Formlabsは今回、ポリウレタンレジンファミリーに2種類の新材料を追加しました。PU Rigid 650レジンとPU Rigid 1000レジンという、当社最高の硬度と耐久性を備えたレジンで、ポリウレタンパーツに適したSLA方式3Dプリント用の材料です。
これにより、Formlabsの光造形（SLA）方式3Dプリンタ用を使って初めて、過酷な環境でも耐久性と硬度を長期間にわたって維持できるポリウレタンパーツを内製できるようになりました。当社の高性能ポリウレタンレジンファミリーを使えば、製品デザイナーやエンジニアの方々が従来のポリウレタン製造による制約から解放され、新しいワークフローや用途を活用して3Dプリントの運用効率をアップさせることができます。ポリウレタンレジンファミリーと互換性のある材料：
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[New] PU Rigid 650 レジン負荷がかかっても寸法精度を維持でき、強い衝撃や過酷な環境での使用にも耐えうる硬度としなやかさを備えたポリウレタンパーツを造形できます。
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[New] PU Rigid 650 レジン：強い衝撃や過酷な環境での使用にも耐えうる中硬度の強度と頑丈なポリウレタンパーツを造形できます。
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Rebound レジン：2019年にリリースされた、そのまま量産に活用可能な高弾性3Dプリント材料です。ニューバランス（New Balance）社は、TripleCell搭載フットウェア製品でこの材料を使用しました。
PU Rigid 650レジンとPU Rigid 1000レジンの技術的な詳細についてもぜひご確認ください。それぞれの材料で当社がお勧めしている用途、最適な材料特性を実現するために取るべきステップ、高性能かつプリンタビリティのあるポリウレタン材料を作るにいたった過程などについて、ご説明しています。
Introducing Polyurethane Rigid Resins: Pushing the Limits of 3D Printing
Join our materials experts as they discuss how the incredible properties of PU Rigid Resins paired with the benefits of 3D printing are eliminating previous limitations of traditional polyurethane manufacturing.
さまざまな用途に使えるポリウレタン材料
ポリウレタンレジンは優れた耐久性と硬度を備えているため、プロトタイプや最終用途としての製造など、すべての工程でパーツをプリントするのに適した材料です。従来のSLAレジンはアクリルエステルのポリマーを使って作られており、それにより長期間の使用になると耐久性が劣化する可能性がありました。
ポリウレタンレジンは3Dプリントの材料としては珍しいのです。というのも、ポリウレタンレジンの生成には複雑な化学反応が必要だからです。何年も検証を重ねた結果、Formlabsの材料チームはハイブリッド・ケミストリーにいきつきました。その結果、アクリルエステルとウレタンを独自に組み合わせてFormlabsの3Dプリンタで利用できるポリウレタンレジンを生成し、当社の他の材料と同じ規格や品質を実現できるようになりました。このハイブリッド・ケミストリーと湿度による二次硬化を組み合わせることにより、造形したパーツを最終的に高品質なポリウレタンに仕上げることができます。
PU Rigid レジンのテクニカルデータ
| 特性 | Formlabs PU Rigid 650レジン | Formlabs PU Rigid 1000レジン | ||
|---|---|---|---|---|
| 最大引張強さ | 34 ± 3.4 MPa | 35 ± 3.5 MPa | ||
| 引張弾性率 | 0.67 ± 0.06 GPa | . 0.92 ± 0.09 GPa | ||
| 伸び率 | 170 ± 17 % | 80 ± 8% | ||
| ノッチ付きアイゾット | 375 J/m | 170 J/m | ||
| 屈曲サイクル | 最大50,000 | 最大50,000 |
こちらでテクニカルデータ全文をご確認いただけます。ここからは、新材料の特性を存分に活かすことができる用途を見ていきましょう。
PU Rigid 650レジンの用途
当社最大の硬度を誇るPU Rigid 650レジンは、元の形状を長期間保ちながら高負荷にも耐えうるパーツの製造に適しています。例えば、耐衝撃性や衝撃吸収性を備えた以下のようなパーツです：
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タイヤ
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バンパー
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グリッパやエンドエフェクタ
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衝撃吸収材
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グロメット
高負荷にも耐えられ、継続してその機能性を維持できるようなパーツの製造には、2つのパーツを組み合わせることが最良とされています。PU Rigid 650レジンは長期間の使用でもその形状を維持できるため、以下のようなパーツの製造に最適です：
