技術白書
Formlabs Logo

TPMでプリントを洗浄する

TPMでプリントを洗浄する

トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)は液体レジンを溶解するため、Formlabs SLAプリンタで造形したパーツの洗浄に効果的です。使用目的や作業環境によっては、Form WashForm Wash LFinish Kitを使った造形品の洗浄にイソプロピルアルコール(IPA)の代わりにTPMを使用することも可能です。

ヒント:

詳細は、サポート記事トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)をご覧ください。

洗浄工程

TPMは、Form WashまたはFinish Kitで使用できます。

ヒント:

サポート記事Form Washの使用方法に記載されているForm Washのワークフローと、サポート記事SLA光造形品の基本的な仕上げ手順に記載されているFinish Kitのワークフローに従ってください。

TPMで造形品を洗浄するには:

  1. 洗浄容器に溶剤を入れます。
    • Form WashまたはForm Wash L: 洗浄バケットにTPMを充填します。別の容器に水を満たします。別の容器としてForm WashまたはForm Wash Lを使用することもできますが、金属部品は時間の経過とともに腐食する可能性があり、特に傷がある場合は注意が必要です。傷や腐食がある場合は、別の容器で水洗いしてください。
    • Finish Kit:1つの洗浄バケットにTPMを入れます。もう1つの洗浄バケットに水で満たします。
  2. IPAで洗浄する時と同じように、造形品を洗浄します。サポート記事のForm Washの時間設定のガイドラインに従ってください。
  3. TPMを使った洗浄が終了したら、プリントしたパーツをバケットから取り出し、TPMの滴が落ちなくなるまで空気乾燥させます。
  4. 水を入れた別のバケットにプリントしたパーツを入れ、その中でパーツに付着している残りのTPMが溶けてなくなるまで浸しておきます。このすすぎ洗いには、水の代わりに鮮度の高いIPAを使用することもできます。

ヒント:

水洗いをより効果的にするために、バケツの水に少量の食器用洗剤(2.5ml(小さじ1)未満)を加えます。皿洗い用の洗剤を少量加えると、余分なレジンが容器内の壁面に溜まらないようにするのにも有効です。

  1. すすぎが完了したら、造形品をバケットから取り出して自然乾燥させます。ClearレジンやTough 2000レジンなど、特定のレジンで造形したパーツは、水槽から取り出すと曇ったような外観になることがあります。乾燥すると造形品が通常の見た目に戻ります。

パーツが完全に乾くまでは、表面には蝋で覆われているような粘りが残ることがあります。以下のレジンは、二次硬化を行わない場合、最大1週間、表面にワックスのような光沢が残ることがあります。二次硬化を行う際は、サポート記事Form Cureの時間と温度の設定に記載されている各レジンの推奨事項に従ってください。プリントしたパーツを一旦二次硬化させたら、TPMで洗浄したか、またはIPAで洗浄したか区別できなくなるほど似た状態になります。

ビルドプラットフォームのクリーニング

ビルドプラットフォームもTPMで洗浄した場合は、再度使用する前にビルドプラットフォームを徹底的にクリーニングしてください。

  1. 石鹸水を使って、ビルドプラットフォームの表面に残っているTPMがすべて洗い流してください。
  2. 表面に残っている石鹸成分は、きれいな流水で洗い流してください。
  3. 清潔なペーパータオルでビルドプラットフォームを乾拭きします。
  4. ビルドプラットフォームの表面にレジンやTPMがまだ残っていることが確認できた時は、必要に応じて、IPAで濡らしたペーパータオルですべて取り除き、再度プラットフォームを乾拭きしてください。

使用済みTPMを新しいTPMに取り替える

TPMには、IPAよりも約3倍の量のレジンを溶かす溶解力があります。プリントしたパーツをTPMで洗浄した後、表面に薄いレジンの膜が残るようになると、そのTPMは替え時です。Finish KitのリンスバケットまたはForm WashのTPMをIPAと同じように交換します。

水槽内のTPM濃度が高くなりすぎると、洗浄効果が得られなくなるため、交換が必要になります。レジンに触れた水やTPMは、地域の規制に従って廃棄してください

TPM用の比重計を購入する

備考:

Form Washに同梱されている比重計は、TPMで使用する場合、正しい比重範囲を測定できません。洗浄に使用したTPMのレジン濃度を正確に測定したい場合は、0.962–1.000の比重を測定できる比重計をご使用ください。使用済みTPMの比重が1.000を超えると、最終洗浄用途として完全には効果を発揮できなくなります。

洗浄に使用したTPMに含まれるレジン濃度を正確に測定可能な比重計の購入をご検討されている場合は、下記の情報をご参考にしてください。

仕様推奨
比重範囲0.962~1.000
長さ短い方が使いやすい
目盛りの最小単位0.001
0.002
0.0005は細かすぎる
上限値1.000以上
Thermco GW2538
Thermco GW2539
Thermco GW2559X
Brannan 10/403/0

