レジン3Dプリントの安全性に関するよくある質問
「より安全な」3Dプリント材料や手法は性能が低くなると思われがちですが、そうではありません。安全性を損なうことなく、高性能な3Dプリント材料を製造することは可能です。しかし、安全性とは一体何でしょうか?
安全性とは一般に、「けがや危険を引き起こさないこと」だと考えられています。3Dプリントの安全性を考えることは、リスクを検討することです。つまり、リスクを理解し、軽減し、安全性を最大限に高める方法を考えます。
レジン3Dプリントには、リスクや安全性をめぐる誤った通説や誤解が数多く存在します。この記事では、よくある質問にお答えしながら一般的なレジン用語を解説し、レジン3Dプリントにおけるリスクとその軽減方法に関する理解を深めます。
レジン3Dプリントの安全性に関するよくある質問
「より安全な」3Dプリント材料や手法は性能が低くなると思われがちですが、そうではありません。安全性を損なうことなく、高性能な3Dプリント材料を製造することは可能です。しかし、安全性とは一体何でしょうか?
安全性とは一般に、「けがや危険を引き起こさないこと」だと考えられています。3Dプリントの安全性を考えることは、リスクを検討することです。つまり、リスクを理解し、軽減し、安全性を最大限に高める方法を考えます。
レジン3Dプリントには、リスクや安全性をめぐる誤った通説や誤解が数多く存在します。この記事では、よくある質問にお答えしながら一般的なレジン用語を解説し、レジン3Dプリントにおけるリスクとその軽減方法に関する理解を深めます。
FAQ
レジン3Dプリントの基本
レジン3Dプリントは、他の3Dプリント方式とどのように異なりますか?
消費者向け3Dプリントとして最も一般的な方式は、FDM(熱溶解積層法)です。プラスチックフィラメントを溶かして一層ずつ押し出して形を作るもので、仕組みは精密なホットグルーガンに似ています。これに対し、レジン3Dプリント、すなわちSLA光造形方式では、光源を使って液体レジンを選択的に硬化させ、目的の形状を一層ずつ造形していきます。レジンはフォトポリマーと呼ばれる光硬化性材料の一種で、3Dプリント以外にも幅広く使用されています。
FDMではなくSLA光造形方式を選ぶ理由は何ですか?
SLA光造形方式で造形した部品は、フィラメント方式の造形品よりも表面が滑らかで、細部まで精密に造形できます。また、全体が連続したポリマー構造として硬化するため、造形直後から等方性と水密性を備えています。レジンの場合、軟質エラストマー材料、充填率が高く剛性に優れた材料、光学的に透明な材料など、フィラメントでは実現できない特性も実現できます。各方式の詳しい違いについては、FDM vs. SLA光造形 vs. SLS方式:3Dプリント方式の比較をご覧ください。
レジン3Dプリントのワークフローはどのように異なりますか?
SLA光造形方式では、プリントの完了直後には造形品の表面に未硬化の余分なレジンが残っているため、これを洗い流す必要があります。洗浄には、イソプロピルアルコール(IPA)やFormlabs Resin Washing Solutionが使用されます。また、レジンによっては光と熱を使った二次硬化が必要な場合もあります。この2つの工程では未硬化レジンに直接触れる機会が最も多くなりますので、作業中は常に手袋を着用してください。
レジンの安全性について
レジンは安全に3Dプリントできますか?
推奨されている安全対策を守り、PPEを着用し、ベストプラクティスを学ぶことで、リスクを軽減し安全にレジン3Dプリントを行うことができます。材料やシステムの中には、もともと安全性が高いものもあります。Formlabsのレジン3Dプリンタは、性能と安全性を追求して設計されています。
安全なレジンはありますか?
安全性は二者択一ではありません。レジンはすべて化学物質で構成されており、レジンの危険性はその構成成分である化学物質の危険性に由来します。原料によって危険性に大きな差があるため、危険性の低いものを選ぶことでより安全性の高いレジンを配合することは可能です。リスクを理解し軽減することで安全性を保つことができますが、リスク許容度は人によって異なります。材料の成分と取り扱い方法を知ることで、自分で判断できるようになります。
Formlabsでは、お客様に安全にご利用いただくことを特に重要視しています。ラボでも自宅のスタジオでも、Formlabs製か他社製かを問わず、お客様は使用する材料と安全な造形方法について知る権利があります。Formlabsのレジンはすべて米国で製造されており、かつすべてのオフィスにプリントファームが設置されているため、Formlabsの従業員自らが日々レジンのそばで安全かつ快適に働いています。
どうしたら購入前にレジンの成分を知ることができますか?
