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50%のレジンがACMOを含有
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ACMOを含むレジンの50%は、SDSがオンラインで簡単に入手できない、または危険性が適切に伝えられていない

低価格レジンに潜む大きな代償:モノマー分析と危険性レポート
安全データシート(SDS)は化学品メーカーが作成するもので、材料の危険有害性に関する情報を記載する必要があります。Formlabsは、数十種類の3Dプリント用レジンを徹底的に分析し、その化学成分を特定しました。この分析を製品のSDSと比較したところ、オンラインで入手できないものや、化学的危険性が記載されていないものがあることがわかりました。具体的には、ACMO(N-アクリロイルモルホリン)が多くのレジンから検出されており、そのことが製品の安全性に関する文書には記載されていない場合もありました。
低価格レジンに潜む大きな代償:モノマー分析と危険性レポート

安全データシート(SDS)は化学品メーカーが作成するもので、材料の危険有害性に関する情報を記載する必要があります。Formlabsは、数十種類の3Dプリント用レジンを徹底的に分析し、その化学成分を特定しました。この分析を製品のSDSと比較したところ、オンラインで入手できないものや、化学的危険性が記載されていないものがあることがわかりました。具体的には、ACMO(N-アクリロイルモルホリン)が多くのレジンから検出されており、そのことが製品の安全性に関する文書には記載されていない場合もありました。
ACMO:知っておきたいモノマー
ACMO(N-アクリロイルモルホリン)は、安価で低粘度、硬化が速い化学物質です。工業用途でよく使用されていますが、ACMOには臓器毒性(カテゴリー2)や重篤かつ不可逆的な眼の損傷を引き起こす可能性など、重大な健康リスクがあります。この化学物質を工業環境で安全に使用するには、厳格な工学的対策と個人用保護具(PPE)が必要です。ACMOのGHS危険有害性情報と注意書きのコード全文は、こちらからご確認ください。
米国では、環境保護庁(EPA)が光造形用のモノマーとしてのACMOに対し、SNUR(Significant New Use Rule/重要新規利用規則)を定めています。つまり、米国ではACMOの含有量が1%を超える3Dプリント用レジンには、以下のラベルとプロトコルが適用されます。
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必須警告:ACMOを含む製品には、以下の警告を記載する必要があります。「危険。長期または繰り返しの曝露により、臓器に損傷を与える恐れあり。重篤な眼の損傷。飲み込むと有害。」SNURによると、「生殖機能に影響を及ぼす恐れあり」という趣旨の記載も必要です。
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工学的対策とPPE(個人用保護具):SNURでは、ACMO蒸気の吸入を防ぐため、特殊な手袋の着用や、可能な場合は換気や呼吸用保護具などの工学的対策が必要とされています。
ACMOは特定の用途では非常に便利な物質ですが、非工業的な環境で、特に危険性を認識していない状態でこの化学物質を使用すると、使用者に危険をもたらす可能性があります。下表は、レジンのSDSがオンラインで入手できたか、ACMOを含有していたか、SDS(オンラインで入手できた場合)にACMOの危険性「長期または繰り返しの曝露により、臓器に損傷を与える恐れあり」(H373)と「重篤な眼の損傷」(H318)が記載されていたかどうかをしますものです。
レジンのSDS分析結果
調査結果のまとめ
|
メーカー |
レジン |
ロット番号 |
2026年9月時点でオンラインでSDSが入手できるか |
ACMOフリーか |
SDSへのH373およびH318の記載はあるか |
|---|---|---|---|---|---|
|
3D Systems |
Figure 4 Rigid Grey |
R25103036 |
はい |
いいえ |
はい |
|
Anycubic |
High Speed 2.0 |
RGS2HE2627C0101 |
はい |
いいえ |
いいえ |
|
Anycubic |
ABS-Like Pro 2 |
RABV2HU2621C0302 |
はい |
いいえ |
いいえ |
|
Anycubic |
High Clear |
RHDTO2603C0601 |
はい |
はい |
N/A |
|
Asiga |
FusionGRAY |
5000198 |
はい |
はい |
N/A |
|
Asiga |
PlasticClear |
18694 |
はい |
はい |
N/A |
|
BASF |
ST45M |
19811915 |
はい |
いいえ |
はい |
|
BASF |
ST7500SG |
HD8221116 |
はい |
いいえ |
はい |
|
BASF |
ST1400 |
UV01177 |
いいえ |
はい |
N/A |
|
ELEGOO |
Rapid |
P16JAN2026 |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
|
ELEGOO |
Standard V2 |
P14JUL2026 |
はい |
いいえ |
いいえ |
|
ELEGOO |
Standard 8K Space Grey |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
|
|
ELEGOO |
Water Washable 8K Space Grey |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
|
|
ELEGOO |
ABS-Like 3.0 |
P23APR2026 |
はい |
いいえ |
いいえ |
|
HeyGears |
PAU20 |
GP202602026 |
はい |
いいえ |
はい* |
|
HeyGears |
PAP10 |
2412907 |
はい |
いいえ |
はい* |
|
HeyGears |
PAS10 |
2504904 |
はい |
いいえ |
はい* |
|
HeyGears |
PAU11 |
GP202603025 |
はい |
いいえ |
はい* |
|
Liqcreate |
Strong-X |
記載なし |
はい |
はい |
N/A |
|
Liqcreate |
Tough-X |
記載なし |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND403 |
IDH2675977 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND3843 |
IDH2584962 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND405 |
IDH2697115 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND147 |
IDH2904356 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND402 |
IDH2676512 |
はい |
いいえ |
はい |
|
Loctite |
IND406 |
IDH2727552 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
Onyx Impact Plus |
B199109 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND475 |
IDH2733496 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
3D 3172 |
IDH2584961 |
はい |
はい |
N/A |
|
Loctite |
IND249 |
IDH2933628 |
はい |
はい |
N/A |
|
Nova3D |
Clear |
記載なし |
いいえ |
はい |
N/A |
|
Phrozen |
Aqua-Gray |
PZBGR401244124 |
はい |
いいえ |
はい |
|
Phrozen |
Water-Washable |
PZAWWG01238001 |
はい |
いいえ |
はい |
|
Siraya Tech |
Blu |
P20260309 |
はい |
いいえ |
はい** |
|
Siraya Tech |
Fast |
P20260403 |
はい |
いいえ |
はい** |
|
SUNLU |
ABS-Like |
P21042026G03F2 |
はい |
いいえ |
はい |
|
SUNLU |
Water Washable |
P30032024E03E |
はい |
いいえ |
はい |
* HeyGearsは、ACMOのGHS分類における「危険:重篤な眼の損傷」の代わりに、「警告:眼への強い刺激」という注意喚起表現と危険有害性表示を使用しています。GHSの注意喚起表現である「警告」と「危険」はたった一語の違いに見えますが、危険度には大きな差があります。
** Siraya Techは、米国向けSDSで「危険」の代わりに「警告」という注意喚起表現を使用しています。同社のEU向けSDSには、2.1項と2.2項に危険有害性コードH318(重篤な眼の損傷)とH373(臓器障害)が記載されていません。
一部のレジンでは、ACMOのGHS危険有害性情報が記載されているものの、生殖毒性や水生生物毒性などの他の警告は記載されていませんでした。例えば、SNURによると、ACMOを含むレジンの米国向けSDSには、「この物質は生殖機能に影響を及ぼす恐れあり」という趣旨の記載が必要です。義務付けられている警告を表示しないことは安全性の重大な見落としであり、ACMOへの曝露は永久的な眼の損傷などの長期的な影響をもたらす可能性があります。
これらのレジンのユーザーは、ACMO特有の危険性を調べ、ベストプラクティスを実践して、有害物質への曝露を最小限に抑える必要があります。さらに詳しく調べたい場合は、ECHA CHEMデータベースやPubChemで有用なリソースを検索できます。
テストをご希望のレジンがある場合は、こちらのフォームにご記入ください。こちらでは、最もご要望の多かったレジンをテストし、結果を公開します。
Formlabsのレジン安全性への取り組み
Formlabsのレジンは、高性能を維持しながら有害成分を最小限に抑えるように配合されています。また、Formlabsは、材料に関して記載すべき危険性をすべて掲載したSDSを簡単に入手できるようにしています。これにより、ユーザーはレジンの安全性とプリント時に必要な注意事項を十分に把握したうえでプリントを行うことができます。
Formlabsには40人を超える材料科学者とエンジニアが在籍し、材料の研究、開発、テストを行っています。

