写真測量:ステップバイステップガイド&ソフトウェア比較

1964年に発売されたビンテージコミックには、「処理マシン」が写真だけを入力情報としてスーパーマンの友人たちの胸像を3Dで作り出す場面があります。これは現在、写真測量(フォトグラメトリー)と呼ばれる一連のアルゴリズムによって、現実のものとして存在しています。

重なり合う写真のセットから点群データを導き出し、複雑なワークフローや専用のトレーニング不要で全面にテクスチャが付いた3Dオブジェクトに処理します。この技術により、数枚のスナップ写真と数回のクリックだけで、3Dプリント可能なモデルが手に入ります。これだけ聞くと簡単そうですが、写真測量のワークフローにはある程度のセンスと技術が必要です。

このガイドでは、写真測量ワークフローの基本ステップを解説するとともに、写真測量ソフトウェアや機材の観点から検討の余地がある代替案をいくつかご紹介します。

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リバースエンジニアリングやその他用途向けの3Dスキャンと3Dプリント

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写真測量とは

写真測量とは、写真から正確な測定値を導き出す方式です。オブジェクト、建物、人、または環境の重なり合う一連の写真を撮り、多数のコンピュータアルゴリズムを使用してそれらを3Dモデルに変換します。

写真測量の用途

写真測量は多くの分野で使用されています。

  • 建築家:敷地計画・施工モニタリング・可視化レンダリングなどに写真測量を利用します。

  • アーティスト:既存の美術作品・彫刻・自然物の一部を記録したり別の形に変換したりして新しい表現を生み出します。

  • 考古学者:世界の陸地や海中にある未発見地域を仮想的にマッピングし、調査をします。

  • デザイナー/エンジニア:既存オブジェクトのリバースエンジニアリングや、新しいカスタムフィット部品の製作などに使用します。

  • 製造工程における品質管理:写真測量がサポートとして大きな役割を担っています。

  • ゲーム開発者:写真測量と半自動3Dモデリングのワークフローを組み合わせることで、小道具や環境の制作時間を短縮できます。

  • 古生物学者:化石や骨層のデータを取得し、発掘・ジャケッティング(掘り出した化石等が壊れないよう周りを石膏で固める作業)・保存の最適な方法を決定したり、発見の記録・共有をサポートします。発掘現場の詳細な3Dマップがあることで、化石の場所をより簡単に見つけ出すことができます。

  • 地図製作者・地質学者・測量技師・地形図作成者:写真測量によって地図作成プロセスが大幅に高速化します。

  • 法医学研究者:犯罪現場を3Dで記録することで銃弾の弾道・自動車事故・目撃者の視線などへの洞察を深めたり、仮想の訓練環境を作ることができます。

  • セラピストなどの医療専門家:義肢/装具・靴・補聴器などのカスタムフィット製品を作るために、患者の身体の一部をスキャンすることがあります。

  • 文化遺産:遺物や記念碑を半永久的に保存し、仮想的に再構築・修復できます。

  • 博物館の学芸員:仮想コレクションを展開し、見学者の関心を惹きつけます。

  • 気象学者:写真測量で竜巻の速度を算出します。

  • 写真家:表現の幅が広がります。

  • 企業:大切な品物・ペット・家族の3Dプリントモデルを作成するサービスを提供できます。

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写真測量の仕組み

ステップ1:撮影

被写体を選び、重なり合うように連続写真を撮影します。高い精度が要求されない用途であれば、8メガピクセルのスマートフォンのカメラでも問題ありませんが、最良の結果を得るには18メガピクセル以上のDSLR(デジタル一眼レフ)タイプのカメラの使用を推奨します。レンズ歪みが最も少ない広角レンズが最適です。魚眼レンズなど、歪みをインテリジェントに補正できるソフトウェアを使わない限りこの用途には適しません。

被写体の周囲を円を描くように回りながら、順番に撮影するのが最善の方法です。まず低い角度で一周し、次に高い角度でもう一周して、最上面も捉えます。各画像の重なりは少なくとも50%を目安とし、理想は60~80%です。重要なディテールがある箇所の写真を何枚か追加で撮影しておきましょう。

今回はドローンを写真測量に使う代わりに、リバースエンジニアリングをすることに。仰角約10度(青)と45度(オレンジ)の2箇所から撮影し、クローズアップ(グレー)も含める。

以下の考慮点もガイドラインとしてご参照ください。               

  • 被写体の表面がマットであることを確認してください。透明な被写体はうまく変換されません。反射面は、3Dスキャン用スプレーやドライシャンプースプレーを使ってマットな質感にすることで変換しやすくなります。

  • ソフトウェアによっては、フィーチャーの少ない表面をうまく処理できないものもあります。靴墨・スプレー式チョーク・マスキングテープ・石材調のスプレー塗料はいずれも、表面のスキャンのしやすさを向上させます。

