3Dプリント品を美しく塗装するには?(動画あり)

スプレー式塗料を使ったイメージ処理には難点があります。壁の落書き、手作りの看板や古い車の錆びついている箇所を覆い隠したい時に使うスプレー式塗料は、吹き付けた後でよく液だれを起こします。スプレー式塗料は、平面を短時間で塗装したい時によく使われますが、ディテールの凝った美術的効果を出したい時の画材としては不向きです。しかし、スプレー式塗料は適切な技術を用いれば、滑らかな表面と深い色のグラデーションを作り出すことができます。

このガイドは、工業デザイナー、デジタルアーティスト、キャラクターのデザイナーや模型製作の専門家を主な対象読者として作成されています。シンプルな3Dプリントから展示可能な最終製品まで、デスクトップ型 3Dプリンタを使って車体の表面のように光沢のある滑らかな仕上げを実現する方法について説明します。

Stereolithography
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光造形(SLA)方式のデスクトップ型3Dプリント技術の紹介

高精細3Dモデルを製作できる3Dプリンタをお探しですか?それでしたら、SLAプリント がどのように機能し、驚くほど精細なモデルを製作できる3Dプリント方式として、どれほど広く活用されているかを詳しく学ぶことができるこの ホワイトペーパー をダウンロードしてください。

※本ホワイトペーパーは現在翻訳中です。近日のアップデートをお待ちください。内容の詳細は[email protected]までお問合せください。

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3Dプリントしたパーツを塗装する方法

 3Dプリントしたパーツを本格的な商業用製品に仕立てるには、仕上げ 工程に含まれる、あるステップが重要な意味を持ちます。初心者はほとんど飛ばしますが、経験豊かな模型製作者であれば全員欠かさないステップです。塗装を楽にし、最終的に完璧な表面を作り上げることに大きく寄与します。そのステップとは、プライミング、即ち下塗りのことです。

パーツに最終塗装を施すことで、存在感と艶が生まれます。しかし、3Dプリントで模型を作ることを生業としている人なら、塗装で欠点を隠すことはできないことを知っています。適切な下地処理を施していないと、3Dプリントしたメッシュに大きな三角形が見えてしまうこともあれば、最終段階のパーツ表面に小さな段差やサポート材の痕が透けて見えてしまうことがあります。また、採用した3Dプリントの手法によっては、層線がくっきり見えてしまう場合もあります。最終目標が人目を引き付ける美的に仕上げることであるならば、プライマーは必須です。

レジンの調色用に開発された初の統合ソリューションであるColor Kit を使えば、幅広い色のパーツをそのまま3Dプリントすることが可能で、造形後に通常発生する手作業の仕上げ、染色や塗装工程を不要にすることができます。Color Kitを使えば、使用環境に応じた高精細3Dプリントを使って、製品コンセプトの実地検証をより迅速に実施できるようになります。

プライミングの目的は、塗装工程に移る前に造形したパーツの塗装対象面をきれいな状態に整えることです。プライマーの灰色は、模型表面の不完全な部分を強調表示するのに適した中間色です。下塗りは、そうした部分をサンディングで磨いたり、モデリング用のパテで埋めたりするなど、適切な下地処理を施す準備にもなります。こうした作業は、塗装がよりきれいに仕上がり、塗装面の完成度がより本格的なレベルに到達できる(特に光沢のある面の場合)ようにするための下準備です。

プライミングの効果を高めるためには、事前に表面をできるだけ滑らかにしておくことが重要です。プライマーは非常に小さな割れ目や穴を埋めることができますが、薄く塗ることで表面のディテールを保持することができます。

SLA方式の3Dプリンタでサポート構造を付けて造形する場合、造形したパーツからサポート材を取り外す工程が発生します。またその際。パーツ表面に残るサポート材の痕をサンディングで消す必要が出てきます。また、FDM方式のプリンタで積層ピッチを高く設定して造形したたPLAやABSの3Dプリントを塗装する場合は、塗装前にモデル全体をサンディングして、層線が見えないようにする必要があるかもしれません。サンディングの代わりに重厚な下塗り塗料を使うこともできますが、ディテールの凝ったパーツの場合は、複雑な表面の特徴が埋もれてしまう恐れがあります。

サンディングと一回目の下塗りを終えたら、もう一度、表面に不完全な箇所が残っていないかを点検します。ほとんどのプライマーは、直射日光の下で表面の複雑なディテールがくっきり分かるぐらい、極めてフラットに仕上がります。最後にもう一回下塗りし、プライマーのメーカー指定の乾燥時間までパーツを乾かせば、塗装に移る準備が整います(最後に軽く磨いておくのも悪くありません)。

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Material

3D Print in Color With Color Kit

The first integrated color mixing solution for resin 3D printers, Color Kit enables SLA 3D printing in a range of colors without the manual work of finishing and painting.

