Flexible 80AレジンV2は80A鋳造用ウレタンに匹敵

エラストマーは弾性、強度、柔軟性に優れ、治具や筐体、シールなどの部品製作に最適な材料です。しかし、3Dプリント用のエラストマーとなると、取り扱いにくい2液型か、強度が低くべたつく1液型か、どちらかを選ばなければなりません。型をプリントしてウレタンやシリコンで鋳造することもできますが、時間がかかるうえにデザインの自由度も限られます。これまで、鋳造ウレタン、TPU、硬質ゴムのような外観、質感、機能を備えたエラストマー部品を素早く簡単に製造する方法はありませんでした。

そこで登場したのが、新しくなったFlexible 80Aレジンです。弾力性のあるエラストマー材料で、Form 4シリーズのSLA光造形技術を活かし、前バージョンに比べて引裂強さと破断伸び率が2倍、反発性が4倍になったほか、見た目の美しさと経年劣化への耐性も向上しています。

「新しいFlexible 80Aレジンの強度と耐久性には驚きました。今回の用途では、新しいFlexible 80Aレジンで製作したパーツは従来品より10倍長持ちします。これは非常に大きな進歩です」

Jonathon Campion氏(Modern Body Engineering 社長)

Flexible 80Aレジンでプリントした造形品は、変形してもすぐに元の形に戻り、繰り返しの曲げや引っ張り、圧縮にも耐えることができます。引き裂きに強い機能確認用試作実製品用部品に最適で、精密機器を保護する柔らかなインサートや固定具、洗練されたパッドやグリップなどを、ベタつきのない滑らかな表面とマットブラックの色合いに仕上げます。

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耐久性と耐引裂性に優れたパーツ

新しい配合のFlexible 80Aレジンは、Flexible 80AレジンV1.1と比較して材料特性が向上しており、既製品や工業用の80Aウレタンにより近い性能を発揮します。

Flexible 80Aレジンで造形したパーツは弾力性があり、56%の振り子反発弾性率で元の形状に戻ります。耐久性と伸縮性に優れた部品を製作でき、引裂強度は28kN/m、破断時伸びは230%で、いずれも前世代材料の2倍に向上しています。新配合で造形したコネクタ、治具、カバーは、ロス屈曲疲労試験で前世代材料の5倍のサイクル数を耐え抜きました。

Flexible 80Aレジンで3Dプリントしたパーツ
Flexible 80AレジンV2Flexible 80AレジンV1.1鋳造ウレタン(Smooth-on Task™ 16)
ショアA硬度83A79A80A
引裂強さ28 kN/m
13 kN/m
34.5 kN/m
破断伸び230%131%233%*
振り子反発弾性(Schob型)56%13%54%
ロス屈曲疲労12,800回**-38,600サイクル**

* メーカーの公表値であり、Formlabsが直接検証したものではありません。
** 環境制御なしで社内テストを実施した結果

新しいFlexible 80Aレジンで造形した部品に対し、ASTM D4459に準拠した屋内加速劣化試験を実施した結果、1,000時間後も破断伸び率87%を維持していることがわかりました。

詳細は、Flexible 80Aレジンのテクニカルデータシートをご覧ください。

Flexible 80Aレジンで造形したサンプルパーツ
サンプルパーツ

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審美性の向上

新しい配合は、マットブラックの外観とベタつきのない手触りが特徴です。新しいFlexible 80Aレジンでプリントしたパーツは、ウレタン鋳造品のような見た目と質感を持っています。

同じパーツが3つ並ぶ。左側の造形品はマット仕上げのブラック。中央は透明、右側はオレンジ色で積層痕が見える。

細かなディテールや表面のテクスチャをそのままプリントできる柔軟性のある材料。

Flexible 80Aレジンで造形した、テクスチャ付きのブラックのグリップがついたホワイトパーツ。

新しいFlexible 80Aレジン(左)、旧バージョン(中央)、TPUフィラメントをFDMプリンタで造形したパーツ(右)。

ワークフロー

Flexible 80Aレジンは、Form 4およびForm 4Lを含むForm 4シリーズ3Dプリンタで造形可能で、2液型のレジンや鋳造よりも簡単かつ効率的なワークフローを実現します。