  • 写真の背景には、対象物の色と十分なコントラストがあることが必要です。クロマキー背景が効果的ですが、対象物に含まれる色と同じ色がない限り、新聞紙でも構いません。

  • 撮影中は照明も常に一貫している必要があるため、曇りの日が最適です。

  • 通常、一つの被写体につき40〜50枚の写真があれば十分です。同じ位置から撮影しない限り、写真が多いほどよい結果になります。

  • 被写体は画像空間の十分な面積を占めている必要があります。

  • 撮影中は被写体を絶対に動かさないでください。

  • 被写界深度(DOF)はできるだけ浅くし、各写真でカメラのピントを被写体に正確に合わせます。

  • 三脚を使うとブレを抑えられ、露出時間を長くする必要がある低照度環境では特に有効です。

  • 写真測量ソフトウェアのアルゴリズムは急速に高速化しているものの、データセットの規模によっては正確な結果の生成に数時間、場合によっては数日かかることもあります。ソフトウェアの推奨使用環境は、RAM16GBとNvidiaのCUDA対応GPUを搭載したコンピューターです。

ステップ2:アップロード

使用する写真測量ソフトウェアを開き、写真をプロジェクトライブラリに直接インポートします。通常はドラッグ&ドロップでインポートが可能です。プログラムによっては、カメラとの互換性を確認することが重要です。内部データベースと照合し、焦点距離・主点・イメージセンサー形式などの要素に基づいて結果を最適化するものもあります。これにより、バンドル調整と呼ばれる一連の歪みパラメータが生成されます。

ソフトウェアパイプラインの最初の段階で、写真が写真測量プロセスに適しているかどうかがチェックされます。これにより、ライブラリ内の写真の横または上に、緑や赤のアイコンが表示されることがあります。写真セットの多くが却下されてしまい、かつ撮り直しが難しい場合には、Photoshopを使った編集で解決できる可能性があります。これは白色の壁を背景にした写真でよく起こります。各画像にgarbage matteと呼ばれるマスクを作成すると、前景と背景をより明確に分離できます。ソフトウェアは一貫した特徴の検出が得意なため、各写真のシャープさが揃うように調整すると、結果が向上することもあります。

ステップ3:写真測量ソフトウェアで画像から3Dモデルを作成

写真測量の計算の大部分は写真測量ソフトウェアによってバックグラウンドで自動的に処理されますが、高度な機能を使うことで結果をさらに改善できます。

画像マッチング

ほとんどの写真測量ソフトウェアは、写真セットから自動的に3Dメッシュを生成します。ただしソフトウェアによっては、対応検索(Correspondence Search)とも呼ばれることのある画像マッチング(Image Matching)を、ユーザーの確認が必要な独立したステップとして扱います。これにより、計算負荷の高い処理に進む前に、写真セットを調整できます。このステップでは、コンピューターが後続処理に有用な写真を選別し、複数の画像が重なる領域を見つけます。そして、3Dパズルを組み立てるように、画像をどのようにつなぎ合わせるかを記録します。

特徴抽出

この作業も、ソフトウェアによっては写真測量のワークフローとして完全に自動化されています。ほかのソフトウェアでは、続行前に微調整や反復を行えるよう、このステップを分離することも可能です。このステップでは、ソフトウェアが複数の画像で一意に認識できる特徴を探し出します。プロ向けのツールキットではコード化されたマーカーを使用することがありますが、これは非常に高精度で、反射面や透明面など特徴の乏しい表面でも機能します。しかし、ほとんどのツールはより一般的なSfM(Structure from Motion)手法を利用し、文字・木目・顔の特徴・その他の模様など、被写体上の高密度なテクスチャを主に探します。ほかに重要な特徴として、エッジ点、線、角があります。ソリューションによっては、Shape-from-Shading(SfS)と呼ばれる高度な手法により、照明や陰影の手掛かりを使ってデータをさらに補強します。

すべての特徴が検出されたら、ジオメトリック検証(Geometric Verification)と呼ばれる工程で内部検証が行われ、誤検出がふるい落とされます。検出された特徴が同一のシーン点に対応するよう、SfMエンジンは画像間の特徴点を対応付ける変換を作成します。これは射影幾何学に基づく、非常に複雑なアルゴリズムセットです。

COLMAPのような写真測量ソフトウェアの中には、特徴生成プロセスを確認できるものもあります。Meshroomでは、重要な領域で特徴点がほとんど検出されなかった場合に、ユーザーが処理を途中で停止することができます。このような場合、キーポイント感度やマッチング比率を上げる、プリセットを変更する、マッチングアルゴリズムをA-KAZEに切り替える(場合によってはブルートフォース方式を使う)などで、品質を向上させられます。

三角測量

1480年、レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画から画家の位置を導き出す方法を考案しましたが、SfMパイプラインの中核部分でも同様のことが起こっています。サーフェス点の3D座標は、前段階の出力であるシーングラフに基づいて推定されます。カメラから被写体に向かう視線が再構成され、ray cloud(薄明光線)と呼ばれるものが生成されます。無数の光線の交点が、被写体の最終的な3D座標を決定します。