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プライミングを終えた後、3Dプリントしたモデルにスプレーで塗装する場合、正しいテクニックを駆使すれば、驚くほど短時間で塗装工程を完了できます。光沢を出すには、前処理をした表面に薄く均一な塗料を何度も塗り重ねる必要があります。薄く塗ることで下地が透けて見え、豊かで深みのある色に仕上がります。塗料を薄く吹き付けるには、塗料缶のノズルをモデルに近づけて、素早く動くようにします。塗料のコーティングが均一になるよう、モデルを回転させます。

 

一回塗装した後にもう一度塗装するまでの間に、塗装面のバフがけや研磨を行うことも忘れないようにしてください。そうすることで、最終的なクリアコートの下で光沢が出る滑らかな表面を維持できるようになります。

色彩を最も豊かにしたい場合は、アンダーコートやベースレイヤーを追加してください。アンダーコートとは、プライマーの中間色を遮る色付きの塗料のことです。通常、表面を完全に覆うには、薄いレイヤーを2~3層重ねる必要があります。濃い目のトーンならブラック、薄目の色合いならホワイトのアンダーコートがよく使われます。

レイヤー間でマスキングを行うと、特定の色のディテールを対象の層で保持することができます。汎用のマスキングテープを使用する場合、数日以上貼ったままにしないでください。塗料メーカーのTamiyaでは、スプレー式塗装は1回で完了させることを推奨しています。

マスキング後、トップコートで最終的な色を加えます。これらの層は、アンダーコートの上に軽く釉薬を塗った時のようなイメージで捉えるようにしてください。トップコートが薄いほど、アンダーコートが透けて見えます。一回塗布したら、もう一度塗布する前に、塗料が馴染むまで数分間放置し、色が十分に飽和しているかどうかを確認します。

塗装した色に満足したら、いよいよクリアコーティングに移ります。クリアコートは、1~2層、薄く均一に塗布します。研磨面では、クリアコートの微粒子がすべて一緒に流れ、パーツ表面の上に光沢のあるシェルが形成されるくらいが程良いです。必須ではありませんが、超極細網目の磨き布を使って表面を磨いたり、カルナバワックスをかけたりすると、更に保護効果が高まります。

塗装が終わったら、モデルを十分に乾かせます。特に決まりはありませんが、少なくとも1週間は放置し、塗料がしっかりと硬まるのを待つようにするべきです。それ以前にモデルを移動させる必要がある場合は、手袋を着用し、どこにも傷がつけないように優しく慎重に取り扱うようにしてください。

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3Dプリントしたパーツの下塗り手順

材料

パーツの下塗り作業を容易にする専門道具をいくつかご紹介します。

パーツの下塗り作業を容易にする専門道具をいくつかご紹介します。

プライマー

プライマーは、パーツ表面に強力に接着する特殊な下塗り用の塗料で、その上に加える塗料が確実に密着するように表面を均一に整えます。プライマーには様々な種類があり、それぞれ用途が異なります。スプレー式のプライマーは、造形したパーツの表面を素早く均一にコーティングできるため、塗装に最適です。ブラシで塗るタイプのプライマーもありますが、手間がかかります。どちらかと言うと、細かなタッチを出したい時には有効な手段です。プライマーと塗料は、プラスチックと互換性がある同じブランド(メーカー)のものを選ぶと、良好な結果が得やすいです。 KrylonかMontanaの製品(両ブランドとも濃厚な配合ですが)を好まれるユーザーが多いですが、やはり圧倒的に人気が高いのは、非常に薄く均一に塗れて、表面の繊細なディテールを維持できるTamiya社の模型用塗料です。

回転工具

サンディングを早く済ませたい時には、便利な工具です。回転工具は、ビットを交換することで、利用可能なサンディングや研磨方法のオプションを幅広く増やせます。ドラム式サンディングビットは、サポート材の痕を素早く消すことができます。鋼線のブラシは痕があった表面を滑らかにします。回転工具は目が粗いので、滑らかに仕上げるにはやはりサンドペーパーが必要です。素晴らしいブランドは数多くあります。米国ではDremelやCraftsman、欧州ではProxxonが広く使われています。パーツ表面を焦がさないようにするために、回転数は最低限(通常500~1,000回転)に抑え、研磨する面に軽く接触させる程度で回転させるようにしてください。