Flexible 80AレジンV2ReboundレジンやCarbon EPU 40のような2液性SLA光造形用レジン3Dプリント製の型を使ったRTVシリコンと鋳造PU
ワークフローとスピード簡単困難(ポットライフが短く、数日間の二次硬化が必要)困難(型の設計・製作、ウレタンの鋳造・硬化が必要)
安全性低(レジンはより危険性が高く、より厳格なPPEと安全管理が必要)低〜中
設計の自由度非常に良い非常に良い
特性良い非常に良い非常に良い
非常に良い非常に良い非常に良い

Flexible 80Aレジンで造形したパーツは、洗浄・乾燥後に二次硬化を行います。この材料を使ったパーツは、UV透過性の容器に水を張った状態で二度硬化することが推奨されています。ワークフロー詳細については、TDSでご確認いただけます。

FYi Design Dept.、エラストマー部品の反復製作を高速化

カナダ、ブリティッシュコロンビア州のスコーミッシュに拠点を置くFYi Design Dept.は、テクノロジー、ソフトグッズ、ハードグッズの研究開発を専門としています。以前は、Carbon 3Dプリンタで柔軟材料を使用してエラストマー部品を製作していたDisanjh氏は、材料自体は気に入っていたものの、ワークフローが難しく、チームの中でプリントの専門知識を持っているのは1人だけだったため、スケジュールが乱れがちだったと言います。そのような背景から、Disanjh氏は3Dプリント用のエラストマー材料の代替品を模索し始めました。

「Formlabsのプリンタは、間違いなくエラストマー部品の製作に最適なソリューションです。R&Dプロセスと非常に相性が良いことがその理由です」

Derek Disanjh氏(FYi Design. R&Dメカニカルエンジニア)

Disanjh氏とそのチームは、すでにForm 4世代の3DプリンタでToughレジンファミリーを使用していました。チームの誰もがプリントできる簡単なワークフロー、納期厳守のために求められるプリントと後処理の信頼性とスピードを評価していると言います。

黒い3Dプリント品を引っ張る手

新しいFlexible 80Aレジンで造形したパーツは、反発力、引裂強さ、破断伸び率、外観が向上している(写真:FYi Design Dept.)。

黒い3Dプリント品を持つ手

「部品の仕上がりは非常に重要です。材料の反発性にも驚きました。他の3Dプリント製エラストマーではここまでの弾力性は感じられません」とDisanjh氏は言う(写真:FYi Design部)。

「Form Cure V2は高速なので、チームがFormエコシステムをより頻繁に活用するようになりました」とDisanjh氏は言います。Flexible 80Aレジンは2段階の二次硬化が必要で、1段階目は水の中に浸漬する必要がありますが、Form Cure V2での硬化にかかる時間は合計わずか10分であることからも、Disanjh氏は「その工程を辿るだけの価値があると思わせる結果が得られます」と言います。

「Flexible 80Aレジンは、反復設計やデザインのスピードアップを実現するうえで非常に強い武器になります。チームは特にこの材料の弾力性や伸び、引裂強さが気に入っています」

Derek Disanjh氏(FYi Design. R&Dメカニカルエンジニア)

柔軟部品の3Dプリントを始める

新しくなったFlexible 80Aレジンをお使いいただくことで、弾力性のあるパーツをこれまで以上に簡単に製造できるようになり、3Dプリントでショア硬度80Aの鋳造ウレタンと同等の外観・質感・機能を実現できます。

無料サンプルパーツをお申し込みいただくと、Flexible 80Aレジンの品質を直接ご確認いただけます。Form 4シリーズで実際に柔軟部品のプリントを始めるには、以下から材料のご購入にもお進みいただけます。