スパース点群でグローバルなジオメトリが確立されると、写真測量ソフトウェアはシーンの照明とテクスチャを解析して深度マップを作成します。木彫り職人のように、3Dモデルに細部を彫り込み、モデルに命を吹き込みます。高度なプログラムでは、delighting(ディライティング)と呼ばれる処理で明部と暗部を均等にならし、モデル表面全体の照明をより均質にします。さらに、アンビエントオクルージョンの影響を逆算して打ち消すことも可能です。画面上での視覚化を目的とする用途ではリアルな照明を模したモデルが好まれますが、フルカラー3Dプリントにはディライティングをしたモデルの方が適しています。

その後、深度マップを含むいわゆる高密度な再構成、および以前の段階で検出されたすべての視覚的特徴をマッピングした低密度な再構成の両方を、FBX、.OBJ、PLY、またはSTLなどの3Dメッシュ形式に結合します。

三角測量は自動的に行われます。ユーザーは、トラック長・隣接カメラ数・最大ポイント数などの設定値を上げることで、品質を向上させることができます。写真測量プログラムによっては、ユーザーが3Dメッシュオブジェクトに存在する三角ポリゴンの数を決定することもできます。ただし、これらの設定を変更すると処理時間が急激に増加する可能性があるため、慎重に行う必要があります。

プロの写真測量ソフトウェアツールの中には、葉・建物・車両などの検出されたオブジェクトを分類するために、追加で機械学習技術を使用するものもあります。これにより、鳥や歩行者など動く背景物体を除外し、前景シルエット・反射率・放射照度などの追加情報に基づいてより高精度な形状データを構築します。鉄骨フレームや送電線のような細い形状は、いわゆるカテナリー曲線フィッティングアルゴリズムを用いて自動的に3D再現できます。

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ステップ4:後処理

写真測量の計算処理は複雑なプロセスですが、ユーザー側の作業としては、画像を取り込んで数回ボタンを押すだけで済む場合が多く、実際には最も簡単な工程です。本当の作業は、3Dモデルの生成後から始まります。写真測量だけでは、3Dプリント可能な水密メッシュモデルを作ることはできません。通常は、浮遊するアーチファクト、背景ノイズ、穴、形状の不整合などをクリーンアップする必要があります。また、写真測量ソフトウェアはモデルの向きやスケールを任意に設定するため、再配置(向きの調整)と再スケーリングも必要になります。

ポストエディット(後編集)ツールを内蔵しているソフトウェアもありますが、そうでない場合はMeshlabで必要なファイル変換を行い、MeshMixerでメッシュのクリーンアップ・修復・リメッシュ(再メッシュ)・再スカルプトを行うと確実なワークフローになります。これらのプログラムはいずれも商用利用が可能な無料ソフトウェアです。

この工程を完了し、ファイルをSTL形式で保存したら、3DプリントまたはCAD環境へのインポートの準備が整います。

メッシュ修復の詳細については、MeshMixerの詳細チュートリアルをご覧ください。

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写真測量ソフトウェアの比較

近年、使いやすく費用対効果に優れ、原物に近いモデルを生成できる写真測量ソフトウェアが登場しました。開発者は、メッシュ生成プロセスの最適化やエラー修正に必要な機能を追加するため、迅速に改良を重ねています。

写真撮影がうまく完了すれば、基本的な写真測量プロジェクトのニーズはいくつかの無料ツールで十分に満たせます。さらに、より高度な機能と比較的安定した品質を提供する買い切りライセンス(永久ライセンス)型のコンシューマー向けツールもあります。プロ向けのツールは価格が大幅に高くなりますが、その代わりAIによる特徴認識やモデル再構築・レーザースキャンとの互換性・動画ベースの写真測量・無制限のデータセットサイズ・マーカーベースのキャプチャ、さらにドローンによる空中写真測量を可能にする機能など、高度機能と高い完成度が魅力です。

写真測量ソフトウェアにはそれぞれ長所と短所があり、用途や事業内容によっても適正は異なります。以下の比較表と後続の詳細解説では、主要な特性と考慮点をいくつか取り上げます。

品質速度機能使いやすさ価格
3DF Zephyr★★★★☆★★★☆☆★★★★★★★★★☆★★★★★
Agisoft Metashape★★★★☆★★☆☆☆★★★★☆★★★☆☆★★★★☆
Autodesk ReCap★★★★★★★★☆☆★★★☆☆★★★★★★☆☆☆☆
COLMAP★★★★☆★★★★☆★★☆☆☆★☆☆☆☆★★★★★
iWitness★★★★★★★☆☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆
Meshroom★★★★☆★★☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★★★★★
Qlone★★☆☆☆★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★☆☆
RealityCapture★★★★★★★★★★★★★★☆★★★★★★★☆☆☆
Regard3D★★★☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★★★★★
VisualSFM★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★★★★★