米国サマービルのFormlabs Materials Lab

Formlabsのレジン製造工場(米国オハイオ州)
Formlabsの品質と信頼性へのこだわりは、プリンタだけにとどまりません。材料の製造にも同じ基準を適用し、すべてのレジンをオハイオ州の自社施設で製造しています。Formlabsの生体適合性材料は、製造工程の最初から最後まで、規制に従って厳格に管理された環境で、ISO 13485およびEU MDRによる認証取得済みの厳格な品質管理システムのもとで製造されています。オペレーターと品質保証の専門家からなる専任チームが、ISO Class 8の認証を受けたクリーンルーム内でレジンを製造しています。
安全性に関する詳細は、Formlabsの安全情報ハブをご覧いただくか、Formlabs材料のSDSをダウンロードしてご確認ください。
分析方法
3Dプリント用レジンに含まれるACMOを特定するため、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)を使用しています。このプロセスでは、レジンを純粋な構成成分に分離し、質量分析計で分析します。質量分析計は分子をイオン化し、質量電荷比(m/z)が異なるフラグメントの存在量を測定します。これにより、混合物に含まれる各成分について、質量スペクトルの形で化学的な指紋(トレース)が得られます。これを既知の標準スペクトルと比較することで、成分を同定できます。ACMOが同定されたすべての検査対象レジンで、該当する質量スペクトルは参照スペクトルと95%を超える類似度を示しました(下図参照)。

対象モノマー(上)と既知のACMOリファレンス(下)を比較した、存在量とm/zの関係を示す質量分析トレース。