造形を開始する前、可能であれば購入前に、安全データシート(SDS)を確認してください。SDSは、材料の危険性、取り扱い方法、推奨される個人用保護具(PPE)などを記載した製造元の文書です。
この点には、業界全体で課題があります。Formlabsが市販されている3Dプリント用レジンを数十種類分析した結果、多くのレジンについてはSDSがオンラインで見つからないか、SDSがあってもその内容と表示されているレジン組成に差異があることがわかりました。SDSが見つからない場合や、SDSの内容が不完全な場合は、メーカーに問い合わせてください。
PPE、皮膚への接触、感作
レジンを取り扱う際は手袋を着用する必要がありますか?
はい。材料に関係なく、液体レジンや未洗浄の造形品を取り扱う際は必ず手袋を着用してください。3Dプリント用レジンは液体の状態では感作性物質であり、繰り返し接触することでアレルギー反応を引き起こす可能性があります。皮膚に未硬化レジンが付着した場合は、石鹸と水でよく洗い流してください。
液状レジンを取り扱う際は、呼吸用保護具を着用する必要がありますか?
Formlabsのレジンを取り扱う際は、呼吸用保護具は必要ありません。他社製のレジンを使用する場合は、SDSを参照して適切なPPEを確認し、不明点がある場合はメーカーにお問い合わせください。ACMOを含む材料など、一部の材料では呼吸用保護具の着用が必要です。
皮膚刺激性物質と皮膚感作性物質の違いは何ですか?
刺激性物質は、皮膚への直接的な化学作用により、接触部位に発赤、乾燥、かゆみ、灼熱感などの局所反応を引き起こします。反応は接触部位に現れ、接触をやめれば治まることが一般的です。
感作性物質は免疫反応を引き起こします。最初の接触では目に見える反応がまったく現れないこともありますが、免疫系が反応しやすい状態になるため、その後の接触では徐々に強い反応が現れます。この反応は、必ずしも材料に触れた部位だけに現れるとは限りません。この類の反応の例として、ツタウルシがよく知られています。
実質的な違いは、「刺激」は曝露量に応じて生じる可逆的な反応であるのに対し、「感作」は累積的で一度成立すると持続する反応である点です。材料は、刺激性物質、感作性物質、その両方、またはいずれにも該当しない場合があります。そのため、非刺激性に分類されていても、手袋が不要になるわけではありません。
レジンアレルギーとは何ですか?また、どのように発症しますか?
一般的にレジンアレルギーと呼ばれるものは、感作反応です。皮膚や肺などが未硬化レジンやその揮発性有機化合物(VOC)に繰り返し曝露されることで、感作が生じることがあります。一度感作を起こすと、曝露が続くことで季節性アレルギーのような炎症反応が引き起こされます。反応の起きやすさは人によって大きく異なります。長年にわたり曝露された後に感作反応を発症する人もいれば、まったく発症しない人も多くいます。
感作は累積的な曝露によって引き起こされるため、接触を最小限に抑えることが最も効果的な予防策です。そのため、手袋など適切なPPEを着用し、接触を抑える設計のシステムを選ぶことが重要です。例えば、カートリッジから自動供給できるものを選ぶことで、レジンを手で注ぐ必要がなくなります。また、VOC Extractorのような外付けのフィルタ装置を使用することで、空気中のVOCへの曝露を最小限に抑えられます。危険性の低い配合、接触を最小限に抑えるハードウェア、PPEの常時着用を組み合わせることで、総合的な曝露量を大幅に削減できます。
臭気、VOC、作業環境の整備
レジンの臭いには毒性がありますか?
レジンに毒性があるかどうかは、臭いでは判断できません。臭いの有無にかかわらず、VOCには毒性がある場合があります。しかし、毒性は人間の嗅覚だけで判断できるものではありません。
レジン3Dプリントの臭いを嫌う人もいますが、必ずしもその臭いが有害であるとは限りません。使用するレジンの安全データシートを確認し、造形時に必要な換気方法を確認してください。

Alphaレジンファミリーは低臭気でより快適なプリント環境を実現。Form Studio 1でVOC Extractorと併用した場合にUL GREENGUARD Gold認証を取得。
レジン3Dプリント用の作業スペースは、どのように準備すればよいですか?
Formlabs SLA光造形製品の安全性に関するガイドでは、Formlabsのレジン3Dプリンタを使用するための作業スペースの準備方法をご紹介しています。
レジンで造形するには専用のスペースや換気が必要ですか?