Autodesk ReCap

AutodeskのReCapはこのクラスで最も洗練されたソフトウェアで、起源は2000年代初頭に同社が買収したRealViz Image Modelerというアプリケーションに遡ります。それを無料のProject Photoflyへと発展させ、後にクラウドベースの123D Catchになりました。数年後、AutodeskはAutodesk Remakeとしてソフトウェアの収益化に踏み切り、その後ReCapの最新リリースでリブランディングと再収益化が行われました。

Autodeskの写真測量アルゴリズムは業界でもほとんど比類がなく、直接3Dプリント可能なスキャンを提供するという点においてトップクラスであることが証明されています。自動クリーンアップ機能は非常に優れており、AR/VRプラットフォーム向けにモデルを迅速に整えるための複数のメッシュ編集ツールも用意されています。ゲーム開発者向けには、バンプマップやディスプレイスメントマップを直接出力できる便利なオプションがあります。操作画面については、待機中に進捗バーが表示されないなどの小さな欠点は残るものの、は使いやすいアプリに仕上がっています。最先端の結果を提供する一方、価格帯やクラウド処理に限定される点を踏まえると、Autodesk ReCapはこれから写真測量を始める人にとって必ずしも第一候補ではありません。

RealityCapture

RealityCaptureは高精度なスキャン結果を提供する優れたソリューションです。他のソフトウェアとの最大の違いは、その驚異的な処理速度です。他のソリューションが失敗したり長い待ち時間を伴ったりする場面でも、RealityCaptureは巨大なデータセットでも一貫して非常に高速に結果を出します。また、他のソフトウェアに比べてRAM使用量が比較的少ない点も特徴です。永久ライセンスの価格は他のプロ向けソリューションと同程度ですが、レーザースキャンを含むバージョンははるかに高額になります。代替案としてPPI(pay per input)プランがあります。これは、生成結果をユーザーが保存するまでは全ての機能を無料で利用できるプランです。

操作画面はプロ向けの編集環境のような構成で、写真測量パイプラインの段階ごとにグループ化された多数のオプションが提供されています。操作画面はタブとパネルをベースにフルカスタマイズが可能なため一般ユーザーにも親しみやすく、WindowsやAutodeskのソフトウェアプラットフォームに着想を得ているように見えます。便利な機能や選択ツールも用意されており、アップデートのたびに追加されています。初心者にはワンクリックで進められる手順が用意されている一方、上級ユーザー向けには豊富なオプションがあります。最適化機能とSketchfabへの直接エクスポートは便利な機能です。欠点として、メッシュ修復自体はうまくいくのですが、プログラムが自動で全ての穴を埋める以外に、ユーザーが細かく穴埋め方法を制御することができません。細かな制御をしたい場合には、NetfabbやMeshMixerなどの外部ツールに頼る必要があります。平面を含む機械部品の場合、RealityCaptureではややノイズの多い結果になりがちで、それを補うためにスムージングツールが用意されています。これらのアルゴリズムは、平面特徴の少ない有機形状のスキャンに最も適しています。

Agisoft Metashape

Agisoftはロシア企業で、古いWindows風の操作画面のため見た目は見劣りしますが、結果は非常に信頼性が高く、Autodesk ReCapで生成できるものと大差がありません。平面を持つ機械部品のスキャンでは、MetashapeはRealityCaptureよりノイズの少ないメッシュを生成できる傾向にありますが、処理時間が3倍であるにも関わらず、ディテールが落ちる場合もあります。また、方向性の強いリムライトの影響を最も受けやすく、大きな穴が開いてしまうことがあります。そのため、「曇りの条件でのみ撮影する」といったアドバイスが最も重要視されます。

Metashapeのスタンダード版は200ドル未満で、最大1,024枚の写真セットに対応しています。建物内部全体や広域の地理環境をキャプチャするような極めて大規模なプロジェクトを除けば、十分に対応可能です。価格面ではプロフェッショナル版も他のソリューションと同程度の範囲に収まり、詳細な深度マッピング、マーカーベースのスキャン、手動での写真配置調整、機械学習支援型ジオメトリ生成、クラウド処理などが提供されています。とはいえ、スタンダード版の機能は驚くほど充実しています。高度な機能ではないものの、穴埋めやメッシュ修復のオプションが複数あり、動画データのインポート、バッチ処理、パノラマ、フライスルー動画の作成も可能です。RealityCaptureのように、使用環境がNVIDIAのCUDA対応GPUに限定されることもありません。テクスチャのUV展開が非常に論理的に行われるため、多くの写真測量ソリューションとは異なり、テクスチャをPhotoshopで編集可能な形で扱えます。2.5Dモードがあり、通常の写真測量手順と比べて表面テクスチャのスキャンを大幅に高速化できます。