TPMのレジン別の洗浄効果

プリントしたパーツをTPMで洗浄し、続いて水ですすぎ洗いした後の洗浄効果は、プリントに使用するレジンによって異なります。

レジン効果
スタンダードレジン
(Greyレジン、Blackレジン、Whiteレジン、Clearレジン)
積層ピッチ50ミクロンまたは100ミクロンでプリントした場合、レジンがワックス状のままになる。二次硬化により、ろう状の粘り気は除去されます。二次硬化せずにパーツをそのまま放置した場合は、約一週間で粘らなくなります。
Castable Resin50ミクロンまたは100ミクロンの積層ピッチでプリントした場合、レジンはワックス状の状態になりますが、3~12時間後にはワックス状の状態はなくなります。
Castable Waxレジンレジンは洗浄後、ワックスの粘り気がなくなり、ワックスの粘り気を取り除くための二次硬化は不要です。Formlabsでは、TPMで洗浄した後もパーツに粘り気が残る場合は、最適な鋳造結果を得るためにパーツを二次硬化させることをお勧めしています。
ColorレジンColorレジンは、積層ピッチが50ミクロンまたは100ミクロンでプリントした場合、ワックス状の状態が残ります。二次硬化により、ろう状の粘り気は除去されます。二次硬化せずにパーツをそのまま放置した場合は、約一週間で粘らなくなります。
Draftレジンレジンは、積層ピッチ50ミクロンまたは100ミクロンで造形した場合、ワックスのような質感が残りますが、3~12時間後には消えます。
Elastic 50A Resinどの積層ピッチでプリントしてもレジンがワックス状のままになるため、二次硬化が必要です。二次硬化により、ろう状の粘り気は除去されます。
Flexible Resin V2、Flexible 80A Resinどの積層ピッチでプリントしてもレジンがワックス状のままになるため、二次硬化が必要です。二次硬化により、ろう状の粘り気は除去されます。
Grey Proレジンレジンは洗浄後、きれいになり、ワックスのようなべたつきもありません。
High Temp Resinレジンは洗浄後、きれいになり、ワックスのようなべたつきもありません。
ModelレジンModelレジンは、積層ピッチ50ミクロンまたは100ミクロンでプリントすると、ワックスのような質感が残りますが、3~12時間後には消えます。
Rigidレジンレジンは洗浄後、きれいになり、ワックスのようなべたつきもありません。
Tough 2000レジンレジンは洗浄後、きれいになり、ワックスのような粘り気も残りません。
Tough 1500レジン積層ピッチ50ミクロンまたは100ミクロンでプリントした場合、レジンはワックス状のままですが、3~12時間後にはワックス状ではなくなります。

Formlabs製品との互換性

生体適合性用途に適したFormlabsレジン

注:

Formlabsの生体適合性レジンがTPMと親和性があるかどうかについては、検証していません。生体適合性レジンでプリントした造形品は、そのレジンの使用説明書に従って後処理を行うことで、生体適合性の要件に完全に適合させることができます。Formlabsの生体適合性レジンでプリントしたパーツを製品化する製造元が、それぞれの用途に応じてFormlabsが推奨する使用方法と異なる方法でそのレジンを使用される場合、その製造元が独自の責任でプリント性能や完成した製品の生体適合性を確認して頂く必要があります。

Finish Kit

TPMは、Finish Kitのリンスバケツで使用できるすべてのFormlabsレジンに対応しています。

Form WashおよびForm Wash L

Form Washでは、TPMはすべてのFormlabsレジンに対応しています。Form Washに付属の比重計では、TPMに使用する場合の正しい比重範囲を測定できません。

Form CureおよびForm Cure L

Form Cureは、動作中に空気を排出しないため、蒸発した溶剤がヒーター、ファン、内部表面に凝縮します。TPMが残っている造形品をForm Cureに入れると、TPMが蒸発してForm CureおよびForm Cure Lの内面に凝縮し、反射面が曇ることがあります。IPA、TPM、水のいずれで洗浄した場合でも、Form CureまたはForm Cure Lに入れる前に、必ず造形品を完全に乾燥させてください。

Formlabs SLA光造形プリンタ

Formlabs SLA光造形プリンタの光学面のクリーニングにTPMを使用しないでください。その他のクリーニング方法については、以下のFAQ記事をご参照ください。
Form 2のクリーニングには何を使えばいいですか?
Form 3/Form 3Bのクリーニングには何を使えばいいですか?
Form 3L/Form 3BLのクリーニングには何を使うべきですか?

その他資料