産することができます。

SLS専用のPreForm設定エディタ:Fuseの造形設定を無料でカスタマイズ

SLS 3Dプリントは、従来のプリンタで高額な初期費用や巨大な設置面積が必要とされていたために、SLA光造形やFDM(熱溶解積層法)3Dプリントよりも複雑なものだと認識されてきました。Fuseシリーズはその概念を覆し、電源を入れたらすぐに使える「プラグ・アンド・プレイ」を初めて実現した工業品質プリンタとして、パウダーを使った3Dプリントの世界標準となりました。Formlabsは、何年もかけて使いやすく一貫した品質を保証できる造形設定を開発してきましたが、SLS業界のイノベーターや開発者たちは、さらに多くの課題に挑戦する準備が整っています。

PreForm設定エディタは、次のレベルを目指すエキスパートユーザーに、まずは実証済みの造形設定から始め、その後、露光時間や積層ピッチ、X/Y/Z軸の寸法補正係数、ヒーター、リコーターの速度など、細かなパラメータを各々のワークフローに合ったものに最適化していただけるようにするものです。

SLSの人気は急速に拡大し、Fuseシリーズの活躍の場も日々増え続けています。汎用的なアプローチはもはや最適な選択肢ではなくなり、試作・検証を繰り返すプロトタイピングを超えた用途での活用を望むお客様にとって、造形プロセスを自ら調整できることはパワフルなツールとなり得ます。数万点もの同一部品を製造するお客様にとっては、パラメータを1つ変更するだけで納期の達成可否が変わるかもしれません。研究者にとっては、積層ピッチの変更が可能になるだけで、全く新しい形状を生み出し、開発を加速させられるかもしれません。PreForm設定エディタでは、お客様にこういった細かな制御を委ねつつ、Fuseシリーズが持つ一貫性、信頼性、使いやすさを存分に活用していただけます。

SLSの世界がもっと広く

今回発表となる2種類の新しいパウダーと、Fuseシリーズに無限の可能性をもたらす新たな機能は、SLSプリントの新時代を切り拓くものとなるでしょう。Fuseシリーズは発売以来、世界で最も信頼されているSLSプリンタとなりました。そんな工業品質のパワーとアクセスのしやすさが、コミュニティの創造力とイノベーションと結びつこうとしています。新しい材料を試し、造形設定を微調整し、利用可能なものを最大限に活かして新しい何かを生み出す…… こうすることで、様々な産業がさらに前進していくと信じています。Formlabsは、SLSにどんな未来が待っているのかを楽しみにするとともに、その未来にお客様と一緒に辿り着きたいと考えています。

Fuseシリーズについての詳細は、FormlabsのWebサイトをご覧ください。Nylon 12 WhiteパウダーやNylon 12 Toughパウダーの品質を直接ご覧になりたい場合は、無料サンプルパーツをお申込みください。