さらに、Metashapeは外部でメッシュ編集を行い、その後モデルを写真測量環境へ再インポートできる数少ないソフトウェアの一つです。ReCapのようなリトポロジーやスカルプトツールはありませんが、MeshMixerで高度なメッシュクリーンアップ、修復、リメッシュ、再スカルプトを行うことは十分に可能です。より高度なスカルプトには、無料のSculptrisまたはプロ向けのZBrushがよいでしょう。

AliceVision Meshroom

Meshroomは、AliceVisionという高度なコンピュータビジョンフレームワークを基盤とする、写真からソリッド生成を行う無料のオープンソースソリューションです。ノードベースのインターフェースはやや分かりにくく、習得に時間がかかります。サブメニューで変更すべきパラメータや特定ノードのリルート方法を理解すれば、徐々に品質を高めたメッシュを比較的容易に生成できます。直線的なパイプラインではなく、複数のSfMモジュールを並列実行し、後で統合してより堅牢なメッシュを作成できるため、最終メッシュ品質をより細かく制御できることが利点です。プロユーザーは内部処理まで含めた詳細を把握できますが、初心者は写真アップロード後にスタートボタンを押すだけで、あとはコンピューターに任せられます。処理が遅くなるのも、最高品質での設定時のみです。

総合すると、Meshroomは写真測量向けフリー&オープンソース(FOSS)ソリューションの中でも有力で、一般的に良質なメッシュを生成できます。ただし、メッシュ編集ツールは装備されていないため、この点はサードパーティ製ツールに頼る必要があります。また、カメラ位置をかなりの割合で却下する傾向があり、適切な撮影ガイドラインを厳守することが最重要になります。スキャン結果向上のために、その場で写真を追加撮影して取り込むことができるのも利点です。Meshingモジュールを起動するたびに、出力フォルダにOBJ形式の3Dモデルが自動生成されることで、より迅速な反復サイクルが可能になります。

3DF Zephyr

3DflowのZephyrは、プロ向けツールセットと優れた操作画面を備えた有名な編集ソフトウェアです。写真測量を始めるユーザー向けに、習熟度とプロジェクト種別(近距離、都市、人体、空撮)に応じてワークフローを案内してくれるウィザードが用意されています。無料版は最大50枚まで写真を追加可能で、単一オブジェクトの写真測量としては許容範囲の枚数です。この枚数は、安価なライト版では上限が500枚に増え、フル版では無制限になります。

ただし、Zephyrは高速なソリューションではありません。デフォルト設定のスキャンは約2時間かかり、高品質スキャンでは一晩かかることが想定されます。最高品質を目指す場合、「Settings(設定)」に「Ultra(ウルトラ)」オプションがありますが、コンピューターが固まる可能性があるため一般ユーザーには非表示になっています。Zephyrには、テクスチャのシャープ化、穴埋め(hole capping)、リトポロジー、スムージング、Sketchfabアップロード、動画インポート、さらに難易度の高いプロジェクトで前景と背景の分離を助ける手動マスキングツール「Masquerade」など、便利な機能が多数搭載されています。プロ版では、コード化ターゲット、バッチ処理、レーザースキャンのアライメントに対応し、通常のOBJやPLYに加えてSTLとCollada形式も出力できます。3DF ZephyrはDirectX対応のWindowsPCで動作します。

Colmap

Colmapは、もともと研究目的で開発された無料の写真測量ソリューションです。GUIとコマンドライン操作を組み合わせた構成で、主にプロユーザー向けです。初心者には技術的要素が難しく見えるかもしれませんが、Automatic Reconstruction(自動再構築)モードが補助します。Colmapは近距離から大規模まで幅広いプロジェクトに適していますが、メッシュ修復には外部ソフトウェアが必要になります。Windows専用で、NVIDIAのグラフィックカードが必要です。利点として、Colmapには高品質なメッシュを生成するための高度なオプションが多数用意されています。

Regard3D

Regard3Dは無料の小規模プログラムで、Windowsスタイルのユーザーインターフェース画面を順に進めながら、写真測量パイプライン全体をガイドしてくれます。各ステップには複数の設定項目があり、詳細はRegard3DのWebサイトで解説されています。Structure from Motion(SfM)、マルチビュー環境、サーフェス再構成など、複数の異なる手順が含まれており、色々と試して最適なスキャン結果を得られるかどうかはユーザー次第です。ただし、Regard3Dはデータベースに登録されたカメラでのみ動作するため、一部の古いスマートフォンで撮影した写真には対応していません。クラッシュは滅多に起こりませんが、大規模データセットや過度に高度な設定では発生することがあります。本ソフトウェアは、PLY形式の点群、またはOBJ形式の三角形メッシュをエクスポートします。