手ヤスリ

パームサンダーのように不器用でもなく、不作為でもない。よりエレガントな工具を…より洗練された時代に。

手ヤスリは、サポート材を取り除いたり、表面を研磨したりする時に使う最もシンプルながらも効果的な工具の一つです。グリップ部分をしっかり握りながら作業できるので、サポート材の痕が残る表面を擦り、痕を消す動作は回転工具よりも制御しやすいです。ワイヤーブラシを常備し、ヤスリの歯をこまめに掃除してください(そうしないと研磨面のプラスチックやレジンが傷みます)。回転工具と同様、手ヤスリは表面にざらつきが残るので、大きめのサポート材の痕を消すのに最適です。

サンドペーパー

ショップで最も地味なツールであるサンドペーパーは、柔軟性のあるサンディングシートの発売により、この10年で数段進歩しました。ホームセンターなどで購入できる柔軟性のあるサンディングシートは、サンドペーパーに比べて15倍も長持ちします。サンディングシートは丸まらないし、穴が開くこともなければ、皺にもなりません。また、濡らして使用できるため、埃をあまり出さず、研磨滓が蓄積するのを防ぐこともできます。曲げられるので、室内の狭い場所や丸みを帯びた面にも容易に届きます。

埃の除去

湿式サンディングでも、多少の粉塵は出ます。溜まった研磨滓が溜まり始めたら、水と柔らかいブラシ(古い歯ブラシでも可)で汚れを落としてください。本格的なクリーニングを実施する場合は、安価な超音波破砕機を使うと、表面の隅やひび割れに入り込んだ細かいゴミを素早く除去することができます。硬水の地域で作業する場合は、脱イオン水または蒸留水を使用すると、塗装の間にスポットが発生するのを防ぐことができます。

タッククロス

タッククロスは、柔らかく、少し粘り気のある綿布で、表面に残った埃を取り除き、塗装しやすいきれいな面にすることを目的に作られた道具です。タッククロスを使用する前にモデルを乾燥させてください。ワックス状の表面は、水との相性が悪いのです。

ブロック、ダボやドリル穴の塗装

三田この簡単なコツを掴むと、スプレーブースで嘆かずに済むようになります。(Adam Savageが模型製作のハウ三田ービデオでこのテクニックを披露するの見た時は興奮しました)。3Dプリントしたパーツをダボの上に置くと(多くの場合、パーツにあらかじめ開いている穴を利用できます)、スプレーしながら素早く操作できるので、パーツの隅から隅まで、指紋を付けずにきれいに仕上げることができます。このテクニックは特に、モデルのすぺての面に均等のコーティングを施したい時はかなり重要になります。様々なサイズのダボをご用意されることをお勧めします。パーツに開く穴の大きさを最小限に止めるには、小さいサイズから始めて、モデルがしっかりと固定されたと感じられるようになるまで、大きくしていきます。木や中密度繊維(MDF)のブロックに、対応する穴を開け、ダボのあるパーツを挿入します。これで、スプレーしている間、モデルからずっと手を放しておけるようになります。

安全用具

スプレー式塗装は、空気中の微粒子や溶剤を扱う作業です。いずれも健康被害をもたらす恐れがある物資です。国立労働安全衛生研究所(NIOSH)承認の呼吸器を使用し、換気の良い場所で作業することを忘れないでください。塗装の際は、手に塗料がつかないように、またモデルに指紋が付かないように、ニトリル手袋を着用してください。

ツールチェックリスト

プライミング手順

1. パーツからサポート材を取り除く。

フラッシュカッターを使用して部分的に取り除くか、手でサポート材を剥がします。繊細なパーツの場合は、カッターナイフ(エグザクトナイフ)やカミソリの刃でサポート材を慎重に切り取るようにしてください。

Step 1. Remove supports from your part

2. サポート材の痕をサンディングで消す。

回転工具、手ヤスリ、または目が細かい220グリットのサンドペーパーを使って、モデル表面に残っているサポート材の痕を慎重に消していってください。

Step 2. Sand down support marks.

3. 表面を研磨して滑らかにする。

このステップでどの程度まで表面を滑らかにするかで、最終的なパーツの仕上がり具合が変わってきます。まずは、220または320グリットの紙ヤスリ、もしくは折り曲げ可能な細長いサンディングシートで、モデルの表面全体を優しく研磨し、ヤスリや工具の削り痕を消します。必要に応じて、400または600グリットの紙ヤスリで更に磨き上げます。

Step 3. Sand and smooth surface.