使用するプリンタやレジンによって異なります。
Formlabsのレジンはユーザーの安全を考慮して配合されており、安全に使用するためのエンクロージャー、呼吸用保護具、専用の排気システムは必要ありません。Form Studio 1用のAlphaレジンは、VOC排出量に関する試験が行われ、追加の環境制御を行わなくても住宅環境で安全に使用できます。また、さらに安全性を高めたいユーザー様向けに、Form 4とForm Studio 1の両方に対応するVOC Extractorも用意されています。お使いのレジンに適した安全な作業手順を確認するため、造形前に必ずFormlabsのWebサイト上でSDSをご確認ください。
その他のプリンタやレジンについては、SDSとメーカーのガイダンスを確認してください。一部の組み合わせでは専用の換気が必要になります。レジンや溶剤が意図せず垂れてしまったり、造形品の洗浄時に生じる蒸気を一定の範囲内に収めるため、あえて別の作業スペースを設けるユーザー様もいます。
造形時にVOCを最小限に抑える方法はありますか?
低価格帯のレジン3Dプリンタを使用するユーザー様の多くは、VOCを閉じ込めるためにグローテントを使用しています。ヒュームフードや換気システムも使用できます。
Formlabs VOC Extractorは、Form Studio 1またはForm 4に取り付けて使用する外付けのフィルタ装置で、造形中に発生するVOCを除去します。ファンがホースを通してプリンタから空気を引き込み、HEPAフィルタ(プレフィルタと活性炭)を通して空気中のVOCを除去し、クリーンな空気を吐き出します。
高機能材料
安全性の高いレジンは、性能が劣ったり造形速度が遅かったりしますか?
これは、優れた性能を得るには危険な化学物質が必要だという前提に立ったご質問ですが、実際はそうではありません。ACMOが典型的な例です。ACMOは安価で低粘度、硬化が非常に速く、剛性の高い材料を作れるため、多くの3Dプリント用レジンに使用されています。しかし、ACMOはレジンの配合に使用できる数千種類の原料の1つにすぎず、ACMOを使わなくても高速かつ費用対効果の高いレジンを作ることができます。Alphaレジンやその他のFormlabsレジンにはACMOは含まれていません。
プリンタビリティや造形速度も、プリンタの性能に大きく左右されます。配合にかかわらず、造形速度と信頼性のバランスは最適化された造形設定によって大きく変わります。
Alphaレジンは、他の一般消費者向けレジンと比べてどのような点で安全性が高いと言えるのですか?
配合と試験です。Formlabsでは、歯科器具や修復物などの関連用途で安全性の実績がある、危険性の少ない成分を選び、ACMOのような既知の有害成分は使用していません。
Form Studio 1は、VOC ExtractorとAlphaレジンを併用した場合にUL Greenguard Gold認証を取得した初のレジンプリンタです。この認証は、屋内で使用する機器を対象に、VOC排出量の少なさを認証する独立した試験です。
また、Alphaレジンは低臭気の化学物質を使用しているため、一般的に他の3Dプリンタメーカーのレジンよりも臭いが大幅に抑えられています。試験は液体レジンと完成した造形品の両方を対象としています。液体のAlphaレジンはOECD 439に基づいて非刺激性と評価されています。造形品は、Formlabsの医療機器用レジンと同じISO生体適合性規格に照らして評価され、推奨される後処理を行うことで長期的な皮膚接触の要件を満たしています。
取り扱い、洗浄、廃棄
レジン製の造形品は、硬化後に安全に取り扱えますか?
Alphaレジンで造形して後処理をした造形品は、長期皮膚接触に関する試験を受けているため、安全にお取り扱いいただけます。安全な取り扱いが可能かどうかは、適切な洗浄と二次硬化が行われているかどうかで変わります。アクリルモノマーは液体の状態では接触アレルギー物質ですが、完全に重合すると不活性になるため、硬化が不十分な造形品はアレルギー反応を引き起こす可能性があります。すべてのレジンが硬化しただけで安全に取り扱えるとは限りませんので、他のレジンについてはメーカーの資料を確認してください。
IPAの代わりに使用できる洗浄液はありますか?
IPAはほとんどのレジンに使用でき、さらに安価であることから人気の洗浄液ですが、可燃性で臭いが強いという特徴があります。Formlabs Resin Washing Solutionは、IPAと同等の洗浄力を持ち、より長持ちする低臭気・不燃性の洗浄液です。他の溶剤も使用可能です。重要な注意点として、すべてのレジンがすべての溶剤で良好に洗浄できるわけではありません。使用するレジンに応じて適切な溶剤を選択する必要があります。
未硬化レジンはどのように廃棄すればよいですか?シンクに流してもいいですか?
レジンは絶対にシンクに流さないでください。廃棄に関する規則は地域によって異なるため、現地の規制をご確認ください。一般に、空のボトルやペーパータオルに残っている程度の微量のレジンは、一般ゴミとして廃棄できます。大量のレジンは、まず硬化させて固体にしてから廃棄するか、自治体が指定する回収場所に持ち込んでください。余ったIPAや古くなったIPAは、換気の良い屋外で蒸発させることができます。