VisualSFM

VisualSFMは、非営利目的で無料利用できる写真測量ソリューションで、Googleのエンジニアによって開発されました。特徴点のマッチング結果を点群へ高密度化するアルゴリズムは、Regard3Dで採用されているものと似ています。操作はコマンドラインインターフェースまたはアイコンボタンで行うため、ある程度の予備知識が必要です。VisualSFMが優れている点は、拡大・縮小可能なユーザーインターフェースにより、大規模な写真セットを非常に容易に操作できることです。点群の再構成をライブで確認することも可能で、各カメラは個別に選択できるうえ、元の写真と視覚的にリンクされており、生成結果を待つ間も少し苦痛が減ります。上級ユーザー向けには膨大な調整オプションがありますが、初心者は4つのボタンを押すだけでも十分です。VisualSFMの出力はPLY形式の点群であり、Meshlabなどの外部ツールでメッシュへ変換する追加作業が必要です。

iWitness

iWitnessは、オーストラリア企業のPhotometrixが開発したプロ向け写真測量スイートです。GPSデータなどから得られるGCP(Ground Control Points)を組み込めるため、建築・測量・事故再現・科学捜査といった大規模な用途に特に適しています。アルゴリズムは非常に精密で、写真セットに対して1ピクセル精度でマッピングされた3次元点群を生成できます。iWitnessは近距離写真測量やリバースエンジニアリングにも有用です。適切な準備を行えば、硬貨のように小さな対象でも細部までスキャンできます。Windowsスタイルのユーザーインターフェースで5つのツールバーボタンを押すだけでフル3Dスキャンが可能なため、学習の負担は比較的低めです。

iWitnessのスタンダード版は約1,000ドルで、主要機能が一通り含まれています。主な欠点は、処理できる画像が最大40枚に制限されることです。プロ版では画像枚数が無制限になりますが、クラシック版の2倍以上の価格になります。プロ版では再帰反射型のコード化ターゲット対応やクラウドコンピューティングも提供されます。さらに、3D曲線とポリラインのネットワークを自動生成し、DXF形式でCAD環境へ直接エクスポートできる機能も備えています。この機能により、紙の2次元図面をスキャンしてDXFに変換し、CNCルーティングやレーザー切断に利用することもできます。

Photomodeler

Photomodelerは、無数のツールを備えたハイエンドのソフトウェアパッケージです。CAD連携に非常に適しており、Rhinoceros用プラグインも含まれています。例えば、CNC向けのパターンデジタル化や、ファッション、ボートの帆、椅子張りなどのソフトグッズ(布製品)製造向けツールが用意されています。いくつかの手動モデリングツールは、円錐、円柱、矩形フィーチャ、ロフトサーフェスなどの形状に合致するメッシュサーフェスを直接生成できます。自動点群生成プロセスはMVSアルゴリズムに基づいており、高精度テクスチャ付きの結果が得られ、さまざまなファイル形式へエクスポートが可能です。

プロジェクト設定はウィザードで行い、各段階に適したオプションが表示されます。Photomodelerのスタンダード版は、1,000ドル弱の価格です。プレミアム版は価格が約3倍になり、より高度な機能、より優れた高密度サーフェスモデリング、UAV/ドローン対応が追加されます。

ただし、Photomodelerは対象物の再構成に全く異なる手法を用いるため、厳密には写真測量エディターではありません。写真→ソリッド生成という自動ワークフローではなく、対象物に対して直交する角度から3~4枚程度の少数画像を撮影し、コードベースのマーカーと手動入力を用いて対象物を再構成する方式に基づくため、リバースエンジニアリングではなく、特定のプロ用途にのみ適しています。

Qlone

最後に、モバイル写真測量アプリ Qloneもご紹介します。モバイル写真測量プラットフォームがまだ発展途上であることを踏まえると、Qloneは十分な品質を提供してくれるアプリです。結果は数分で生成され、Sketchfabで表示するためにエクスポートしたり、ARアプリケーションへ組み込んだり、3Dプリント可能なモデルへ変換してオンライン3Dプリントサービスプロバイダーへ直接送信したりできます。低解像度モデルを生成する無料版もあります。プレミアム版およびアプリ内課金では、高解像度スキャン、OBJ/STL/X3D/PLYへの無制限エクスポート、AR表示が追加されます。

スマートフォンを実用的な写真測量ユニットとして使うには、スマートフォン自体に優れたカメラ・十分なGPU処理能力・十分な内部ストレージが必要になります。最善の結果を得るには、モデルをQlone専用のスキャンマット上で撮影します。メッシュ結果を整えるツールとして、Qloneはリメッシュ、スカルプト、スムージングなどの各種機能を提供しています。追加機能として、対象物のアニメーションをソーシャルメディアで共有するためのGIF自動作成機能もあります。iOS版のアプリには、Android版よりも多くの機能が搭載されています。