4. パーツを取り付ける。

目立たない箇所にスターター穴を空け、下塗りしたパーツを細いダボに乗せます。続いて、ダボを塗装ブロックに挿入します。

Step 4. Mount the part.

5. 表面を洗い、埃を取り除く。

パーツを水洗いしながら、歯ブラシを使って埃を落とします。脱イオン水や蒸留水(食料品店で購入可能)を使用すると、シミを残さず隅々まで徹底的に洗浄できます。

Step 5. Wash the surface to remove dust.

6. タッククロスで表面を拭く。

ニトリル手袋を着用したまま、タッククロスを優しく、長いストロークでモデルの表面の上で走らせます。できるだけ同じ方向で拭き続けるようにし、モデルの小さな隙間の中を拭くことも忘れないようにしてください。

Step 6. Wipe down the surface with a tack cloth.

7. プライマーを混ぜる。

スプレー式プライマーをゆっくり2~3分間、円を描くようにかき回します。振って混ぜようとはしないでください。振ると溶剤に高圧ガスが混ざり、スプレーした時に塗膜に気泡ができることがあります。プライマーを混ぜるのは、顔料を溶剤の中で完全に溶解させるのが目的です。1分ほど振り回すと、(「ピー」と呼ばれている)ミキシングボールが缶の内側を滑らかに転がる音が聞こえ、塗料がすべて混ざったことが分かるようになります。

Step 7. Mix the primer.

8. 1回目の下塗り塗料を吹き付ける。

パーツからスプレーを6から8インチ離して、小刻みに素早く塗布します。各ストロークをパーツの前で開始し、パーツの後で終了するようにしてください。 塗料を吹き付ける時は、一か所に塗料が溜まらないようにパーツを回転させながら素早く作業してください。最初は非常に薄く塗布し、徐々に不透明度を上げていく方が良い結果が得られやすいです。

Step 8. Spray the first coat of primer.

9. 1回目の下塗り状態を点検する。

プライマーを塗った状態で、さらにサンディングやヤスリがけが必要な部分がないか点検します。必要に応じて、目の細かい(600グリット以上)サンドペーパーでパーツをより念入りに研磨してください。サンディングが必要な場合は、必ずステップ5~6を繰り返し、埃を払い落としてから再塗装してください。

Step 9. Inspect the first coat.

10. 最後の下塗りを吹き付ける。

素早いストロークでもう一回塗ります。その際、塗膜が薄くなるように注意し、色が不透明になったらすぐに仕上げます。ここで塗りすぎると、細かなディテールの部分が埋もれてしまう恐れがあります。くれぐれも厚塗りにならないようにご注意ください。

Step 10. Spray the final coat of primer.

終の下塗りを終えると、パーツのスプレー塗装に移行できる準備が整います。本ガイドの続編では、模型の表面のように滑らかな塗装を施し、塗装面を保護するためのクリアコートで仕上げる方法について説明します。

ステップバイステップ:3Dプリントしたパーツの塗装

材料

Materials to paint 3D printed parts

塗料

調整しやすい薄い塗料を選ぶようにしてください。ホームセンターで売っているような塗料(あるいは粗い表面用に設計された美術用塗料)とは正反対のものをお選びください。固まりやすく、厚くゴツゴツとした層を作りやすいです。そうした塗料は、一回で素早く塗布できるように設計されているからです。細部まで最も的確に表現したいのであれば、Tamiyaブランドのスプレー式塗料をお勧めします。このブランドは、オパールセントやグリッター効果など、豊富なカラーバリエーションを揃えています。絵の具が薄く塗れ、カバーできる範囲も広いです。Tamiyaブランドの塗料は、 Amazon や 専門ホビーショップで購入できます。TSシリーズの合成ラッカーはFormlabsのレジンによく合い、クリアコートや手描きのアクリルにも移行することができます。

バフ研磨スティック

ネイル用のバフ研磨スティックは、下地処理とサンディングを行った表面の艶出し仕上げに有効なツールです。ドラッグストアで簡単に入手できます。調達する際、3段式のタイプを探し、一番重いグリットを飛ばして、そのままバフやポリッシュ用のスティックに移行できるものを購入することをお勧めします。

ファイバー研磨紙

最近の研磨紙は、サンドペーパーと同じぐらいの粒度があり、中には、より細かいタイプも開発されています。裏面に繊維を使用しているため、表面を曲げたり、撓めたりすることができます。また、細かい砥粒はトップコートやクリアコートの研磨に最適です。