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実物そっくりのヒンジ
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組み立て用ヒンジ
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スナップフィット
PU Rigid 1000レジンの用途
PU Rigid 650レジンと同様、PU Rigid 1000レジンも最初の形状を記憶したまま高負荷な使用にも耐えることができます。引張強さが高いことで、折れることなくさらに重い負荷にも耐えられます。つまりPU Rigid 1000レジンは、壊れやすい部品を保護するためのパーツなど、強度が高く頑丈なパーツのプリントに最適です。例：
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マウント
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ブラケット
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安全構造
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ダクト
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バンパー
過酷な環境での使用部品なども、PU Rigid 1000レジンを使ってプリントが可能です。例：
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ボトルキャップ
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バックル
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自転車用ペダル
ポリウレタン材料の後処理
他の材料に比べてポリウレタンのワークフローは少し複雑で、追加の設備やセットアップ費用が必要になります。一貫性のある高品質なパーツを仕上げるために、プリントのセットアップやパーツの後処理をする際はより丁寧に行う必要があります。
以下の通り、ワークフロー自体は他の材料でのプリント時と似ていますが、追加の設備や後処理の時間が必要となります。
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3Dファイルを生成：PreFormを使ってファイルを準備します。カスタム設定でサポート材の追加やプリントの適切な方向づけの選択方法などを選択できます。
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プリンタの準備：Formlabs PU Rigidレジンは、アルミニウムのボトルに入って届きます。また、じょうごと空のカートリッジも一緒に同封されており、これを使って使用可能期間を長持ちさせることができます。ボトルを振ってレジンをしっかりと混ぜ合わせたら、じょうごを使ってボトルから空のプリント用カートリッジに流し込みます。PU Rigidレジンのどちらかを使ってプリントする場合は、プリンタをドライキャビネットに入れた状態で使用してください。準備ができたら、プリンタにレジンカートリッジとビルドプラットフォームを装着し、造形ボタンを押します。
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造形：通常通り、操作のしやすいタッチスクリーン上に表示されるプロンプトに従い、プリントを開始します。
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後処理：ビルドプラットフォームをPGDA溶液に軽く浸してから、パーツを自然乾燥させるか圧縮空気を使って乾燥させてください。パーツが乾燥し、サポート材も取り除いたら、パーツを湿度調節室に入れて二次硬化を行ってください。湿気による二次硬化でウレタンの化学反応が起こり、ポリウレタンのパーツが完成します。IPAや従来の洗浄用溶剤は使用しません。PU Rigit 650レジンまたはPU Rigit 1000レジンを材料として厚さ2mmのパーツを造形した場合、完全に硬化するまでに 3 日ほどかかります。
造形品の表面からPDGA溶剤を完全に乾燥させるための圧縮空気設備などは必須ではありませんが、それ以外の設備は必ず必要になります。これには、低湿度に設定されたドライキャビネットや湿度調整室などが含まれます。これらの設備によって、パーツの最終的な性能を下げることにつながる湿度を軽減します。
その他、当社がお勧めする湿度調整室やドライキャビネットなどの詳細、およびPU材料を使ったプリント手順の詳細については、当社のスペシャリストにお問い合わせください。後処理の時間が必要なため、ポリウレタン材料は同日に仕上げる必要のあるラピッドプロトタイピングなどには向いていません。そのような用途には、Draftレジンをご検討ください。
高性能のエンジニアリング材料
新材料のPU Rigid 650レジンとPU Rigid 1000レジンがForm 2、Form 3+、Form 3B+で使用できるようになりました。Formlabsは、すべての事業でプロ仕様の製造ツール内製を可能にするというミッションのもと、今まで利用できなかった材料を多くのユーザーにご提供できることを嬉しく思います。
PU Rigidレジンは、Formlabsの材料ライブラリに新たに仲間入りした最新の高度材料です。Formlabs SLA 3Dプリンタで利用できる エンジニアリング用材料ライブラリは、 エンジニアリング用レジンページをご確認ください。PU Rigidレジンは、以下のリンクからご購入いただけます。