ケーススタディ:リバースエンジニアリングのための写真測量

本セクションでは、製品デザインおよび開発における、リバースエンジニアリング向け近距離写真測量に焦点を当てます。

リバースエンジニアリングは、物理的な部品からデジタルデザインを作成できる強力な手法です。3Dモデリングや3Dプリントなどの技術とともにプロトタイピング工程に組み込むことで、プロトタイピング工程を大幅に効率化できます。ボートデッキ、航空機、自動車、キッチンキャビネット、プール、階段、配管、産業機械など、部品や設備を後付けする用途での利用が増えています。ここでの写真測量の大きな利点は、非接触かつ迅速なワークフローであることに加え、必要な専門性と機材コストを低く抑えられる点です。対象物をスキャンしたい理由は様々なため、ここでは一般的なコンピュータマウスを例に手順を紹介していきます。マウスは表面が有機的で特徴が少ないため、スキャンして高精度モデルを生成するには難易度の高い物体です。

準備

Motorola G9 Playスマートフォンで完全な曇天の昼間に撮影を行い、ピントが甘い画像を除外した結果、最終的な写真セットは41枚になりました。特徴のないマット面は使えないため、被写体にマーブル効果を付与するスプレー塗料を施しました。被写体に斑点状の特徴が加わり、他の方法以上に写真測量に適した状態になります。下敷きには、コントラストのある色使いとはっきりした模様のイラストレーションが描かれたマット紙が最適でした。

リバースエンジニアリング適性、自動化ワークフロー、高品質な結果、手頃な価格、メッシュの直接エクスポート対応を基準に、有望な写真測量ソフトウェアとして3DF Zephyr、RealityCapture、COLMAP、Meshroom、Regard3Dを選定しました。さらに、モバイルに特化したソリューションとしてQloneアプリも試しました。

写真測量の対象はDell M-UVDEL1 有線マウス。マーブルスプレーで下処理し、南極大陸のイラストが描かれた下敷きの上に配置した。

結果

すべてのソフトウェアスイートで、高品質な結果が得られると一般に評価されているプリセットまたはセットアップを選択しました。MeshroomやColmapのUltra(ウルトラ)セットアップもいくつか試しましたが、処理時間が最大400%増加した一方で、結果の改善はわずかでした。

左:Colmapによる特徴マッチング。右:Meshroomによる特徴抽出。

Meshroomは他のソフトウェアよりもはるかに多くの特徴マッチングが行われ、高精度な結果が生成されました。パラメータ設定に慣れれば、目的に合わせた品質の調整は簡単に行えます。欠点は、High(高)プリセットで処理時間が76分と他のソフトウェアより長いことですが、実用上は十分に許容できる範囲です。Ultra(ウルトラ)設定は一晩かける前提で計画するのが望ましいものの、出力結果は多少向上します。結果がやや不安定になる(グリッチが出る)こともあり、適切な設定やアルゴリズムを試す必要があります。High(高)プリセットでは、全体寸法に関しては形状が完全かつ正確に再現されました。低照度エリアも十分に再構成されています。得られたメッシュは、ディテール面は比較的粗く、表面テクスチャについてはかなり粒状になりました。コードは完全に欠落し、マウスホイールはやや崩れた形になりました。テストした全プログラムのうち、Meshroomの全体的な形状の再現性は2位でした。全体的な形状の再現性は、複雑または有機的な表面を持つ部品をリバースエンジニアリングする際に重要な要素です。

実用的な結果を迅速に得るという点ではColmapが最良で、わずか14分で高品質メッシュが生成されました。ディテールやエッジは明瞭でしたが、低照度エリアでの性能には課題が残りました。生成メッシュにはところどころ誤った突起が見られましたが、修正できない程度ではありません。

Regard3Dの処理時間は23分で、ディテールがより簡略化された形でマウスがレンダリングされました。メッシュには複数のくぼみが生じ、周囲には多数の浮遊アーチファクトが混入していました。品質設定を上げるとこの現象は目立ちにくくなりましたが、マウス本体の出来は概ね変わりませんでした。マウス本体以外では、コードがほぼ完全に再現されました。また高品質設定では処理時間が約3倍になる一方、周辺部の品質は大幅に向上しました。Regard3Dは、個々の物体よりも空間のスキャンに適しているように見受けられます。

3DF Zephyrは、総合的に見てバランスの良い結果でした。20分の処理で全体形状が完全に現れ、表面のくぼみも軽微なものに収まりました。ディテールの大半は再現されるもののやや粗い結果となりましたが、ベース面とコードは非常によくレンダリングされました。通常は非表示になっているUltra(ウルトラ)設定を試したところ、処理時間は4倍になりましたが、High Quality(高品質)モードで生成したメッシュと比べて目に見える改善はありませんでした。生成されたメッシュは500MB超で、他プログラムの5倍以上のサイズでした。ただし表面は比較的滑らかなため、デシメーション(ポリゴン削減)でファイルサイズを小さくする際も容易に済むでしょう。低照度エリアが非常にシャープに再現されるため、深い空洞や隙間のある対象をフォトスキャンする場合に特に有効です。

選定した写真測量ソリューション(Colmap、Meshroom、Qlone、Regard3D、3DF Zephyr、RealityCapture)で生成されたメッシュ。