タッククロス

タッククロスは、ろう状のコーティングを施した綿布のことで、塗装前に表面の埃や髪の毛を取り除きたい時に役立つツールです。折りたたんだ布で、表面を優しく一方向に長いストロークで撫でるように磨きます。

マスキングテープ

単発の塗装作業では、標準的な青色のペインターテープが最適です。塗料が下に染み込まないように、クレジットカードのようなプラスチック製の板を当てて、端を固定するようにしてください。

クリアコート

クリアコートは、下地処理の不十分な表面を修復することはできませんが、表面の凹凸を均一にし、光沢または艶消しの仕上げができるようにします。Tamiyaブランドのクリアコートではあれば、塗膜との相性は保証できます。他のスプレー塗料で作業する場合は、メーカーにクリアコートの推奨事項を確認してください。

安全用具

スプレー式塗装は、空気中の微粒子や溶剤を扱う作業です。いずれも健康被害をもたらす恐れがある物資です。国立労働安全衛生研究所(NIOSH)承認の呼吸器を使用し、換気の良い場所で作業することを忘れないでください。塗装中は、手(およびモデル)にスプレー塗料が付着しないように、ニトリル製の手袋を着用してください。

ツールチェックリスト

塗装手順

1. 下地処理して取り付けたパーツから始める。

まだサポート材を外して表面を研磨していない場合は、 下地処理の方法について詳しく記載しているFormlabsのサポート記事をご覧ください。

Step 1: Start with a primed and mounted part.

2. 下地処理した面をバフ研磨する。

ネイル用のバフ研磨スティックを使って、まずレベル2(バフ)で下地処理した面を優しく磨いた後、レベル3(研磨)で更に磨いて仕上げます。バフ研磨を完了した表面はつやつやしています。

Step 2: Buff and polish the primed surface.

3. 埃を取り払う。

タッククロスでモデルの表面を軽く拭き、残った埃を取り払います。タッククロスを軽いタッチで、表面と同じ方向に動かすようにしてください。

Step 3: Clean off the dust.

4. 塗装の準備をする。

防塵マスクと手袋を着用してください。缶の中のミキシングビーズ(別名「ピー」)を2~3分、軽く振りながら塗料をかき混ぜます。気体状の噴射剤を振るとスプレーに気泡が入るので、振らずに静かに顔料を混ぜるようにしてください。

Step 4: Get ready to paint.

5. 下塗り面にスプレーする。

スプレーの開始と終了は必ずモデルから離して行い、最も均一な仕上がりになるようにします。ノズルを約6インチ(15.24cm)離し、モデルの周りでスプレーの方向を回転させながら、表面を素早く移動させます。吹き付け始めた最初の何層かは半透明に見えるはずです。 不透明な塗膜ができたら、20〜30分ほど放置して、薄く塗った塗料が乾くのを待ちます。2〜4回重ねると、均一な塗膜が形成されます。 

Step 5: Spray on the undercoat.

6. 塗布するごとに磨く。

最も目の細かいサンドペーパーと研磨スティックを使って、塗布した層を軽く処理します。この処理により、塗布面が更に磨かれていきます。このステップ以降、同じ処理をその都度実施してください。

Step 6: Polish between layers - Wet, buffing and sanding
Step 6: Polish between layers - After wet sanding

7. 下塗り状態のままで残したい部分をマスキングする。

マスキングテープをハサミまたはカッターナイフでカットします。対象部分にテープをしっかり貼ります。塗料が下に染み込まないように、端を押さえます。

Step 7: Mask off areas you want to preserve in the undercoat.

8. 上塗りする(オプション)

対照的な色を塗ることで、グラデーションや豊かな色彩のブレンドを作ることができます。下塗り面の色を透かし見せたい場合は、1~2回軽く上塗りする程度で十分です。

Step 8: Apply the topcoat (optional).

9. クリアコートで仕上げる。

ステップの間にモデルを磨いている場合は、クリアコートを軽く1~2回塗ると表面に光沢が出ます(研磨後のトップコートはそれだけでほぼ光沢が出ます)。また、艶消し塗料でコーティングすると、モデルを長く保護することができます。

Step 9: Finish with clearcoat.
Painting 3D printed parts - Beetles

TwitterやInstagram(@formlabs)への投稿で、皆さんの作品を紹介してください。

この見事な2体のモデル( Articulated Stag Beetle とArticulated Baby Turtle)を製作してくれた、私たちの友人であり同僚でもあるBrian Chan(@chosetec)に感謝したいと思います。彼がデザインした作品は自身のショップ、 Shapewaysでご覧になれます。応援よろしくお願いいたします。