ラピッドツーリング
ラピッドツーリング
ラピッドツーリングとは、射出成形など従来型製造法で高速に小ロット品を生産するため、金型や治具等の製作(ツーリング)を安価で高速、そして効率的に行う技術の総称です。ラピッドツーリングは、直接パーツを作るのではなく、金型、ダイ、パターンなどのツールを作り、それを従来の製造工程で最終的なパーツの製造に使用します。これにより、(ラピッド)プロトタイピングと生産のギャップを埋め、実製品用パーツの製造を可能にします。
ラピッドツーリングは、量産に移行する前に設計や材料の選択を検証できるため、製品開発の加速、迅速な反復、より優れた製品の市場投入が可能になります。ラピッドツーリングは、量産段階でそのまま使用できる品質の材料を使って、エンジニアの方々が実際の環境で部品がどのように機能するかを評価し、ベータテストや検証試験用製品のパイロット生産を行う際に多くのメリットがあります。また、ラピッドツーリングは高額な量産用の金型製作を行う前に、製造工程の改善点を検討 するトラブルシューティングにも大いに有効です。
ラピッドツーリングでは、プラスチック、シリコン、ゴム製パーツ、複合材料や金属製品までを含め、 それらを製作する際に用いられていた様々な製法プロセスを効率化することができます。
そしてラピッドツーリングは、従来のツーリングでは高額なコストを要するカスタム品や小ロット品の生産をも、現場が慣れ親しんだ従来の製造プロセスに則りながら高速・安価に実現できます。これにより、メーカーは新製品の市場テストや、より幅広い製品群の提供、あるいはお客様のニーズに対応する製品カスタマイズ等が無理なく行えます。

Formlabs推奨材料
Formlabsは、Formlabs 3Dプリンタでさまざまなラピッドツーリングを3Dプリントできる幅広い材料ライブラリを提供しています。適切な材料の選択は、用途によって異なります。
| レジン | 用途 | 詳細 |
|---|---|---|
| High Temp Resin | 射出成形 | 238°C @ 0.45 MPaまでの温度に耐性金型やインサート、熱風やガス、液体の流れにさらされる部品、耐熱性のあるマウント、ハウジング、治具など、高い耐熱性が求められる詳細で精密な試作品や実製品用部品の製作に最適です。 |
| Clear Castレジン | インベストメント鋳造 | 従来の鋳造方法ではパターン化が難しいアンダーカット、チャネル、薄肉などの特徴を持つ部品を製作できます。大きなモデル用に設計されています。 |
| Fast Modelレジン | サーモフォーミング | Formlabsで最も高速なレジンで、1時間に100mm以上の速度で造形が可能です。歯科用モデルならわずか数分で、大型の試作品なら2時間以内に造形できます。 |
| Rigid 10K Resin | 射出成形 | 218℃@0.45MPaまで耐性高剛性、高強度、耐熱性、耐薬品性 |
| Tough 1500 Resin | サーモフォーミング | 繰り返しの使用でもすぐに曲がったり元に戻ったりする、硬くてしなやかな造形品を製作できます。一時的なたわみや高い衝撃を受ける機能的な試作品、治具、コネクタの製作に最適です。 |
| Nylon 12パウダー(SLS) | 実製品用途 治具、固定具、製造補助具 | サポート材なしで衝撃に強い治具を製作可能。高い剛性と耐久性 |
設計上の注意点
3Dモデルを成功裏に設計するには、Formlabsのベストプラクティスに従ってください。材料の種類やプリンターの世代によっては、造形を成功させるために特定の要件がある場合があるため、それらを考慮してください。また、治具の設計にはプロセス固有の考慮事項が必要になる場合があります。詳細は、各用途に関する記事をご参照ください。
造形時の注意点
モデルの向きに関するFormlabsのベストプラクティスに従ってください。
重要な内面にサポート痕が残らないように、ビルドプレート上でパーツの向きを調整します。
3DパッキングでSLSプリント品の充填密度を最大化します。
後処理の注意点
Formlabsのベストプラクティスに従って、造形品を洗浄し、二次硬化させます。洗浄と二次硬化の手順については、各材料の記事をご参照ください。SLA光造形品には電気めっきやコーティング、SLS造形品にはメディアブラストなど、強度や耐久性、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための後処理を検討してください。
- 元になる CAD モデルと造形した治具を比較し、検査を行います。ノギス、マイクロメーター、その他の計測機器を使用して検証します。
- 治具の機能面を検証します。ワークに取り付けた際の位置や表面のフィット感、安定性を注意深く確認します。適切に設計・製作された治具はワークをしっかりと保持することができ、固定のための力が加わると、ワークは完全に固定された状態になります。
- フライスや穴あけ加工など、高い荷重のかかる作業については安全性とともに送りやスピード、設備機器の出力、選定した材料に基づいてクランプ要件を算出します。
3Dプリント品の寿命を延ばすために、Formlabsでは以下のことを推奨しています。
- 二次加工が完了したら、ボルトを緩め、クランプ力を解放して、連続的な荷重を防ぎます。
- 3Dプリント品に汎用の既製品を組み合わせて機能性を向上
- スプリング、スライド、レバーなどを使って、パーツを治具の表面から持ち上げます。
最終用途の推奨事項と制限
3Dプリントは、治具を迅速かつ低コストで内製できる強力なソリューションです。主なメリットは、スピード、コスト削減、設計の自由度、材料の選択肢、柔軟性です。特に以下の用途に推奨されます。
- プロトタイピング
- 製品検証テスト
- カスタム生産
- 短期またはオンデマンド生産
- ブリッジ生産
制限事項:
- 記載されている耐熱温度を超えて使用すると、材料が劣化する可能性があります。
- 高圧や高荷重の下では、時間の経過とともに造形品が変形する可能性があるため、補強が必要になる場合があります。
その他資料
- ラピッドツーリングガイドホワイトペーパー