当然ながら、Qloneアプリのスコアは比較的低い結果でした。スキャン自体は約5分ですが、その後の処理に約20分かかりスマートフォンのバッテリーが4分の1程度消費されます。テクスチャなしの結果から判断すると、形状の輪郭だけが正確に再現されています。最上部は滑らかな曲面ではなく、ピラミッドのような形になりました。マウスホイールは完全に消失しましたが、コード部分は残っていました。このアプリは、ゲームアセットへ変換する必要がある小型フィギュアに最適です。Qloneは、正方形グリッドが印刷されたスキャンマットの使用を前提としています。ボクセルのように、グリッドの各マスが適切な高さへ押し出され、最終的にはキャノピーのように滑らかな表面がボクセルグリッドが「描かれ」ます。スキャン中に表面生成プロセスを確認できる点は良いものの、リバースエンジニアリングには適していません。

写真測量でスキャンしたコンピュータマウスをMeshMixerで整え、CADインポート可能な状態にしたもの。

最高の結果が得られたのはやはりRealityCaptureでした。これは、写真測量ソリューションの品質差を示す決定的な証拠であり、低予算でも高品質な写真測量スキャンが可能であることを裏付けています。全体形状はMeshroomやZephyrと同等に良好で、さらにディテールはほぼ完全に近い状態で再現されました。エッジはColmapよりシャープに再現され、分割線や低照度エリアまで鮮明に出力されました。出力されたメッシュには浮遊アーチファクトがなく、後処理が非常に容易です。このようなメッシュは、切断と研磨を少し行うだけでサーフェス再構築やリバースエンジニアリングのためにCAD環境へ直接インポート可能な状態になります。無料のオープンソースソフトウェアと比べた時の難点は、RealityCaptureではモデルをエクスポートする際に少額の支払いが必要になる点ですが、それで可能になる品質を考えると確実に投資の価値があります。

形状の忠実性ディテールノイズ浮遊アーチファクト低照度エリア総合パフォーマンス
3DF Zephyr★★★★★★★★☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★★★★★★★★☆
Meshroom★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★★★★☆★★★☆☆
Regard3D★★★☆☆★★★☆☆★☆☆☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆
COLMAP★★★★☆★★★★☆★★★☆☆★★★★☆★★★☆☆★★★☆☆
RealityCapture★★★★★★★★★★★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★★
QLone★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★★★★★★☆★★★☆☆★☆☆☆☆

3Dプリンタが製品開発を支える

写真測量は、デジタルカメラまたはスマートフォンとソフトウェアだけで実行できる3Dスキャンの有力な代替手段です。詳細なデジタル3Dモデルを作成し、3Dプリンタで再現したい人にとっては、参入障壁が大幅に下がります。

実用的な写真セットを作るには多少の経験が必要で、さらにプロジェクトごとに数回の試行が必要になる場合が多いでしょう。スキャナでの読み取りを容易にするため、デジタル化する対象物(被写体)にマット加工やテクスチャ加工なども必要になるしょう。本ガイドでは、現在市場にある多数の写真測量ソリューションも評価しました。品質、使いやすさ、処理速度、価格の手頃さ、スマート機能の面で、ソリューションごとに大きな違いが見受けられます。本記事では空撮用途を除外しましたが、iWitnessやQloneのように特定のユーザー層・用途を明確に狙ったプログラムがある一方、3DF Zephyr、Autodesk Recap、RealityCaptureのように幅広い用途で使える汎用ツールセットを提供するものもあります。

FormlabsのSLA光造形プリンタのような高解像度3Dプリンタでデジタルモデルを3Dプリントする場合、プリンタが微細なディテールまで正確に再現するため、スキャンデータに含まれるディテールの密度が決定的な要素になります。処理速度と使いやすさは、工程への導入しやすさを左右する二次的要素です。さらに主要な用途を可能にする機能として、さらなるカスタマイゼーションを可能にするCADデータ変換、レーザースキャナーデータとのアライメント、2D/2.5Dパターンデジタル化モード、物体検出、平面および円筒面の再現機能などがあります。メッシュ最適化機能を写真測量パイプラインに直接組み込む重要度は比較的低く、多数ある無料ツールで容易に対応できます。

写真測量は、リバースエンジニアリング向けの低予算ツールとして有用です。メッシュには、0.1~0.5mm程度の誤差や不要なアーチファクトはどうしても発生してしまいますが、幾何学的複雑さが低~中程度の対象物であれば、少しの後処理と試行錯誤によって多くのリバースエンジニアリングプロジェクトで実用可能です。より高い精度を得るには、レーザー3Dスキャン、または写真測量とのハイブリッドアプローチが最適な選択肢です。

お客様ビジネスに最適な3Dプリント製品については、1対1の相談セッションをご予約ください。各材料の比較やROI評価のほか、お持ちのデザインでテストプリントなども承っています。